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4. 開催状況と考察
 在宅終末期ケアリーダーナースに関する研修会を実施するに当たり、研修目的にそってカリキュラムを作成し、研修会を開催した。その結果以下の学習効果を得ることができた。
1)在宅終末期ケアを取り巻く現状と課題として、特に告知について世界的な動向とともに日本の現状を学ぶことができた。
2)死にゆくプロセスと死生観について、事例の中から学ぶことができた。
3)在宅療養を可能とする薬物による疼痛緩和としての医薬知識を学ぶことができた。
5)終末期ケアにおける看護における補助的療養(コンプレメンタリーセラピー)について学ぶことができた。
6)リラクセーション、マッサージ効果の実際を演習により習得することができた。
7)在宅で終末期ケアを可能とする地域連携について、在宅サービスを総合的に設置している医療機関の緩和ケア病棟の施設見学をもとに理解することができた。
8)ホスピスケアの施設見学により、在宅療養者や家族の人生最後の時に際し苦しみからの解放と尊厳をもとにケアを提供するということはどのようなものなのか理解することができた。
9)訪問看護師に求められる終末期看護に必要な要素やアセスメントの重要性、看護の本質について学ぶことができた。
10)事例検討課題として、持参した事例についてグループワークを行い、自己の課題を明確にすることができた。
11)事例検討でのグループワークにおいて、スタッフへのアドバイスの視点やサポートの仕方について学ぶことができた。
12)受講生同士のかかわりの中から、全国における在宅での訪問看護に関する情報交換をとうして、今後の地域でのかかわりを認識することができた。
 
 今回の研修会において、在宅で、疼痛を伴う医療依存度の高い終末期を迎える方々やご家族が安心して在宅療養が継続できるように支援できる体制づくりのためのカリキュラムとして、講義及び演習、グループワーク、施設見学と多様な教育内容を実施した。とくに医療機関としてのネットワーク、訪問看護リーダーとしての知識と技術を習得できる内容とした。しかし、3日間でのリーダーコースは、各項目の講義時間数が少なく、グループワークにおいても、個別性に応じた教育指導には至らなかった。
 今後の取り組みとしては、専門在宅終末期看護師育成をめざした、よりスキルアップした教育カリキュラム実施に向けて取り組んでいく必要がある。また、個々受講生の教育効果をねらい、ケーススタディ等での指導効果も考えていきたい。
 
 
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