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8. 福祉バスの認知度と利用経験について
 
 福祉バスについての認知は、全体では76%ということであったが、年代別に見ると若年層の認知度が低く、年代が上がることに連れて認知度が高くなっていく傾向にある。
 また、利用経験者の割合は、10歳代から50歳代までは総じて5%以下となっており、60〜70歳代以上では、利用経験者が格段に多く見られた。
 このことから、福祉バスの利用者は高齢者が中心となっていることが分かり、若年層では認知度が低いということが分かった。
 地区別では、柳沢、姥屋敷、大沢地区と多く見られる。これらの地区は、住宅の集中する地区がないために路線バスなどの公共交通機関が未発達の地区である。つまり、福祉バスが高齢者の外出対策、路線バスなどの補完的役割などを担っていると考えられる。
 
福祉バスの認知度と利用経験について(年代別)
 
福祉バスの認知度と利用経験について(地区別)
 
9. 福祉バスの今後のあり方について
 
 村が運行している福祉バスについて、今後どのように事業を行なっていくことが最適だと考えられるのか、そのあり方について、考えを求めた。
 「現状のままでの事業継続」が8の回答にあった利用経験者とほぼ同じ8%程度であるのに対し、より多目的なバス事業の検討や路線バスの補完的役割への見直しなど形態を変化させて存続を図るべきとの意見が6割以上を占めた。ただし、廃止の意見は少なく、むしろ住民サービスとしてのバス事業は必要としながら、村のバス事業は見直しが必要であるとの意見が多く見られた。
 年代別に見ると、若年層では、多目的バスへの転換を望む声が半数を超える世代も見られた。また、現状維持を望む声が10歳代や40歳代で平均の半分程度と比較的低い数値となった。一方、福祉バスの利用者層の中心を成す高年齢層では、年齢が上がるに連れて現状維持の声が多くなり、60歳代から10%を超えた。それでも、事業廃止の声は他の世代と同程度の5〜6%程度となっている。
 このことから、全ての世代において、必ずしも福祉バスの現状に満足をしているとはいえないことを伺い知ることができる。
 
福祉バス今後のあり方について(年代別)
 
資料3
 
「(仮称)巣子駅の利用促進に関するアンケート」
調査結果(概要)
 
 この調査は、平成17年12月を目途に開設が予定されている、IGRいわて銀河鉄道線「(仮称)巣子駅」の利用促進を図るため、新駅周辺2km圏を目安とした自治会の区域(隣接の滝沢駅前地区を除く)とし、新駅の周辺地域(巣子、南巣子、長根の3自治会区域、平成16年1月末現在、人口10,076人)に住む、16歳以上の住民(同日現在、8,161人)から無作為に抽出した、600人(対象住民の約5%にあたる500人以上の回答を目標)を対象として設定し、平成16年2月に実施した。
 この事業の実施にあたっては、滝沢村公共交通推進委員会の事務局としても事業に参画している交通エコロジー・モビリティ財団の支援の下、日本財団の助成をいただいて行なわれた。
 調査結果の一部について、次に紹介することとする。
 なお、600人に対して戸別訪問によりアンケートを行なった結果、そのうち523人から回答があり、その回収率については87.2%であった。
 
1. 日常の主な移動目的について
 
 新駅周辺住民の日常の主な移動目的は、図1の通り。通勤・通学が圧倒的に多く、次いで買物や通院となっている。
 
図1 日常の移動目的
 
2. 日常の主な移動先について
 
 新駅周辺住民の日常の主な移動先は、図2の通り。地区内移動が最も多いが、当該地区と村境に接して郊外型店舗が多数立地する盛岡市西部が直後に続く。また、盛岡市中心部、当該地区の北東に接する盛岡市北部、盛岡駅周辺と盛岡市内が目立ち、村内他地区への移動は大きい数値とはなっていない。
 
図2 日常の移動先
 
3. 日常の主な移動手段について
 
 新駅周辺住民の日常の主な移動手段は、図3の通り。自家用車の運転による移動が圧倒的に多いが、路線バスの利用も15%と続いている。当該地区の南北に隣接する各地区はIGRいわて銀河鉄道線の駅が立地しているが、当該地区における鉄道利用者は、2%と大きい数値は見られない。
 
図3 日常の移動手段







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