日本財団 図書館


3. 14年度プログラム実践結果
 プログラムでは、地球環境の改善のためにはよりよい交通の使い方を考える必要があり、日常の交通を対象として“かしこいクルマの使い方”を実践してCO2の排出量を削減しようという努力を行った。
 
(1)交通ダイヤリー(交通日誌)調査に基づくCO2削減効果
 第1回/第2回交通ダイヤリー調査結果に基づいて、取り組んだ5年生全員の1週間の交通で排出するCO2の量を比較すると、交通機関全体で約16%、自動車だけでみると約19%の削減効果があった。
 
(2)「交通行動に関するアンケート調査」に基づく評価
 「交通行動に関するアンケート調査(第1回/第2回)」は、プログラムの実践によって私たちの意識がどう変わったかを評価するとともに、その気持ちと「私たちができること」をどう持続していけばよいかを考えるためのプロセスである。
 ここでは、そのプロセスを通して、クルマに関する意識の変化などを評価する。
◆質問1: クルマ利用の習慣強度の変化
 設問は、必ずしも“クルマ”がなくても移動可能な交通目的10問の中から、いくつクルマを選んだかによって評価する。
 この結果、大半の子どもたちはクルマを選んだ個数が減少した。
 
質問1: 自動車を選択した数の変化(学年計)
  自動車を選択した数の平均値 増えた人 変わらない人 減った人 有効回答数:n
第1回 第2回 増減
児童 7.0 6.8 20 36 26 82
家族合計 7.6 7.3 70 121 118 309
注). 第1回、第2回ともに有効回答票を対象として集計
 
◆質問2: 環境やクルマに対する意識の強さ
a. 環境問題を考えなければならないと思う気持ちの強さ
・平均的には14点。非常に強い気持ちが現れているが、2回目は少し小さくなった
 
質問2-(1)環境問題を考えなければならないと思う気持ちの強さの変化(学年計)
  環境問題を考えなければならない
と思う気持ちの強さ
増えた人 変わらない人 減った人 有効回答数:n
第1回 第2回 増減
児童 14.4 13.7 36 20 54 110
家族合計 16.1 15.5 123 89 177 389
注). 環境問題を考えなければならないと思う気持ちの強さを評価する設問
  4問の強さの合計値(1設問最大5点、合計20点が最大)
 
b. クルマを使いすぎるのはよくないと思う気持ちの強さ
・全体的にはどちらかというと意識は高くなり、平均値が6(どちらともいえない)を越えた。
 
質問2-(2)クルマを使いすぎるのは良くないと思う気持ちの強さの比較
  クルマを使いすぎるのは
良くないと思う気持ちの強さ
増えた人 変わらない人 減った人 有効回答数:n
第1回 第2回 増減
児童 5.2 6.1 56 30 33 119
家族合計 5.6 6.2 169 118 112 399
注). クルマを使いすぎるのは良くないと思う気持ちの強さを評価する設問
  2問の強さの合計値(1設問最大5点、合計10点が最大)
 
c. クルマを減らしたかどうかの自己評価
・全体的にはどちらかというと意識は高くなった。
 
質問2-(3)自分ではクルマ利用を減らしたと思っている気持ちの強さの比較
  自分ではクルマを減らしたと
思っている気持ちの強さ
増えた人 変わらない人 減った人 有効回答数:n
第1回 第2回 増減
児童 4.5 5.8 81 17 22 120
家族合計 4.7 5.8 243 80 82 405
 
◆質問3: 1ヶ月間のクルマ利用回数の変化
・昨年10月と今年の2月の1ヶ月間クルマ利用回数を比較した結果、減少した人のほうが明らかに多くなった。
 
質問3 1ヶ月間のクルマ利用回数の比較
  1ヶ月間の自動車利用回数 増えた人 変わらない人 減った人 有効回答数:n
第1回 第2回 増減
児童 28.7 28.4 20 21 34 75
家族合計 40.6 36.8 73 68 128 268
 
・児童は、自分でクルマを運転しないので顕著な減少は見られない。
・家族合計では、約1割減少している。月変動の減少率が4%程度であることを勘案すると、月変動の幅を超えて減少しているといえる。
 
 今年度は、プログラムの内容を変更し、授業の期間を2〜3カ月に短縮するとともに、教材についても見直し、改良を行う予定。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION