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(2)債務負担行為額欄
 
(1)物件の購入等の欄には、発生主体別に次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○普通会計内
・確定分については、基準日までに物件の引渡し等を受けたものに係る基準日の翌日以降の支出予定額
・未確定分については、基準日までに物件の引渡し等を受けていないものに係る基準日の翌日以降の支出予定額
○地方三公社
・土地開発公社に先行取得を依頼した公共用地の再取得に係る額
 
(2)債務保証又は損失補償の欄には、発生主体別に次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○普通会計内
・確定分については、地方三公社及び第三セクター以外に対して行っている損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日までに補てん義務が発生したものに係る基準日の翌日以降の支出予定額
・未確定分については、地方三公社及び第三セクター以外に対して行っている損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日における損失補償の対象である金融機関等に対する債務の残高から、基準日までに補てん義務が発生したもの(支払済みのものを含む)を除いた額
○地方三公社
・確定分については、地方三公社に対して行っている債務保証又は損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日までに弁済義務又は補てん義務が発生したものに係る基準日の翌日以降の支出予定額
・未確定分については、地方三公社に対して行っている債務保証又は損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日における債務保証の対象である主たる債務の残高又は損失補償の対象である金融機関等に対する債務の残高から、基準日までに弁済義務又は補てん義務が発生したもの(支払済みのものを含む)を除いた額。
・なお、土地開発公社の土地購入資金の金融機関からの借入れに対する債務保証又は損失補償に係る債務負担行為額のうち、土地開発公社に先行取得を依頼した公共用地の再取得に係る債務負担行為額と重複する部分については、物件の購入等に関する債務負担行為額として記載することとし、ここでは除外する。
○第三セクター
・確定分については、第三セクターに対して行っている損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日までに補てん義務が発生したものに係る基準日の翌日以降の支出予定額
・未確定分については、第三セクターに対して行っている損失補償に係る債務負担行為のうち、基準日における損失補償の対象である金融機関等に対する債務の残高から、基準日までに補てん義務が発生したもの(支払済みのものを含む)を除いた額
 
(留意点)
 債務保証又は損失補償(未確定分)については、保証先の債務不履行等が発生しなければ普通会計の負担は発生せず、また、債務不履行等が発生した場合においてもこの金額が負担の限度額であるので、開示に当たっては住民等の誤解を招くことのないよう説明するとともに、その発生する可能性又は発生した場合の負担の大きさは公社、第三セクターの経営状況、資産・負債の状況等により大きく左右されるため、次のような附表を併せて開示することも考えられる。
 
[附表]
「附表2 債務保証又は損失補償先別内訳表」において、公社等の経営状況、資産・負債の状況等(公社等の形態や事業内容、資金収支の見通し、資産評価額、債務超過や累積欠損の有無等)を勘案して、その発生の可能性を客観的に評価し、又は発生した場合の負担の大きさの見込みについて、その考え方と併せて記載する。
 
(3)利子補給等の欄には、次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○普通会計内
・利子補給等に係る債務負担行為のうち、基準日の翌日以降の支出予定額
 
 この欄には、次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○普通会計内
・継続費の総額から基準日までに執行済みの事業に係る経費の額を控除した額
 
 この欄には、次のような金額を計上することが考えられる。なお、公営事業会計等の実質収支赤字額については、「3 参考情報」を参照のこと。
【開示データ】
○普通会計内
・基準日における実質収支赤字額
○一部事務組合等
・基準日における公営事業以外の事業を実施する組合等の実質収支赤字額のうち、当該団体の普通会計で負担すべき額
○地方独立行政法人
・基準日における繰越欠損金の額
 
 この欄には、次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○普通会計内
・基準日において職員全員(基準日に退職した者を除く。)が普通退職したと想定した場合の要支給額。なお、退職手当組合に加入している団体にあっては、当該組合が基準日において保有している資産のうち当該団体の持分相当額を控除した額とする。
 
 この欄には、発生主体別に次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
○公営事業会計
・廃止を予定している公営事業会計に係るものについては、当該団体において算出した未済債務見込額
・非永続的な事業を行う公営事業会計に係るものについては、基準日における当該事業に係る負債の総額から当該事業に係る現存資産の時価(不動産鑑定評価、固定資産税評価等合理的な算出方法に基づき算出した価額)の総額を差し引いた額
○一部事務組合等
<公営事業以外の事業を実施する組合等>
・解散を予定している組合等に係るものについては、当該組合等において算出した未済債務見込額のうち、当該団体の普通会計で負担すべき額
<公営事業を実施する組合等>
・解散を予定している組合等に係るものについては、当該組合等において算出した未済債務見込額のうち、当該団体の普通会計で負担すべき額
・非永続的な事業を行う組合等に係るものについては、基準日における当該事業に係る負債の総額から当該事業に係る現存資産の時価(不動産鑑定評価、固定資産税評価等合理的な算出方法に基づき算出した価額)の総額を差し引いた額
○地方独立行政法人
・解散を予定している地方独立行政法人について、当該団体において算出した未済債務見込額
 
(留意点)
 売却を目的とした土地等の造成・整備などの非永続的な事業(地域開発事業等)を行う公営事業会計等に係る金額は、当該会計の負債の総額から資産の総額を差し引いた額であり、廃止の有無にかかわらず計上している旨の説明を行う必要があると考えられる。
 この欄に計上された金額は発生主体別の総額であるため、内訳については、次のような附表を併せて開示することも考えられる。
 
[附表]
 「附表3 公営事業会計等の廃止等に伴う未済債務の発生主体別内訳表」において、公営事業会計の廃止又は組合等、地方独立行政法人の解散に伴う未済債務見込額について、その発生主体別(各会計、法人別)の内訳を記載する。
 
 この欄には、次のような金額を計上することが考えられる。
【開示データ】
・解散を予定している地方道路公社に係る未済債務見込額のうち、当該団体が本来管理者である路線に係るものとして、当該団体において算出した未済債務見込額
 
 将来負担額の短期的な普通会計への影響を見るため、翌年度支出予定額を記載することが考えられる。
 記載に当たっては以下の点に留意する必要がある。
 地方債残高及び支払予定利息額等、物件の購入等に係る債務負担行為額、債務保証又は損失補償に係る債務負担行為額、利子補給等に係る債務負担行為額、継続費の未執行額、実質収支赤字額、公営事業会計等の廃止等に伴う未済債務見込額については、これらに係る翌年度支出予定額を記載する。
 退職手当支給確定額については、翌年度における退職手当支給予定額を記載する。
 
 将来的な財政負担に充当可能な財源として財政調整基金の残高などの資産の額についても把握し、参考情報として開示することが望ましいので、以下の資産の状況を欄外に注記することが考えられる。
【開示データ】
・基準日における基金残高(財政調整基金、減債基金、その他将来的な財政負担に充当可能な基金)
・基準日における現金・預金残高(形式収支の額。マイナスの場合は0とする。)
・基準日において売却を予定している普通財産の売却予定額







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