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8. 新駅の利用促進方法について
 
 住民が考える新駅利用促進策は、図8にある回答(複数回答可)から、新駅の駅前に対する駐車場、駐輪場、送迎車両待機所の整備と新駅の駅前の整備を挙げる声が多く見られた。また、列車の増発や新幹線などへの接続改善などが続いた。
 村内でもJR田沢湖線大釜駅における鉄道利用者の路上駐車とその対策して効果を示した駅前駐車場の設置、あるいは新駅に隣接するIGR滝沢駅における朝夕の駅前ロータリーの送迎車両による混雑などから、駅前駐車場の整備に加え、送迎車両による待機スペースの確保も、新駅の利用を促す上では必要な施策として挙げられることが再確認された。
 また、列車の増発や運行時刻の見直しといった鉄道の運行に係る内容については、新駅の利用促進と鉄道利用全体の増進を図る施策として、広域的にも取り上げた上で、鉄道事業者とともに対応を図っていくことが必要であると考えている。
 
図8 新駅(鉄道)の利用促進方法
 
9. 新駅に接続するバス路線整備の条件について
 
 新駅に接続するバス路線を整備する場合、その路線に望むこと(複数回答可)については、図9の通りである。運賃を現行の直通バスより低額にするべきとの意見が半数を超え、頻繁な運転による使い易さを求める声も5割見られた。その他、最終列車までの接続、移動時間の短縮と続いた。
 頻繁運転などについては、事業者の車両や人員の確保、沿線の人口などの集積とこれまでの既存の路線バスの利用状況などを見ながら総合的に判断を図っていくこととなるが、鉄道とバスの合算運賃の低額化については、鉄道のみ、路線バスのみの課題ではなく、公共交通利用自体の促進に密接に関わる課題と捉えて、両事業者とともに大きな検討事項として取り組んでいくべきものであると考えている。
 
図9 新駅アクセスバスの条件
 
10. 実現した場合の新駅に接続するバス路線整備の需要について
 
 新駅に接続するバス路線を整備する場合、その路線に望むことが実現された場合の利用について、図10に示した。半数以上が条件さえ折り合えば利用したいと答え、別の移動手段を理由に利用しないとした回答は5%と少なかった。
 
図10 条件が整った場合のアクセスバスの需要
 
11. 新駅の駅前駐車場の利用形態について
 
 住民が駅前駐車場をどのように利用するかについて聞いた回答を、図11に示した。日帰りの利用が、46%と半数近くに上ったが、対する1泊以上の利用も25%と日帰り利用の約半数程度の回答が見られた。
 
図11 駅前駐車場の利用形態
 
12. 新駅の駅前に期待する施設整備について
 
 新駅の駅前に住民が希望する施設について尋ね(複数回答可)、図12の通り回答があった。駅舎の整備を望む声が最も多く6割を超え、次いで商業施設、郵便局や交番などの公共施設と続いた。
 
図12 新駅における駅前整備指針
 
○今後の展開について
 
 今回の調査を通じて得られた内容については、今後の巣子駅開設に向けた取り組みが一段と進む中で、村と鉄道、バスの両事業者が連携を図って利用促進策を検討する上において、地域住民のニーズを把握した内容として有効に活用したい。







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