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 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2004/10/25 読売新聞朝刊
宇都宮競馬廃止 対応後手で赤字悪化 再就職問題、跡地の活用・・・課題山積=栃木
 
 県営宇都宮競馬が今年度いっぱいで、五十六年の歴史に幕を閉じることになった。昨年の足利競馬に続く廃止で、県内から競馬が姿を消すことになる。赤字脱却の見通しが立たず、これまでの“貯金”も底をついたのが大きな理由だが、騎手や調教師ら競馬関係者の再就職や競馬場用地の再利用など、課題が山積している。
(武石将弘)
◆売り上げ激減
 宇都宮競馬は、県が主催を始めた一九四八年度以来、五十年連続で黒字を計上、県一般会計への繰入額は約390億円に上る。繰入金は公共事業などに使われ、県財政に貢献してきた。
 しかし、長引く不況やレジャーの多様化、若者の競馬離れなどから売り上げが激減、九八年度から赤字に転じた。昨年度の一日当たりの入場者数は二千四十人、馬券発売収入は約7881万円で、ともにピークだった七〇年代後半の四分の一程度。昨年度までの累積赤字は約41億円に上る。
 これまでは、黒字のころに積み立ててきた基金を取り崩してしのいで来たが、その残高は今年度末で約2億円になる見込み。仮に来年度も開催すれば、基金は完全に底をつく。収益を上げ、県財政に貢献するのが県が競馬事業を行ってきた大きな理由であるだけに、福田知事は、十九日の会見で、「税金で競馬の赤字を補てんすることは、県民の理解が得られない」と廃止理由を説明した。
◆無策のツケ
 赤字転落の原因として、不況やレジャーの多様化だけでなく、後手に回った対応を指摘する声もある。
 馬番連勝複式や三連複・単式などの新しい馬券購入方法を導入したり、高崎競馬や足利競馬(当時)と連携して「北関東Hot競馬」を開始したりしたのは、いずれも赤字に陥った九八年度以降。売り上げが好調だった七〇―八〇年代、売り上げ増や新たなファン獲得に向けて、目立った努力や工夫をしてこなかったツケが回ってきた形だ。
 中央競馬を主催する日本中央競馬会(JRA)が、様々な広告戦略や企画で若者や女性ファンを獲得したことや、高知競馬が「ハルウララ」のような人気馬を利用して売り上げを伸ばしたのとは対照的。
 県馬主会の小林俊雄会長(68)は、「県は、何一つ経営努力をしてこなかった。一方的な廃止には承服できない」と語気を強める。
◆厳しい移籍
 「廃止の決定を聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった」。ある厩務員(きゅうむいん)(29)は話す。「自分たちはこの仕事しか知らない。いきなりサラリーマンになれと言われても、やっていく自信がない」。
 宇都宮競馬に所属する調教師、騎手、厩務員は計二百四十六人。他の地方競馬に移籍する道もあるが、県調騎会(調教師と騎手で構成)の菅原末治会長(65)は、「今はどこの地方競馬も経営が苦しい。進んで受け入れてくれるところなどまずない。移籍して、今までと同じ仕事ができるのは、ほんの一握りだろう」と顔を曇らせる。
 昨年まで上山競馬を主催していた山形県上山市によると、所属の調教師、騎手、厩務員計二百五人のうち、他の地方競馬に移籍できたのは、それぞれ二人、十四人、四十三人の計五十九人。競馬以外の職に就いたのが百十一人で、残る三十五人はいまだに就職先が決まらない。同様に〇二年廃止の新潟競馬では、調教師、騎手、厩務員計百八十人のうち、移籍したのは計七十四人にとどまり、今も三十八人が就職先未定だ。
 福田知事は会見で、「再就職等支援連絡会議を設置し、全庁的に取り組んでいきたい」と述べたが、具体的な対策はこれからだ。
 また、所属馬五百三十八頭のうち、新しい行き先が見つからない馬は、廃馬になる運命をたどる。
◆敷地面積20ヘクタール
 広大な敷地の跡地利用も問題だ。宇都宮市西川田にある宇都宮競馬場の敷地面積は約二十ヘクタール。また、県は九四年に策定した移転計画に基づき、壬生町羽生田にも用地約八十一ヘクタールを買収しているが、赤字転落を理由に九九年、計画を凍結して以来、手つかずのままだ。
 二〇〇〇年以降に廃止された五競馬のうち、競馬場の跡地利用が決まっているのは中津(大分県)、益田(島根県)の二つだけ。中津市は〇八年開催の国体に向けて総合体育館建設を予定、益田市は敷地を県に売却し新設県立高校を建てることが決まっている。一方、新潟、足利、上山の跡地利用計画は白紙の状態だ。
 福田知事は「公共的な利用を検討したい」としているが、具体的な検討はこれからだ。
 
 
 
 
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