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最近の造船産業構造の変化に対応した造船技術の共同研究と開発の仕組み及びそのあり方

 事業名 造船技術研究開発課題の調査
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


分野5-生物資源
序論
 海洋生物資源は、多くの重要な海洋食物産業の基礎をなしている。年間を通しての雇用の源として他のものが少ない欧州の辺鄙な沿岸地域においては、海洋食物産業はその社会−経済的影響が重要である。正確な統計は困難ではあり、部分的に得られるそして地域化されたこの分野の性質があるが、欧州連合中で約35,000人(フルタイム)および50,000人(パートタイム)が、水産養殖生産に従事していると推定されている。これは約1,900百万ECUの価値を生み出しており、これは約230,000人のフルタイムおよびパートタイムの漁業従事者を持つ第一義的漁業を付随させている。第一義的漁業は約81,000百万ECUの水揚げ(EUの数字)を持っている。さらに加えるに、海草栽培が、売り上げおよび雇用に、さらにこれに上乗せされる。
 さらに、上に指摘した第一次製品産業は、海洋食品加工において更なる付加価値のための生材料基礎となっている。海洋食品加工は欧州(12カ国、1991年)において約98,000人を雇用し、欧州連合に亘り約7,750百万ECUの価値があると推定されている。第一次製品産業は同様に、造船、魚網および漁具製造における補助活動を支援し、かなりの量の研究と開発についても支援するものである。
 自然漁業(鮭、マス、うなぎおよび海老、ホタテ貝、牡蠣およびムール貝を含む種々の甲殻類等)および自然海草の在庫補充を通じて、水産養殖技術を使用して育てられている動植物と関連して、水産養殖と漁業はその結びつきを大きくしつつある。
 だが、世界においては、中国およびペルーに次ぎ第3の漁業力であるとは云え、EUはまだ貿易不均衡を持っている。1995年において1.6百万トンの漁業製品を輸出し、4.3百万トンを輸入しており、貿易不均衡は65億ECU以上となっている。この事実は、欧州連合の中の魚業生産に多大な潜在力を提供し得ることを表している。
 
5.1 漁業
 ある漁船隊の分野は既に過剰容量であり、幾つかの魚資源については過剰採取となっている。そして更なる研究努力が、魚に対する消費者需要を持続的管理とバランスさせるために必要とされる。
 
5.1.1 責任ある資源のマネージメント
 商業的に価値ある魚種についての増大する需要圧力は、乱獲の真の危険に導く。そしてR&Dの戦略的目的は、持続可能な漁業の基礎として資源を管理するために、いかなる、また総ての方法を以下のように動員することであるべきである。
 
選択的漁業/漁獲
 多くの広範な物理的な技術および責任ある漁業と選択的な漁具はよく知られているが、研究は、次のことを検討するための基礎に焦点を当て続けなければならない:
●ある特定の漁業に付き、グリッド、パネル、その他の使用、およびそのような装置がその漁業に適当であるかを確かめること
●標準より小さい魚の脱出を許容すること
●不要な魚を放棄することを避けるようにするため、装置が選択されている種のみを対象とすること
●紛失した装置による“幽霊漁業”を防止する
●曳航圧による網収縮あるいは捩れを防止すること
●海底に対する装置自身の影響を最小にすること(海底あるいはビームとロールにおいて)
●曳航エネルギーを最大限利用すること(即ち燃料油)。そのような技術を使用している船を継続的に利用できるようにすることを確実にするため、特別な漁業に対するその装置の経済的影響。(そのような研究は、漁獲率のみならず質について行なわれなければならない。また魚価の改善の可能性、持続可能な資源から材料を調達する気のある買付人の受け入れ可能性、についても行なわなければならない)
 
持続可能な漁業に対する教育
 質の問題および責任ある漁業方法の効果を検証する。漁業者自身の、また彼らの子供たちの代においても、生計を確かなものにする手段として、そのような活動の必要性を彼らに教えるためのEU連合全体での教育プログラムが必要とされるであろう。そのようなプログラムは実用的に方向付けられなければならず、また船長および会社の経営幹部と同様に海上に出る漁業者を対象としなければならない。この目的のために、適切な教育方法、モデル、可視化装置および他の“ローテク”手法が研究開発されなければならない。
 これは次により達成され得る:
●持続可能な漁業の実行可能な方法に合意するため、専門家によるEU主導の技術的セミナー(即ち、FAO“責任ある漁業の行動基準”およびEU FARの文書“大西洋沿岸メンバー国における漁業者への曳航漁具における選択に関する情報の普及および将来R&D優先度の評価”)
●持続可能な漁業に関する簡単な教育教材の準備を含み漁業界にこの教材を伝える最良な方法を決定するための研究(小冊子、ビディオ、図、テープその他)およびメンバー国の団体と連携して、EU連合中での漁港における教育的セミナーおよび集会の開催
 
法律制定、情報および環境
 質の計画および責任ある漁業の奨励は、魚種の保存において助けになり得るが、“大量な漁業”を推進する法律策定は究極的に魚種安定の邪魔をすることになるであろう。したがって、高級品質魚の捕獲および責任ある漁業方法の採用を進める漁業管理制度を発展させることに研究の焦点は当てられるべきである。
 さらに、漁業研究は信頼性の向上および魚種に関する”リアルタイム”のデータの作成に焦点を当てるべきである。これには、魚種評価に関して産業界からの協力を得て、新しい計測装置および情報産業における開発(たとえばMARSOURCE)を使用すべきである。このような予測は、何処であろうとも、可能な捕食者、種と環境の相互作用が含まれなければならない。そして、これは漁業管理者が不安定な魚種および敏感な時期における産卵床を保護するためにリアルタイムの管理決定をなすことが出来るようにするであろう。そのような管理決定の方針決定の作業可能な方法に対して技術は、人工衛星の追尾の使用を含め、適用されなければならない。
 この活動を支持するために本質的であると明らかにされた研究課題は:
●魚の挙動の研究を含み、計測装置および新手法を開発することにより、魚種充足推定の信頼性を高めること。
●魚陸揚げおよび魚種評価データに関して産業界からの協力を向上すること。
●より精密なかつ広く適用可能な魚種評価方法を開発すること。望むらくは多角的専門分野の手法によること、環境および種の相互作用パラメータを協働することによる。これは、最低量の入力データにより結果を生み出すことのできるような、そんなに高度な方法であってはならない。
 
 さらに、研究は、魚の商業的魚種が生存しかつ繁殖する生態システムの保存を確かにするようでなければならない:
●気候変動に反応する生態システムの研究、特に漁業および養殖原に関連して
●生物多様性の調査、保存および拡大
●生態システムの機能と復元性に関する研究
 
5.1.2 漁業と水産養殖における社会−経済的および市場の考慮
 漁業と養殖の持続可能な開発、および生産物のマーケティングの全般的な管理において沿岸地域社会の経済的繁栄を考慮することは、次に示唆される行動により実施される必要がある:
●共通漁業政策(Common Fisheries Policy(CPF))の枠組み内における、沿岸地域社会に対地域管理のモデルの開発の強化。
●科学者、管理者および産業間のよりいっそうの対話と協働
●海洋資源の持続可能な開発に対する生物−経済的戦略の展開
●費用、収益、水揚げ、価格、挙動、生産性傾向および技術的進捗をより効果的に定量化する手法の開発
●補助的管理システム(すなわち、財産権、奨励金、募金)の開発に通じる研究
●多目的地域利益の共同管理
 
5.1.3 漁船団に対する技術の応用
魚探索と魚の特性
 サイズ以下の魚またトロールの際廃棄される魚を標的にしないようにサイズと可能な魚の種類を正確に推定できるような、衛星技術の応用による魚群に対する場所特定装置を開発する。
 
海中、魚網付随および船体付随の電子設備
●海中、魚網付随および船体付随の電子的装置(たとえば、ソナー)を開発する。これは次の応用についてである:
●正確な位置確定を可能とする
●産卵場所と保護場所を示す
●魚網の動きと展開をモニターする
●装置の正確な位置決めを可能とし、そして曳航中に海中にある障害物を明らかに示す
●海中、業網付随および船体付随の装置と結合する頑丈、かつ高性能なセンサーを開発する
 
生物音響学
 獲物となる魚を網に導き、また獲物となる魚の種類とサイズに従って選別する“牧羊魚“の可能性の研究。これには電子ビームトロールを含む。電子ビームトロールは伝統的なティクラーチェーンによる底生態影響が無いようなものである。
 
情報技術(IT)の漁業への応用
●責任ある漁業および海上安全の両者を推進することを目的とし、漁船上で使用するための適切なデータベースおよびソフトウェアー(地理情報システム(GIS)あるいは電子海図/プロッティングシステム)を開発する。これらは、安全性を増進し、潜在的あつれきを減少し、環境保護を推進するために、次のものを含むべきである。漁業関連情報、すなわち海底タイプ、既知の渡り情報(産卵場所、その他)、漁作業障害物および他の産業の海底活動、すなわち石油ガス(装置設置、パイプライン、その他)、通信(ケーブル)、総合抽気、養殖、その他。そのようなシステムの使用は、推進されるべきであり、またそれらが持つ情報は、電子的および他の手段により漁業者に流布されるべきである。
●魚群、漁労装置および収穫物をモニターするため、船体および漁網付随のセンサーの解析のための適切なソフトウェアーの開発
●漁業管理者に対して専門的社会−経済的助言を与える適切なソフトウェアーおよびデータベースの開発
●船体付随の電子チャーティングに対するITの応用
●高分解度漁業海図の開発
 
新漁船設計
 次のことを行うための最大持続可能な能率を持つ漁船設計の開発:
●異なる種の資源開発において最大の柔軟性を可能とする
●船上に上げた漁獲を最大に活用する
●廃棄物を最小にする
●開発コストを最小にする
●海上での漁獲物の品質管理を可能とする
●乗り組みの作業条件を最善のものとする
 
5.1.4 海洋生産性の向上
 海洋における第一義の生産性を強化することにおける新しい開発は、その可能な長期の生態学的意味づけに関してのみ評価されなければならない。そしてこの影響の評価の方法は短期的にも支持されなければならない。
 そのようなシステムにより収穫された魚および魚生産物に対する考え得る消費者の、“自然に手を入れること”への明らかな生態学的危険に起因している抵抗を知ることは、考慮に入れられるべきことである。
 
5.1.5 健康および人的ポテンシャルの開発
 海洋食品の健康強化の性質、コレステロールの減少、ミネラルおよびビタミン補給その他が与えられて、研究は次の課題について推進されなければならない:
●海洋食品の促進および消費を改善すること
●人的潜在力の開発に対して海洋食品製品の既に可能な特性を強化すること
 
5.2 貝類
5.2.1 資源のストックの評価
 欧州の水域における自然の貝類生息場所の性質と範囲に関するデータベース(より詳細な地域生物測定データの取得を含む)は更新されまた向上される必要がある:
●これらの資源の効果的管理を確実にするため
●サイズ制限の地域相違が必要であるかどうか評価するため
 
5.2.2 消費者の健康の問題
 消費者の安全に対する主な危険は、人の食用と考えられている貝類についてのウィルス汚染によりもたらされる。研究は次の事項に付き行なわれる必要がある:
●増大しつつある広い範囲の貝類のウィルスからの浄化
●ウィルス汚染の迅速な発見
●ウィルスの数を減少することにおける汚水処理システムの効果







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