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2.2 日本海全域の資料収集・整理
2.2.1 文献・報告書等による観測資料
(1)大和堆海域調査報告書及び観測データ
 海洋水産資源開発センターにより日本海の中央部に位置する大和堆において、1988年〜1990年の3カ年に渡って「沖合漁場総合整備基礎調査」が行われた。この報告書及び観測データの一部はJODCに送付されており、これに基づいて観測情報を整理した。
 観測の概要を表2.5に、各年の観測項目を表2.6に示す。また、測点配置(1990年の例)は図2.5のとおりである。
 表2.6に示した項目のうち、JODCに送付されていないのは計量魚探、漁獲試験、魚卵、稚仔、漁獲試験胃内容物、ズワイガニ空中露呈、流れ藻・付着動物、EPCS(Electronic Plankton Counting and Sizing System; 動物プランクトン計量システム)など漁獲、生物関係のデータである。これ以外の項目はデジタルデータで送付されているが、JODCのフォーマット(FETI)には変換されていない。
 
表2.5 大和堆海域調査の概要
観測機関 観測期間 船名 CTD測点数
海洋水産資源開発センター 1988/8/14-1988/9/26 第10海工丸 29
海洋水産資源開発センター 1988/8/29-1988/9/26 蒼玄丸 62
海洋水産資源開発センター 1988/8/9-1988/9/6 岩潮丸 32
123
 
表2.6 大和堆海域調査における各年の観測項目と測点数
項目 1988年 1989年 1990年 備考
流速計(係留) 9
3点*3層
11
4点*3層
12
4点*3層
RCM-4/5により約1ヶ月観測
1989年は1層次測
XCP 15 - -  
CTD 29 62 32  
XBT - 61 33  
ドップラー流速計 - - 航走観測、JRC製
ブイ(海象気象) - - 1 1990/9/9-1991/3/31
連続観測
ブイ(散乱強度) - - 1
軽量魚探 14line 13line 11line 航走観測、古野製
漁獲試験 2 8 15  
海底地形 - -  
栄養塩類
表層のみ
3
-
5
27
5
27
4〜11層
植物プランクトン
表層のみ
3
-
5
27
5
27
4〜11層
動物プランクトン 3 5 5  
マクロ動物プランクトン - 2+α - +αは、表層ライン観測
マクロベントス   15 10  
魚卵 - 2+α - +αは、表層ライン観測
稚仔 - 2+α -
ピコ植物プランクトン - - 5  
漁獲試験胃内容物 - -  
ズワイガニ空中露呈 - - 1  
流れ藻・付着動物    
EPCS - - 航走観測、回航時含む
セジメント・トラップ   1 1  
・表中の数値は測点(または測線)数を示す。○は定点観測でないものである。
・XCP: Expendable Current Profiler; 投下式海流計
・CTD: Conductivity、Temperature、Depth profiler: 電気伝導度水温深度測定装置
・XBT: Expendable Bathythermograph; 投下式水深水温計
・EPCS: Electronic Plankton Counting and Sizing System: 動物プランクトン計量システム
 
図2.5 大和堆海域調査の測点例(1990年)
出典:平成2年度沖合漁場総合整備開発基礎調査報告書
 
(2)昭和7・8年の日本海一斉海洋調査
 全国の水産試験場により昭和7年(1932年)及び昭和8年(1933年)に行われた下記の日本海一斉海洋調査報告書を収集した。両年の観測点位置図を図2.6及び図2.7に示す。
 また、昭和7年(1932年)の観測における参加機関、観測期間及び測点数を整理し、表2.7に示した。昭和8年(1933年)については報告書からこうした情報は読みとれなかった。
◆日本海及び其の隣接海区の海況(昭和7年5、6月連絡施行、第一次日本海一斉海洋調査報告);宇田道隆、水産試験場報告 第五号、p.57〜190、1934(図2.6参照)
◆日本海及び其の隣接海区の海況(昭和8年10、11月連絡施行、第二次日本海一斉海洋調査報告);宇田道隆、水産試験場報告 第七号、p.91〜151、1936(図2.7参照)
 
図2.6 第一次日本海一斉海洋調査(1932)の測点図
第1圖 
a 海洋觀測點及横斷觀測線
Fig.1 
a. Oceanographical Stations
   and Sectional Lines
(拡大画面:129KB)
出典:水産試験場報告 第五号(1934)
 
図2.7 第二次日本海一斉海洋調査(1933)の測点図
第1圖 
a. 海洋觀測點及横斷觀測線
Fig. 1 
a. Oceanographical Stations
   and Sectional Lines.
(拡大画面:137KB)
出典:水産試験場報告 第七号(1936)
 
表2.7 第一次日本海一斉海洋調査(1932)の参加機関及び観測期間
観測機関 観測期間 船名 各層観測点数
樺太中央試水産部 1932/6/3-1932/6/14 北辰丸 73
北海道水試 1932/6/1-1932/6/9 深海丸 38
青森県水試 1932/6/6-1932/6/12 魁丸 14
秋田県水試 1932/6/5-1932/6/6 秋田丸 14
山形県水試 1932/6/5-1932/6/6 最上丸 14
新潟県水試 1932/6/4-1932/6/5 妙高丸 17
富山県水講 1932/6/5-1932/6/6 立山丸 13
石川県水試 1932/6/3-1932/6/5 白山丸 12
福井県水試 1932/6/5-1932/6/8 福井丸、二州丸 29
京都府水講 1932/6/5-1932/6/7 昭和丸 20
兵庫県水試 1932/6/5-1932/6/8 但馬丸 23
鳥取県水試 1932/6/5-1932/6/6 鳥取丸 11
島根県水試 1932/6/5-1932/6/6 開洋丸 15
山口県水試 1932/6/5 長周丸 11
福岡県水試 1932/6/5-1932/6/6 玄海丸 13
長崎県水試 1932/6/5 海玉丸 5
熊本県水試 1932/6/5-1932/6/10 肥後丸 40
鹿児島県水試 1932/6/5-1932/6/9 昭洋丸、光洋丸 33
鹿児島県水試 1932/6/4-1932/6/5 昭洋丸、光洋丸 10
沖縄県水試 1932/6/8-1932/6/10 圖南丸 16
関東廳水試 1932/6/1-1932/6/12 旅順丸 44
臺北州水試 1932/6/4 大和丸 4
高雄州水試 1932/6/2-1932/6/8 高雄丸 21
臺灣總督府水試 1932/6/2-1932/6/10 昭南丸 22
咸鏡北道水試 1932/6/5-1932/6/6 白洋丸 14
咸鏡南道水試 1932/6/5-1932/6/7 北鴎丸 21
江原道水試 1932/6/5-1932/6/6 蓬菜丸 14
慶尚北道水試 1932/6/5-1932/6/6 迎日丸 11
慶尚南道水試 1932/6/5-1932/6/6 智異山丸 14
全羅南道水試 1932/6/3-1932/6/6 海陽丸 17
全羅北道水試 1932/6/5 豊沛丸 8
南道水試 1932/6/10-1932/6/11 忠南丸 11
黄海道水試 1932/4/2 海龍丸 11
朝鮮總督府水試 1932/5/28-1932/6/12 鶚丸 39
朝鮮總督府水試 1932/6/3-1932/6-6 鵬丸 17
朝鮮總督府水試 1932/6/3-1932/6/6   18
農林水産局 1932/5/30-1932/6/14 初鷹丸 201
農林水産局 1932/6/1-1932/6/14 飛隼丸 65
農林水産局 1932/5/2-1932/5/22 祥鳳丸 336
農林水産局 1932/5/22-1932/5/25 金鵄丸 36
早鞆水産研究所 1932/6/3-1932/6/9   119
農林省水試 1932-5/5-1932/6/26 蒼鷹丸 182
岩手県水試 1932/6/12 岩手丸 15
茨城県水試 1932/6/11-1932/6/13 茨城丸 15
三重県水試 1932/6/5-1932/6/6 神威丸 13
和歌山県水試 1932/6/5-1932/6/6 紀州丸 15
高知県水試 1932/6/4-1932/6/6 高鵬丸 26
宮崎県水試 1932/6/4-1932/6/5 日向丸 13
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