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II 保護事業
(1)動態保存車両(トラストトレイン)の運行と定期点検等(静岡県大井川鉄道)
 例年どおり4月〜11月に毎月1回土曜日に営業運転を行う計画をしていたが、8月末に大井川鉄道沿線にて土砂災害が発生し、7月12日の運転日を最後に運転が中止されたため計4回の運転となった。C12形蒸気機関車のボイラーの定期検査、左側連結管の修理を実施した。また、4月から新しいヘッドマークを装着し、走行した。
乗車人数人725名
 
(2)名勝旧大乗院庭園保存整備と管理運営(奈良県奈良市)
 庭園北西部分と南西部分の発掘調査を実施し、遺構の確認を行うとともに庭園東側の植栽の整備工事を行った。また、樹木剪定などの管理事業も実施した。名勝の指定外であった庭園西側の西日本旅客鉄道株式会社の保養所「大乗苑」を含む土地が追加指定され、保養所の取り壊しが完了した。来年度、念願の西小池の発掘調査が可能となった。
*文化庁等補助事業
 
(3)東京都名勝旧安田楠雄邸庭園の修復と管理運営(東京都文京区)
 平成15年度より3ヵ年の計画で建物の修復工事を開始した。平成15年度は建物の西棟の屋根、土台まわり、台所などの修理を行い、修復現場の見学会も3回実施した。また、樹木剪定などの管理事業を実施した。
*東京都・文京区補助事業
 
(4)白川郷合掌造民家(岐阜県白川村)
 旧寺口家の建物を白川村に貸与し、白川村在住の高齢者による「じば工房」として展示・活用し、公開した。
 
(5)旧駒井家住宅の修復・管理事業(京都府京都市)
 緊急を要していた屋根や煙突の修理に加え、平成16年5月から開始する一般公開のために、床などを修復し、駒井家から寄贈された家具などを展示した。あわせて庭園整備も行なった。また毎週金曜日には、ボランティアによる清掃が行なわれ、関西地区の拠点となった。
*京都市補助事業
 
(6)旧モーガン邸の取得のための募金(神奈川県藤沢市)
 旧丸ビルや横浜を中心とした多くの歴史的建造物、学校建築をてがけたJ. H. モーガンの自邸を当財団の保護対象に認定し、資産として取得するための募金活動を開始した。
 
(1)天心遺跡記念公園・天心墓地の保護管理〔茨城県北茨城市〕
 公園及び墓地の清掃や樹木剪定、竹垣の改修、危険木の伐採などの管理事業を実施した。委員会で公園の積極的活用について、今後、ワーキングを組織して検討することが決まった。
*茨城県北茨城市補助事業
 
(2)巻機山の景観保全(新潟県塩沢町)
 巻機山ボランティアーズが実施する植生復元事業への支援を行なった。
 
(1)葛城の道歴史文化館(奈良県御所市〉
 奈良盆地の西側に位置し、金剛山、葛城山のふもとをはしる古道の入り口に位置する当文化館は、古道散策の拠点となっており、地域の方のボランティアで運営されている。館内での写真展や秋には恒例の「葛城古道を歩く会」などを実施した。
入館者数 6,405人
 
(2)飛騨の匠文化館(岐阜県古川町)
 当財団の調査をもとに平成元年に飛騨の匠の技を結集して完成した当文化館は、来館者もすでに46万人を超え、年々、リピータが増えている。また、古川の町づくりの拠点としても地域の方に活用されている。建物周囲に傷みが出はじめているため、修復工事を検討している。
入館者数 46,969人
 
(3)白川郷合掌文化館(旧松井家)(岐阜県白川村)
 開館10周年を記念し、9月6日に白川村や地元住民の方と一緒にイベントを開催した。当文化館の周辺木立の伐採や障子張りなどをボランテイア作業で行っていただいたほか、シンポジウムを開催し、旧松井家の保存の経緯や今後の活用について意見を交換した。また、夏季には当財団の会員からなる白川BOXメンバーによって開館され、観光客の休憩所として好評だった。
入館者数 1,800人
 
(4)名勝大乗院庭園文化館(奈良県奈良市)
 名勝旧大乗院庭園に隣接する当文化館は、館からの眺望がすばらしく、奈良を訪れる観光客の人気スポットとなっている。展示スペースでは、当財団の事業を紹介する写真パネルを展示した。
入館者数 38,300人
 
(5)長浜鉄道文化館(滋賀県長浜市)
 琵琶湖の舟運と鉄道の要衝として栄えた地域の歴史・文化や関連資料を展示している当文化館は、隣接して建設された北陸線電化記念館が7月に開館したことで、入館者が急増した。企画展として星 晃写真展を開催し、星氏が所蔵する北陸線の電化初期の写真を展示した。また、特別展として北陸線に関連する記念切符や切手等を展示した。
入館者数 54,667人
 
(6)琴引浜鳴き砂文化館の管理運営(京都府網野町)
 鳴き砂(鳴り砂)の浜として有名な「琴引浜」を望む高台に建っている当文化館は、一昨年の開館以来、来館者がすでに2万人に達した。全国や世界の鳴き砂(鳴り砂)のほか、漂着物などを展示し、好評を博している。
入館者数 15,934人
 
(7)北陸線電化記念文化館の管理運営(滋賀県長浜市)
 すでに開館している長浜鉄道文化館に隣接して鉄道保存車両の展示棟として建設した当記念館は、平成15年7月17日に開館した。館内にはD51形蒸気機関車と西日本旅客鉄道株式会社が多額の費用をかけて修復後、当財団に近代化遺産として寄贈されたED70形交流用電気機関車及び北陸線電化に関する展示パネルを展示している。
入館者数 54,667人((5)長浜鉄道文化館に同じ)
 
(8)村上歴史文化館の建設(新潟県村上市)
 平成14年度に実施した村上の歴史的町並みの調査をふまえて、武家屋敷地区と町人地区の接点であり、また重要文化財旧若林邸などが集積する場所に、村上の町を理解し、岩舟地方の貴重な民俗資料を展示するためにヘリテイジセンターを建設した。開館は、屏風祭りにあわせて平成16年9月に行なう予定。
*(財)日本宝くじ協会助成事業
 
(1)トラストトレイン
 今年は8月末に大井川鉄道沿線で土砂災害が発生したため以後運休となり、4月〜7月までの計4回の運転日に運転前の清掃や車内での案内などのボランティア活動を行った。また、蒸気機関車の運転前の準備作業の手伝いも行った。
<運転日>4月19日、5月24日、6月21日、7月12日(いずれも土曜日)、以後運休
 
(2)白川郷合掌造り民家
 白川BOXのメンバーで、夏季は土・日を中心に開館し、冬季は屋根の雪下ろしのボランティア作業を行った。また、9月6日の10周年記念イベントで周辺木立の伐採や障子張りなども行った。
 
(3)旧安田楠雄邸清掃ボランティア
 5月5日の節句公開の後にお道具整理、建物の修復工事を前に9月10日に安田家の荷物整理、屋根工事の際に11月21・22日に瓦洗いのボランティア作業を行った。
 
(4)駒井家住宅ボランティア
 毎週金曜日の午前中を中心にボランティアを募集し、邸内及び庭園の整備を行なった。







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