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 LINE-2のピングNO.910と800の各音響画像データの水平移動量を算出した。各ピングNO.の位置を図27の地形図に示した。
 ピングNO.910の送受波器位置におけるヘディング及びピッチ軸を考慮した地形断面図と補正後の音響画像データの水平移動量を図28に示す。
 
図28. LINE-2ピングNO.910の地形断面図と音響画像データの水平移動量
 
(a)地形断面図
 
(b)右舷側の音響画像データの水平移動量
 
(c)左舷側の音響画像データの水平移動量
 
 ピングNO.910はターゲット3を捉えたものである。補正後の音響画像データの水平移動量は、左舷右舷共に送受波器直下方向へ移動した場合は、+(プラス)、外側へ移動した場合は−(マイナス)を示す。図の場合は、ターゲット上面の一部が、仮想海底面よりも高くなっているため、地形歪み除去のため外側へ移動し、仮想海底面よりも低い部分は、送受波器側へ移動する。また、ターゲットの地形傾斜により、音響画像データの並びに逆転が生じている。
 このような地形歪み除去による音響画像データの移動は、図29で説明することができる。送受波器の左舷側において、実海底面が仮想海底面よりも低い音響画像データは、地形歪み補正により、送受波器に近い方へ移動する。逆に、実海底面が仮想海底面よりも高いデータは、地形歪み補正により外側へ移動する。したがって音響画像データの並びは、図に示したように逆転が生じる場合がある。
 
図29. 地形歪みと仮想海底面、実海底面との位置関係
 
 同じく図30は、ピングNO.800の送受波器位置におけるヘディング及びピッチ軸を考慮した地形断面図及び補正後の左舷側の音響画像データの水平移動量を示したものである。このピングはターゲット2を捉えたものである。直下からNO.100までの音響画像データの水平移動量は、直下近傍における仮想海底面と実海底面との水深差から生じたものである。送受波器直下近傍の40cmの音響画像データの移動は、水深差が約1.5cmあることを示す。
 NO.100から外側のターゲット手前までの音響画像データは、実海底面と仮想海底面との差がほとんど無いため、水平移動量に大きな変化は見られないが、ターゲットそのものは、地形歪みにより、送受波器側へ約50cm移動するため、地形歪み補正により、外側(マイナス方向)へ移動する。
 
図30. LlNE-2ピングNO.800の地形断面図及び左舷側の音響画像データの水平移動量
 
(a)地形断面図







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