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私はこう考える【天皇制について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1999/12/02 読売新聞朝刊
「皇室観」 天皇陛下10年の歩み、国民も好感/読売新聞社全国世論調査
 
 読売新聞社がこのほど実施した「皇室観」に関する全国世論調査では、天皇陛下に対して尊敬や親しみの感情を抱く人が増えていることが明らかになったが、その一方で、皇室に無関心な人の比率が若年層に高いほか、年代によっては皇室に対する関心の中身にも違いがあることが浮き彫りになった。天皇陛下在位10年という節目を迎えて、国民は皇室にどのようなイメージを思い描き、また何を求めているのだろうか。
(本文記事2面)
《気持ち》
◆「親しみ感じる」過半数
 今の天皇ご一家に好感を持っているかどうかでは、「好感を持っている」が「どちらかといえば」を合わせて76%にのぼり、「持っていない」8%を大幅に上回った。
 さらに、今の天皇に対してどのような気持ちを持っているかをきいたところ、「親しみを感じる」が、90年10月の前回調査より2ポイント増えて51%となったほか、「尊敬している」も同4ポイント増の19%で即位以来の最高値を記録した。「尊敬している」は70歳以上33%など高年齢層に多く、「親しみを感じる」では40―60歳代が57%と際立っている。
 「おそれ多い」3%、「反感をおぼえる」1%はいずれも少数派。また、「関心がない」は90年10月調査より3ポイント減って24%となり、皇室への関心が急速に高まった89年1月の即位直後の調査を除いては、この10年間で最も少なくなった。
 ただし、「関心がない」は若年層ほど多く、20歳代では55%と半数以上を占め、そのぶん、「尊敬している」11%、「親しみを感じる」30%といった皇室に対する肯定的な受け止め方が、全体平均を大幅に下回った。
《変化》
◆被災地慰問 強い印象
 天皇陛下の即位以来10年間で皇室が変わったと感じる点があるかどうかをきいたところ、「被災地をいち早く慰問」と「話し方がわかりやすく親しめる」がいずれも33%でトップに並んだ。雲仙普賢岳噴火、阪神・淡路大震災などの被災地に両陛下がいち早く慰問にお出かけになったことや、平易な口調で国民に語りかける天皇陛下のお言葉が国民の間に強い印象として残っているようだ。
 また、これに続く3―5位では、「国際親善に意欲的」30%、「福祉問題に高い関心」25%、「戦災を受けた土地への慰霊訪問」20%など、いずれも両陛下が積極的に取り組まれているテーマがあがった。
 両陛下の外国訪問はすでに8度を数え、国内的にも、福祉施設の慰問や、戦後50年にあたる95年の戦災地への「慰霊の旅」などを積極的に進めてこられたが、こうした両陛下の活動的なお姿に多くの国民が注目のまなざしを向けているようだ。
《役割》
◆「国民との交流期待」33%
 今後の皇室の役割やあり方に対する期待度では、「国民との交流」33%が最も高く、以下、「社会福祉や環境保護」29%、「国際親善」27%、「伝統や文化を守る」23%――などの順。「皇室の情報を積極的に公開」は18%、「率直に発言」は17%だった。
 8つの選択肢のうち4項目で20歳代の数値が全年代中、最低となり、20歳代ではそのぶん「関心がない、答えない」32%が全体平均を10ポイントも上回った。
 一方、今後の皇室と国民の関係の望ましい姿をきいた設問では、「もっと開かれた皇室になってほしい」27%、「あまり開放すべきではない」3%に対して、「いまのままでよい」が58%にのぼり、現状維持を望む声が大勢を占めた。
 天皇ご一家に好感を持っている人の65%が「いまのまま」を望んでいることから、国民との交流を重視している皇室の今のあり方を国民の多くが肯定的にとらえているとの見方ができそうだ。
 また、年齢が高いほど、現状維持を望む傾向が強く、「いまのまま」は20歳代45%に対し、70歳以上では65%と20ポイントもの開きがあった。
《象徴》
◆制度支持、20代も64%
 憲法が天皇を日本国の象徴と規定している現在の天皇制度については、「あった方がよい」という存続支持派が78%と圧倒的多数を占めた。支持派は94年調査から1ポイント減少しただけで、「なくなった方がよい」は前回と同じ12%。現行憲法下で即位された最初の天皇である陛下のもとで、天皇制度に対する国民の高い支持が定着していることが裏付けられた形だ。
 支持派は、70歳以上では9割に迫る高数値で、年代が下がるにつれて支持の度合いも弱くなっているが、最も弱い20歳代でも「あった方がよい」は64%とほぼ3人中2人を占めている。
《関心》
◆日常生活24%皇位継承21%
 国民は皇室のどんな点に関心を持っているのだろうか。複数回答できいたところ、7割あまりの人が何らかの項目をあげた。トップは「日常生活や暮らしぶり」24%で、「国際親善活動」「皇位継承」各21%がこれに続き、「慈善活動や福祉活動」20%、「伝統行事や文化の継承」14%が上位5位までを占めた。
 「皇位継承」が2番目にあがったのは、国民の多くが皇太子さまの後継者誕生を心待ちにしていることのあらわれといえそうだ。とりわけ、天皇ご一家に好感を持っている人(「どちらかといえば」を含まない)では数値が31%と際立っており、関心度の高いテーマとなっているようだ。
 男女別でみると、男性の関心度が最も高かったのは「国際親善活動」24%。これに対し、女性は「日常生活」29%が最多で、「服装やファッション」15%(男性3%)、「結婚や出産」12%(同7%)などプライベートな面への関心が目立っている。
 年代別では、12項目中7項目で20歳代が全年代中、最低値となったが、「日常生活」29%、「服装やファッション」13%、「結婚や出産」12%に限っては20歳代の関心度が最も高くなった。
◆「見たい」57%
 天皇、皇后両陛下のお姿を直接見たいと思うかどうかをきいたところ、「見たいと思う」57%が「思わない」33%を大きく上回った。また、「見たい」は、男性より女性64%の方が15ポイントも多い。
 「見たい」は、おおむね戦後生まれに属する54歳以下では53%なのに対して、それより上の戦中・戦前生まれでは64%と10ポイント以上も高く、世代差も浮き彫りになった。さらに、「見たい」は、天皇ご一家に好感を持っていない人では37%にとどまったが、好感を持っている人では68%にのぼるなど、好感度が高いほど比率もアップしている。
《情報》
◆新聞がトップ
 皇室についてのニュースや情報の入手先では、新聞58%、NHKテレビ55%、民放テレビ52%がベスト3を占め、週刊誌7%、月刊誌、書籍各1%などの他メディアに大差をつけた。
 関心分野別にみると、「皇位継承」「天皇の国事行為」などに関心がある人では「新聞」が7割超と多く、「結婚や出産」「服装やファッション」に関心のある人の64、63%がそれぞれ民放テレビを情報入手手段としてあげている。
 また、全体平均では1割にも満たなかった週刊誌だが、「服装やファッション」「結婚や出産」などに関心を持つ人で週刊誌から情報を得ている割合は14%、12%にのぼった。
 
[質問と回答] (数字は%)
 
◆今の天皇が即位してから10年になりますが、あなたは、今の天皇に対して、どんな気持ちを持っていますか。次の中から、1つだけあげて下さい。
・おそれ多い 2.9 ・反感をおぼえる 1.1
・尊敬している 19.4 ・関心がない 24.1
・親しみを感じる 51.2 ・答えない 1.4
 
◆あなたは、今の天皇ご一家に、好感を持っていますか、持っていませんか。
・好感を持っている 45.1
・どちらかといえば好感を持っている 31.1
・どちらかといえば好感を持っていない 4.8
・好感を持っていない 3.4
・関心がない 14.8
・答えない 0.8
 
◆この10年間で、今の天皇や皇后を含め、皇室が変わったと感じるところがあれば、次の中から、いくつでもあげて下さい。
・国際親善に意欲的に取り組んでいる 29.8
・阪神大震災などの被災地をいち早く慰問している 32.9
・戦災を受けた土地への慰霊訪問を積極的に進めている 19.8
・福祉問題に高い関心を持っている 24.6
・学術や文化振興に積極的に貢献している 12.6
・警備の壁が薄くなった 8.1
・話し方がわかりやすく親しめる 32.8
・考えを率直に言うようになった 15.7
・その他 1.5
・変わったと感じない 19.0
・関心がない、答えない 9.7
 
◆あなたは、皇室と国民の関係について、今後どういう姿が望ましいと思いますか。次の中から、1つだけあげて下さい。
・もっと開かれた皇室になってほしい 27.2
・いまのままでよい 58.4
・あまり開放すべきではない 2.5
・関心がない、答えない 11.9
 
◆今後の皇室の役割やあり方について、あなたがとくに期待していることがあれば、次の中から、いくつでもあげて下さい。
・国内各地の視察に出かける機会を増やす 19.4
・外国を訪問して国際親善に努める 26.9
・日本の文化や伝統を守るために努力する 23.2
・学術、芸術、スポーツなどの振興に努める 11.8
・社会福祉や環境保護のために努力する 29.2
・自分の考えを率直に発言する 17.3
・国民との交流を積極的に進める 32.5
・皇室の情報を積極的に公開する 17.6
・その他 1.1
・関心がない、答えない 22.0
 
◆皇室について、あなたがとくに関心を持っているものがあれば、次の中から、いくつでもあげて下さい。
・皇位継承 20.5 ・結婚や出産などの慶事 9.6
・皇室の歴史 10.4 ・記者会見などでの言動 10.8
・天皇の国事行為 10.2 ・日常生活や暮らしぶり 23.8
・国際親善活動 21.2 ・健康状態 8.3
・慈善活動や福祉活動 19.6 ・服装やファッション 9.1
・学術研究活動 3.9 ・その他 0.1
・伝統行事や文化の継承 14.3 ・関心がない、答えない 28.0
 
◆あなたは、機会があれば、天皇や皇后のお姿を、直接見てみたいと思いますか、そうは思いませんか。
・そう思う 57.4
・そうは思わない 33.2
・関心がない、答えない 9.4
 
◆あなたは、皇室についてのニュースや情報をどこから得ていますか。次の中から、主なものを、2つまであげて下さい。
・新聞 57.5 ・書籍 0.5
・NHKテレビ 54.9 ・宮内庁のホームページ 0.2
・民放テレビ 52.2 ・その他 0.1
・月刊誌 0.7 ・関心がない、答えない 5.9
・週刊誌 6.6    
 
◆憲法は、天皇を日本国の象徴、日本国民の統合の象徴としています。あなたは、こうした天皇制度は、あった方がよいと思いますか、なくなった方がよいと思いますか。
・あった方がよい 78.0
・なくなった方がよい 11.9
・答えない 10.1
 
◇調査方法
 ・調査日=11月20、21日
 ・対象者=全国の有権者3000人(250地点、層化二段無作為抽出法)
 ・実施方法=個別訪問面接聴取法
 ・有効回収数=1921人(回収率64.0%)
 ・回答者内訳=男46%、女54%▽20歳代12%、30歳代15%、40歳代20%、50歳代21%、60歳代20%、70歳以上12%▽大都市(東京区部と政令市)18%、中都市(人口10万人以上の市)39%、小都市(人口10万人未満の市)19%、町村24%
 この調査の記事は、世論調査部の本田伸一、中津幸久が担当しました。
 
 ◇世論調査に関する属性別データ(男女、年代、職業別などの分析表)を、実費(郵送料など500円)で提供しています。ご希望の方は、世論調査部(03・3217・8227)まで問い合わせて下さい。
 
 
 
 
※ この記事は、著者と発行元の許諾を得て転載したものです。著者と発行元に無断で複製、翻案、送信、頒布するなど、著者と発行元の著作権を侵害する一切の行為は禁止されています。

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