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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1995/03/17 産経新聞夕刊
【打鐘が鳴る】競輪再発見(4)車番制導入で波乱
 
 「代用品で入った」。ファンにはすぐ分かる“業界用語”だ。買った車券が当たったのだが、自分が予想していた選手ではなく、同じ枠の別の選手が入ったときに使われる。ファンにとっては不本意な当たり方だが、来年からはこの“代用品”がきかなくなるケースが出てくる。
 昨年十一月、競輪関係五団体は、従来の枠番制に加え、競馬の馬番制に相当する車番制の導入を決定。来年一月以降、準備が整った競輪場から順次実施される予定で、首都圏では今秋に前倒しして導入される競輪場もあるという。
 「競馬では平成三年から馬番が実施され、人気に拍車をかけた。車番にしたからといって売り上げが伸びるという保証はないが、ファンが望んでいることでもあり、実施に踏み切った」
 日本自転車振興会の鈴木伸太郎企画部長は導入の経緯を説明する。
 車番制導入のねらいは、競輪のギャンブル性を高め、人気も高めること。
 競輪はどのレースも九選手で争われる。枠番制では、一−三番は単枠で、残り六選手は二人で一つの枠となる。一位、二位の選手を予想する連勝単式の場合、車券の買い方は三十三通り。一方、選手一人ひとりに番号がふられる車番制では、車券の買い方は七十二通りに増える。また、枠番制のように、予想していたのとは逆の選手で当たることもなくなる。
 競輪は競馬に比べて配当が低いとの不満の声があったが、これからは的中したときの配当も高くなる。万馬券(百円に対して一万円の配当がつく馬券)のような“万車券”が多く出てきそうだ。
 競輪を所管する通産省でも「ファンにとっては推理の楽しみが増し、当たれば配当もいい。今以上に競輪を楽しめることになるだろう」(渡辺修機械情報産業局長)と期待を寄せる。
 その一方で、冷めた見方もある。コミック誌に競輪を題材にした「ギャンブルレーサー」を連載している漫画家、田中誠さんは「車番制は、可もなく不可もなく、といったところ。有力選手ぞろいのレースならば車番連勝単式は面白味があるが、普通のレースだとどれだけメリットがあるのだろうか。予想の仕方自体はこれまでと変わらないのだから」と話す。
 また、配当が上がることについても「高配当は当たる確率が低くなること。これで売り上げが伸びるかは疑問だ。個人的には“代用”があった方がいい」と、従来の枠番制の肩を持つ。
 「車番制は波乱のレースの配当額を非常に高いものにするだけ。競輪の客離れを止めて売り上げを増やすためには、単に配当金を上げることよりも、まず娯楽として見て楽しめるものにすることの方が大事。競輪界はほかにやることがあるのではないか」
 車番制の実施には、投票システムや電光掲示板など新しい機器の導入が必要で、施行者(関係自治体)には新たな出費を強いることになる。なかには「投資しても売り上げが増えないのではないか」との不安の声も聞かれる。車番制はギャンブル界自身が打った大バクチである。
(原口和久)
 
 
 
 
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