(3)海洋気象台による日本海海洋観測調査
海洋気象台の春風丸により昭和3年(1928年)〜昭和5年(1930年)に行われた日本海海洋観測調査の結果が、下記の「海洋時報」第2巻〜第4巻にまとめられており、これらを収集した。
◆日本海南部海洋観測報告(第一報);須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第二巻、第一号、1930
◆日本海南部海洋観測報告(第二報);須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第二巻、第二号、1930
◆第二回日本海南部海洋観測調査報告(第一報);須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第三巻、第二号、1932
◆第二回日本海南部海洋観測調査報告(第二報);須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第三巻、第三号、1932
◆第三回日本海主要部海洋観測調査報告;須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第四巻、第一号、1932
◆津軽海峡海洋観測調査報告;須田 次・日高孝次ほか、海洋時報、第四巻、第二号、1933
観測範囲は各年で異なっているが、1930年に行われた観測が最も広範囲であり、その測点図を図2.8に示す。
(4)2002年、2003年の観測情報の追加
第57、58回「日本海海洋調査技術連絡会議事録」を追加収集し、2002〜2003年に実施された海上保安庁、気象庁、水産庁、海上自衛隊による観測情報を整理した。
図2.8 海洋気象台による日本海海洋観測の測点分布例(1930年)
JODCには既に大量の観測データが保有されており、本業務で構築する観測データベースに収録するデータの大半は、この中から抽出できる。但し、海外のデータについては更に新しいデータセットが公開されているので、ここでは日本の観測データについて収集・整理した。
2.1.1に示した水産試験研究機関のデータもこの中に含まれており、これらのデータは、前述したようにMIRCにおいて品質管理処理を行った。品質管理処理ではヘッダー情報及びデータについて種々のチェックを行い、付表-6に示す品質管理フラグを付与している。この処理方法は、MODS2001(MIRC Ocean Dataset 2001)として公開しているデータに準拠したものである。
(1)米国国立海洋データセンター(NODC)のWOD2001
米国国立海洋データセンター(NODC; National Oceanographic Data Center)のWOD2001(World Ocean Database 2001)から図2.9に示す日本海を含む8セクション(No.1312、1313、1314、1412、1413、1414、1513、1514)のデータを収集した。
WOD2001には表2.8に示す測器によるデータが含まれているが、これらのうち、APB(Autonomous Pinniped Bathythermograph)、UOR(Undulating、Oceanographic Recorder)及びSURF(Surface only data)は抽出対象範囲には存在しなかった。
図2.9 WOD2001からの抽出セクション
表2.8 WOD2001に含まれるデータの測器タイプ
INSTRUMENT |
SOURCE |
OSD |
Bottle, low resolution CTD, and plankton data |
CTD |
High resolution Conductivity-Temperature-Depth data |
MBT |
Mechanical Bathythermograph data |
XBT |
Expendable Bathythermograph data |
SURF |
Surface only data |
APB |
Autonomous Pinniped Bathythermograph |
MRB |
Moored buoy data |
PFL |
Profiling float data |
DRB |
Drifting buoy data |
UOR |
Undulating Oceanographic Recorder |
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(出典:WORLD OCEAN DATABASE 2001 CD-ROM Data Set Documentation)
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(2)韓国KODCのデータ
韓国KODC(Korea Oceanographic Data Center; 韓国国立海洋データセンター)を通じて最近JODCに収集されたデータセットについて、MIRCで品質管理処理を行った。
このデータは韓国のNFRDI(National Fisheries Research and Development Institute)によって行われている定期観測データであり、1961年〜2002年に実施されたものである。
観測はほぼ2ヶ月毎(偶数月)に行われており、延べクルーズ数は1,056クルーズ(船名の不明なデータを除いて集計)、総測点数は26,539点であった。
なお、1961年〜1996年の観測データの一部は既にWOD2001にも収録されている。そこで、WOD2001と照合し、同一データについては本データセットの観測データを採用するものとした。
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