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私はこう考える【国連について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


2004/08/01 読売新聞朝刊
日本の安保理常任理事国入り 「勝負の時」 外務省に対策本部、あす設置
◆働きかけ活発化 首相の熱意カギ
 政府が、長年の懸案である日本の国連安全保障理事会常任理事国入りに向けた国連改革に本腰を入れ始めた。二日には外務省に国連強化対策本部(本部長・川口外相)を設置する。国連創設六十周年の来年秋に首脳サミットを開き、改革の道筋を定めることを目指しているが、実現には多くの課題がある。
(政治部 五十嵐文)
■次は本物
 東京・霞が関の外務省。中央庁舎五階の総合外交政策局長室には、「安保理のイス」がある。日本同様、常任理事国入りを目指すドイツが、国連本部に新品のイス十五脚を寄贈した。不要になった古いイス十五脚はドイツが引き取ったが、そのうちの一脚を「友情の証し」として、五月に日本に進呈したのだ。
 「本物の安保理のイスを手に入れるには、これからの半年間が勝負だ」
 外務省幹部は意気込む。
 その大きな試金石となるのが、アナン国連事務総長の諮問機関「ハイレベル委員会」(委員長=アナン元タイ首相)が年末にまとめる安保理改革などに関する提言だ。
 緒方貞子国際協力機構(JICA)理事長、銭其チン中国前副首相ら「世界の賢人」十六人が安保理改革の具体案を示せば、国連で十年以上続く「総論賛成、各論反対」の議論に終止符を打ち、前進する契機になる可能性がある。
 政府は今年三月、ハイレベル委の活動資金に100万ドルを拠出した。七月上旬には緒方氏らメンバー七人を招いた会合を京都で開き、日本の主張を提言に反映させるための根回しを行った。
 九月の国連総会開幕までに「国連強化対策大使」を任命し、関係国・機関への働きかけを強める方針だ。
 日本は来年一月から二年間、安保理の非常任理事国を務める予定だ。来年は国連創設六十周年、二〇〇六年は日本の国連加盟五十周年で、いずれも節目の年となる。安保理内での発言力がある間に、いかに改革を具体化するかが焦点となる。
■不安要素
 「日本の常任理事国入りを支持するだけでなく、米国としての安保理改革の考えをまとめてほしい」
 竹内行夫外務次官は六月末のワシントンでの日米戦略対話でアーミテージ国務副長官に迫った。政府は、米英仏露中の五常任理事国の中で「米国の動向がカギ」(外務省首脳)と見ているが、国連への不信感が根強い米国はここ数年、改革に積極姿勢を見せていない。
 日本の安保理改革の構想は、〈1〉理事国を十五か国(常任五、非常任十)から二十四か国(常任十、非常任十四)に拡大〈2〉十―十五年ごとに構成を見直す仕組みをつくる――などが柱だ。
 ただ、五常任理事国の特権の「拒否権」を新常任理事国が持つかどうかなどについては、「新旧常任理事国で異なった扱いは好ましくない」との表現にとどまり、明確な方針を示せていない。
 また、安保理の拡大には国連憲章の改正が伴い、常任理事国五か国を含む加盟国(現在は百九十一か国)の三分の二以上の批准が必要となる。開発途上国など幅広い国の同意も不可欠だ。
 政府内には、小泉首相が九月下旬の国連総会に出席し、トップ外交を展開することへの期待感もある。
 ただ、首相は、常任理事国入りに慎重な与党議員が九四年八月に発足させた「国連常任理事国入りを考える会」の会長を務め、常任理事国入りに慎重な発言を繰り返した経緯があり、“本気度”を疑問視する向きもある。六月の日米首脳会談でも、首相は国連改革の必要性を強調しただけ。「日本は常任理事国になるべきだ」と明言したのはブッシュ米大統領の方だった。
■合従連衡
 常任理事国を目指しているのは日本だけではない。ドイツやインド、ブラジル、南アフリカ、ナイジェリア、エジプトなどが機会をうかがっている。
 最も活発なのがドイツだ。三月にシュレーダー首相が常任理事国入りを目指す方針を表明。五月にドイツを訪れた中国の温家宝首相から「ドイツが国際社会で大きな役割を果たすことを歓迎する」との発言を引き出した。七月には、フィッシャー独外相とインドのシン外相が常任理事国入りを相互に支持するなど、常任理事国候補間の「合従連衡」の動きも始まっている。
 川口外相は今月中旬にインド、小泉首相も九月中旬にブラジルをそれぞれ訪問する予定で、各国とどう協力するかも、改革実現の大きなカギとなりそうだ。
〈国連安保理〉
 国連憲章で「国際の平和と安全の維持に関する主要な責任を負う」と定める国連の主要機関。米英仏露中の5常任理事国と、任期2年で毎年半数が改選される10か国の非常任理事国で構成。
国連加盟国の推移と国連改革の主な動き
1945年 10月 国連が発足
1956年 12月 日本が国連に加盟
1965年 8月 国連憲章改正で安保理議席数を11から15に拡大
1993年 12月 国連総会に安保理改革作業部会を設置
1997年 3月 ラザリ国連総会議長(当時)が安保理議席数を15から24に拡大する案を提示
2003年 9月 川口外相が2005年に国連改革のための首脳会合開催を提唱
11月 アナン事務総長の諮問機関「ハイレベル委員会」が発足
 
 
 
 
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