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最近の造船産業構造の変化に対応した造船技術の共同研究と開発の仕組み及びそのあり方

 事業名 造船技術研究開発課題の調査
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


1.2 生産
1.2.1 生産工程の包括的要素
 全般的な目的は、製造コストを30〜40%まで削減することであり、世界的競争力を改善し確実なものにするために、生産リードタイムを大幅に短縮することである。これに絡んで、大切な事項は、製品開発と製造のすべての段階でのプロセス指向の考え方の応用である。工程と材料に留意し、また運航の局面をも考慮しつつ、環境の事項にも留意されなければならない。
 
工程統合
 造船において、EU全域における分散した工業技術と製品は、増大する重要な要素になるであろう。これは造船所のみならず機器とサービスの供給者、船級協会と関係当局および研究機関、最後であるが重要な顧客、をも巻き込むものである。この新しい傾向の潜在力を開拓するために、情報の分析と管理および工程統合に最高度の必要性が設定される。
 それゆえ、革新的コンピュータ統合生産(CIM)構造の導入を目的とする。CIMは、部品定義、および製造また組立における自動化と柔軟性の最適レベルを供給する情報をあたえるものである。それは、次により達成される:
●情報管理支援ツールの開発。支援ツールは製品開発工程に関連する参加者間の製品情報の交換と共有。参加者としては、設計チーム、生産ユニット、機器製造者、船級協会関係当局、船主、その他がある。支援は情報の交換と貯蔵のための製品データ技術(PDT)を含むものである。
●革新的生産シミュレーションおよび工程統合ツールの開発と導入。ツールは製造工程の設計と計画の最適化を処理するものである。統合化された情報は部品製造および組立における自動化を支援しなければならない。分野3を参照
●生涯情報の管理支援。設計および製造段階で使用される情報の多くは、再び使用され、さらに製品の運用と保守の間に、最終的にはスクラッピングまたリサイクリングにおいて、発展させられる。生涯情報は造船所また海上における船舶の効果的保守を支援する。
 
品質保証と品質制御の方法
 異なる製造段階を通じ、質と幾何学的正確さを予測し、また制御および改善するため、先進的品質保証とその制御のシステムを開発し、また正当性を確認する。これらのシステムは、製品モデル情報サイクルに全面的に統合されるであろう。すべての種類の船体要素および構造に対し信頼性のある変形モデルが開発される必要がある。すべての部品および構成部材に対する品質保証手続きと品質制御方法は、全体工程チェーンの要素として考慮される必要がある。
●様々な建造段階のすべての製品を評価し制御の下に保持できるような計測および寸法制御装置の改善(製品状態モデル−PSM)
●製作中の熱収縮および部材精度を予測する数値予測手法の開発。
●NDT手続きのための新しい方法の開発と応用。
●取り付け前部材とモジュール建造に対するQA/QC手続きの統合
 
製作工程における安全性
 製品据付け場所およびシステムの安全また作業者の安全と健康を保証することを目的とする:これは直接的に事故および職業病に関係する(社会的および経済的)コストを最小化することに寄与する。幾つかのEU国に既に行なわれている質を基準とした健康および安全管理の取り組みは、これらの活動をさらに結合し、ISO9000に準じた対応する国際標準にグレードを上げることが必要である。
●調和した教育的および訓練プログラムの開発。これは健康と安全の考え方と実践への作業者の真剣な取り組みを達成するための戦略の仕事を含む。最善の実践と基準策定との調和
●健康と安全レベルの評価と調整のためのツールと方法論の設計。物理的要素(騒音および振動のような)、化学的危険性(溶接煙のような)および生物学的要素などへの曝露を含む。
●働き場所の人間工学的設計。人間の視点から見た製造システムの質を改善するための人/機械インターフェイスを改善する最新の技術の応用。
 
1.2.2 生産技術
 コスト削減および生産性/品質向上、という生産効率の改善に本質的に寄与する直接的生産技術の3つの主な分野に他に、生産計画および調整、生産と材料におけるロジスティックスおよび作業組織が、重要な摂割を果たしており適切な注意が払われなければならない。
 
自動化とロボット化の強化
 より高い生産性、改良された、また信頼性のある反復性のある品質への要求、および製造現場における伝統的熟練労働者の予想される不足は、新しい自動化/ロボット化システムの開発のための推進力である。画像認識、センサー技術およびコンピュータの利用可能性の進歩は、ほとんどすべての製造現場へのロボットの導入を容易にしている。
 これには次のものを含む:
●材料表面処理
●切断
●船殻つなぎ合わせ
●溶接(特に非定形船殻ブロックに対応するための)
●艤装
●造船所内の材料の流れ管理
 
 造船における目標を達成するため、大きな作業場に渡り大きなかつ重い対象物を扱う手法と装置の精度、安全性と信頼性を高めるための特別な努力がなされなければならない。次の分野において、首尾一貫した問題解決指向の開発作業が必要とされる:
●ロボットプログラミング
●トラッキング(追跡)
●制御と位置決め
●低いレベルでの自立性
●多センサーからのデータの融合
 
切断と結合方法の改良
 新規のかつ複合の材料が、特に新しい船種に導入されている。さらに、製造工程チェーンにおける品質と経済性の両側面において、適切なかつ効率的な切断技術の更なる研究努力が必要である。これには、超高密プラズマ法が深度浸透レーザーシステムと関連するよう、同様な、あるいはさらなる複合技術が関連する。研磨およびミリング技術にも注目しなければならない。
 接合技術に関しては、造船産業は大きなかつ変化のある段階の新技術の導入の入り口にある。これは、浮上しつつあるNd-YAG技術と同様にCO2に対するレーザーシステムだけでなく最新センサー誘導の次世代アーク溶接にも適用する。
●レーザー溶接の長所、即ちその低熱入量と低歪効果、は2つの重要な応用に結び付く:
○新しい特別な構造、すなわちサンドイッチ、複合材、軽量新材料
○融通のある自動化セル方式における船舶の現行の構造と部材
●要求される進歩を達成するため、次の問題が解決される必要がある:
○大きな作業場所に対するレーザービームの扱い
○オンライン品質制御のセンサー
○金属学的溶接シミュレーション
○YAGレーザー溶接
○複合レーザー・アークー溶接法
●高速かつ低熱入量を目指した次世代アーク溶接。これは高分解度センサーおよび適応型オンライン制御の導入により実現可能となるであろう。更なる次の研究が必要である:
○センサー技術
○高速フィード線制御およびフィード線金属組成
○高速アーク溶接ロボットの適応
○溶接排気の削減
●新しい接合法および新材料の接合
 
 摩擦攪拌溶接、および、適合する設計を考慮した新材料の使用を促進するため、溶接接合を代替する新接着物質の同定に研究は焦点を当てるべきである。
 
表面処理技術
 船舶の種々の部品に対する耐食性を向上するため、革新的表面処理技術、新防護材料および対応する高品質の施工システムに、研究は焦点を当てなければならない。これは結果として生涯コストに関係する。この研究は特に新材料に適要される。表面処理施工の局面は同様に重要である。なぜなら、表面処理施工はこれまで相対的に魅力の少ないまた伝統的に低賃金労働の生産工程分野であると考えられており、未来のロボット施工シナリオに含まれる必要があるからである。未来のロボット施工シナリオでは、特別なセンサーシステムおよびセンサーに基づく品質制御技術が重要な役割を果たす。
 
生産計画、物品手配および労働組織
 生産計画および調整、生産資材手配および労働組織は、時間の無駄を減らし、そして生産性を高めるために、重要な役割を増大させつつある。増大した機械化生産方式の使用、安定化自己制御生産手順による再工事の減少、および近代的画像処理とセンサー技術は、より詳細なそしてより柔軟性ある計画と制御工程に結びつく。不必要な中間的貯蔵と処理を回避することを助けるので、生産財手配は同様に重要である。これは貯蔵施設の必要性を減らし、また生産過程における材料の損失を減少する。造船所内作および外部供給材の双方にJust In Time概念が導入される必要がある。この新概念は造船所での仕事に対する魅力を増大するであろう。
 次の項目は、表示的であるがまだ完成されていない研究課題のリスティングである:
●初期計画と生産シミュレーション
●造船所特有の仕事流れ組織の新手法
●協働作業環境における生産計画
●生産と材料手配の統合
●Just In Time生産手配







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更新日: 2019年11月9日

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