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[カリキュラムや時間的余裕がないから]
・学習過程の心理学にせよ、発達過程の心理学にせよ、障害児にかかわる諸問題に触れる時間に余裕がない。いつも最終時限の問題である。
・カリキュラムの構成上「教職に関する科目」の科目の種類や授業時数を増やすことが困難なため、障害児教育に関して扱う内容が限られ、概論的なものになっている。
・工業の専科大学で教職を取り学生はかなり負担が大きく、これ以上科目を増やすことは難しい。
・私の教育相談の授業で軽度発達障害を中心に「学級の中にこんな子がいる」と話ができているので、現在はこの程度でよいと思っている。介護体験も単位外で行って、事前指導もあるので、これ以上負担を増やしたくない。
・障害教育関連科目を設置するのが困難である。
・現在でも、学生に提供している科目が多く、科目が重なっている学生が履修しにくい状況なので、できるだけ増やさない方向で行っている。
・本学では商学部、経済学部、社会福祉学部、外国語学部に教職課程が設置されている。免許法改訂により「教職に関する科目」の科目数、単位数が増大しているので、学生の側にも、教職課程専任(4人)にも、免許法が指定する科目、単位以上のものを設置履修する余裕は無い。
 
[需要が低いから]
・本学は、小規模大学であるとともに、学生たちは、三級海技士免状をとるために多くの科目を履修する必要があり、教職課程の科目数は必要最小限度にする限界がある。たしかに十分とはいえないが、就職する可能性が高い。水産高校では障害児教育の緊張度が高くないこともあり、やむをえないと考える。
・学生の進路として、盲・聾・養護の教員になるものがほとんどいない現状を考えると、今の設定状況で仕方ないと思う。
・統合教育の一般化に対応して、全ての教員免許状の取得に際して、障害児理解の学習が求められている。しかし、開放性の免許制度における音楽大学の教職課程教育は、音楽科の教職専門を重視すべきと考えるので、これ以上の拡充は避けるべきだと思う。
 
[その他]
・P3に記載した科目以外でも例えば「生徒指導」系の科目でもトピックが扱われる等、学生の学習機会がいろいろな場面で設けられている点には満足している。しかし、「発達及び学習」の区分として設けられている科目「認知と人格の発達」は半期(2単位)ではスケジュールが過密であった所に加えて「障害」の内容が新法で要求されるようになったため、さらに過密さが増し、教え方に苦慮している。可能ならば通年での科目設定も考えるべきかと思う。
・現行制度においては、本学のように工業系の免許を複数取得させる場合教科に関する科目を相当数履修させるため、免許取得にはかなり負担が大きい。従って教職に関する科目については増加する方向ではなく、現科目の中では対処したい。
・将来、障害児についての理論をもっと深める教育内容にする必要がある。
・1年次を対象に障害児教育について基礎的な内容に接する機会があることで今後の特別支援教育時代へ対応する糸口となっている。一方、やはり特別支援教育の流れの中で通常教育と障害児教育の連続化が一層促されることを考えれば、今後、科目の増設は考えられるかもしれない。
・教職科目受講者に一定程度共通に履修させるのは物理的難しい。旧免許時代よりも「教育心理」等に一部として、障害児教育関連事項の取り扱いには(担当者の関心も有り)格段に高くなっている。
・本学で取得できる免許教科に関して言えば、現在の設定状況では、回答した通りである。
・特に単独の科目を設定するほどの必要性はないと感じているが、どこかである程度はふれていかなければならない内容だと判断している。
・中学校免許取得に義務付けられることになった介護等体験にそなえるという意味で、また将来の高齢化社会に対応するための基礎と指定科目の8割を障害児者に関する内容を教授することは意義があると思っている。
・(養護学校教諭免許を出していないので)授業で扱うことが少ないので今後考えたいと思う。ただ、教育における人権、子どもの権利について、心の問題としても捉えることが出来るように日常の授業で語っており、学生も優しい人間性のある若者に育っているので今後の課題は上記の通りだが、ある程度の成果はあると思っている。
・教育相談とは別に、「環境問題と教育I. II」を演習課題として提供しているが、この中で「介護等体験」で実習した特殊書学校の問題点について1年かけて学生に発表させ、ディスカッションを行っている。
 
d)一部で障害児教育を扱う科目有り 大学の「多少不満」「大変不満」の理由
[スタッフ不足だから]
・障害児教育関連科目を教職科目の必須科目とすべきであるが、障害児教育教官は分野内で最も多くの負担を強いられ、担当できない状況である。
・もう少し取り入れていく必要があるが、スタッフが3名しかいなく、負担増の点で難しい状況である。
・学部レベルでは、少人数教官スタッフでフォローするのに限界がある。大学院レベルで、教育学関連授業でLD等について言及してもらうものもある。
・現代社会の流れの中で障害児教育は不可欠と感じている。しかしながら、本学での教職課程においては専任教員との関連から十分な教育が行われていない状況にある。従って、その不足を外部の養護学校の教師に来校して頂いて集中講義として実施している。
・教職を履修する学生が学年あたり約千人弱いるが、障害児教育関連科目である(発達障害学研究)を履修する学生は、極少数(30人程度)である。さらに、教職必修科目である(教育心理学)では、多くの担当教員が、障害児教育の知識を習得しておらず、実態として障害児に関するテーマは、講義で扱われていない。
・本学は商科大学であるため、商業・経済・法律など専門の必修科目が多く、学生はこれらの卒業に必要な単位の取得に追われている。このような学生側の事情と大学側の事情(教職課程の教員が少ない)から、障害児教育に関する科目ばかりか、教育学、心理学の、さらに必要と考えられる科目が開設できない状況にある。
・障害児教育専門の教官が配置されていないせいもあり、障害児教育を取り扱う事業科目が単独には設定されていないから。
・科目が少ない、必須でない(教職では必修)。特別支援教育の流れから全ての教職学生に必修にすべき。
・大学の規模(受講生数)、関係教員数等の関係で、全体的に開設科目数、時間に制約があり、教員養成段階(学部課程)における、障害児教育に関しては最低限の基礎知識の習得レベルにとどまらざるを得ない。ただ、免許校種などからすれば関連した専門的知識・実務教育は採用後の研修などに期待する方が現実的でもあると考える。
・ノーマライゼーションに反しているが、教師にその能力がないし、体制が整っていない。
 
[カリキュラム上問題があるから]
・障害児教育に関連する単独の科目として設定されていない。
・教養教育科目として障害児教育以外の学生に障害児教育の授業を開講しているが、(選択必修)教育科目の位置づけはできていない。今後、通常学級の教員に障害児教育の理解が求められる中で、早急にカリキュラムの見直しをしていく必要があると思う。
・本学では教職科目外で「障害者論」という科目が設定されており、オムニバス形式で医師や体育学領域の先生と組んで、私は精神科領域での身体的アプローチ(ダンス療法含む)について、講義することになっているが、(平成15年より)しかし、教職科目に位置づいているわけではない。中学・高校の現場で日々生じている問題を考えると、不足を感じざるを得ない。
・最近、特殊教育で採用検査を受験する学生が増えており、また特殊教育諸学校の講師になりたいと思っている学生も増えている中でそれに関する科目数があまりにも少ないと感じている。
・障害領域が物理的に限定されてしまう(教育心理学、発達心理学の中で扱っているため)。しかし、科目を新たに設定することは難しい。
・障害児教育に関する単独の科目が少ない。障害児教育を専門とする教員が少ない。(343)授業時間数(単位数)が少なく、十分な指導が行えない。
・時間が少ない。
・現在、大学の本体の専門教育科目には、「障害者福祉論I、II」「障害者心理学I、II」が開設されているが、教職科目としては「発達と障害」が開設されているにすぎないことによる。
・近年うちの大学でも、毎年数名の車椅子の学生(科目等履修生を含む)が入ってくるようになっている。そのような状況は中学・高校でも起こっているだろうから、特に教員志望の学生には障害児教育についての理解が求められると思うが、それを専門に扱う授業の設定ということになると、カリキュラム上、困難であるのが実情である。
 
[科目の設定が必要だから]
・障害児教育関連が必修とされていないため。
・独自の必修科目の設定が必要であると考えているから。
・特別支援教育に向けた動向を考慮すると、専攻外の学生に対する履修を進めていく必要がある。
・基本的な障害児関連のこと、特別なニーズ関連のことは教員養成上必要と考える。
・前述「教職ガイダンス」において1コマとりあげられるようになったのもこの3年前である。(私、自身全ての教職科目の具体的内容を把握しているわけではないがもう少し取り入れられるべき内容であると思う。もしくは、単独科目(必修)が設定されるべきと考える。
・知的障害児以外にLDやADHDの問題がクローズアップしている。義務教育現場において、その知識のない教員の苦労が多いと聞いている。この問題に対処するうえでも、義務教育の教員養成課程での科目の設定が急務だと考えるから。
・障害児教育関連科目を単独で設定した方がよい。
・学生が卒業後、障害児教育に関わる場合もあるので、科目の設定があればよい。
・教育論や社会教育を辞めて、障害児教育があってもいい。
・強制の視点からも、芸術と障害児教育の関わり方について、もう少し教職科目の内容に取り入れていく必要があると思われる。
・教職を希望する学生全員に障害児教育関連科目を設定すべきだと考えている。ただ、担当している教職必修の授業で1コマは障害児教育にふれることができているので、現状は仕方ない。
・今後、特別支援教育が推進されることから、ここから教員になるものにとって障害児の理解、教育については誰もが分からなければならないことである。障害児教育関連科目を必修として設けなければならないと考えている。
・教職科目全体の中で取り扱う必要がある。
・単独科目がないから。
・選択必修の科目としてごくわずかな授業で取り入れられているにすぎず、触れる機会のないままに終わってしまう学生も多くいる。上記科目が設定されれば障害児教育から自らの教育のあり方を考え、捉えなおす機会がより多くの学生に与えることができるので、より深い学びができるようになることを期待している。
・独立した科目を選択科目で設置したいがまだ実現していない。
・(工学部)関連科目が設置されていない。
・必要性を十分に感じているため、学科の専門科目として開講しているが、教職科目として独立科目としては開講していない点から。
・開講コマ数、単位数という制約の中で十分ではないが、現状の中での最大限の努力をしている。
・今後障害児教育関連科目の開設を検討する必要性を感じている。







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