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最近の造船産業構造の変化に対応した造船技術の共同研究と開発の仕組み及びそのあり方

 事業名 造船技術研究開発課題の調査
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


付録 6-2
海事産業フォーラム(MIF)
海事産業研究開発基本計画 1999
 この基本計画はMIFのR&D共同作業グループによる作業により用意され、1999年4月に発表されたものである。
 
この文書は、以下のThematic Networksの成果の助けを受け作成されている。
CEPS 造船における競争力あるエンジニアリングと生産
PRODIS 造船における生産開発と革新
SAFER EURORO 安全の設計:欧州における安全なフェリー設計への総合的取り組み
TRESHIP 船舶からの環境影響の低減のための技術
 
海事産業フォーラム(MIF, Maritime Industry Forum)
海事産業研究開発基本計画 1999
序論
欧州海事産業の重要性
 海事産業について論ずるとき、一般的には海運業と造船業を思い浮かべるであろう。場合によると海洋分野の産業もあるであろう。しかし実際には、はるかに多くの産業を含むのである。舶用工業、漁業および養殖業、港湾および埠頭業、荷主、税関等その他の業、これら全ては海事経済における重要な役目を占めているのである。
 欧州経済地域(EEA)の船主の支配している船隊は、1998年1月1日現在において、190.6百万GTであり、世界の船隊の38.5%に当たる。EEA船主の支配下また影響下にある船隊の内、高々78.3百万GT(15.8%)がEEAの旗の下に登録されているに過ぎない。
 欧州全体(EU,ポーランド、ノルウェー)としての造船産業は、建造されたトン数に関しては日本、韓国に次ぎ、世界で第三番目であり、注文引き合いについては(1998年のデータによると)日本と同位でトップの位置にある。造船は、また舶用工業品の製造を含むものでもあり、この産業に従事するものは域内で2500社以上を数える。その大部分は中小企業(Small and Medium-sized Enterprise SME)であり、欧州全域にわたり分散、それぞれに地域で雇用を作り出している。さらに舶用工業品は貿易輸出入バランスにおいて重要な要因を成している。50%以上の製品が欧州外に輸出されているのである。1997年において、EU全体で造船および関連工業は、約200,000人の労働者を雇用しており、約170億ECUの価値の商船および舶用装置を供給しているのである。
 海運に関して云えば、EUの対外貿易においては、貨物の体積で測ると、90%が海上輸送で行なわれている。そして加盟国間の交易の約40%(体積に関して)が海上で運ばれている。EUの海運産業は非常に多様化している。すなわち、乾貨物、液体貨物、コンテナー、不定期輸送、旅客輸送、貨物フェリー、クルージング、曳船および引揚げ、重量物運送その他があり、それぞれが、その分野において、世界的に高くランクされているのである。世界の海上貿易は次の10年間において、運航者間の激しい国際的競争の圧力の下に、平均として高成長を保持するであろうと予測されている。
 北海(North Sea)における海洋開発による生産は、欧州の石油需要の45%およびガス需要の50%を供給している(1999のデータ)。海洋開発装置および関連するサービス産業の世界市場に関しては、沖合石油およびガス生産は、年間500億US$(概略390億ECU)を越す市場であり、これは増加傾向にある。深海開発(水深450m以上の沖合いの操業)の費用は2002年までに倍増すると期待されている。すなわち、1998年の108億US$(約83億ECU)から2002年には188億US$(138億ECU)になることが予測されている。その総額の90%が浮体式生産設備および貯蔵施設(FPS)装置に費やされると考えられている。
 欧州の漁業および養殖産業は年間12.4百万トンの水揚げをあげている。これは牛肉生産の8,3百万トン(1995年データ)より多い。この産業では、約450,000人の雇用を作り出している。
 
海事産業におけるR&Dの重要性
 欧州とその競合者との間での競争において、欧州の技術的優位性を保つため、R&Dのような無形の投資は必要かつ重要である。欧州委員会報告、Communication of the European Commissionの“欧州の海事の将来の形成”(Shaping of European Maritime Future)(COM(96)84)、において、その必要性および重要性は、十分認識されまた支持されている。
 21世紀へ向けての世界的規模の挑戦において、海事産業はその挑戦のためのハブである。この主要な役目を保持するために、欧州海事産業により、主張されている主な挑戦項目は次のようなものである:
●世界的な競争において、欧州の海事産業の地位を、知識と技術に対する能力を向上することにより、保全し向上させること。
●海洋資源の責任ある開拓および管理の方法において主導すること。
●競争力/収益力を安全性および環境保全と結びつけること。
●現時の低石油価格を背景として、欧州の海洋開発産業が世界市場を生き延びる方法として、主として技術と革新に注目すること。
 
共同的R&Dの取り組みの必要性
 欧州の産業と欧州自身にとり、更に協働してR&D活動を行なうことにより期待される利益は、欧州委員会報告“研究と技術開発の分野における協力を通じて協働の達成”(Achieve Co-ordination through Co-operation in the field of Research and Technology Development)(COM(94)438)により、浮き彫りにされている。
 これに絡んで、海事産業フォーラムMIF(Maritime Industry Forum)は、フォーラム内に専門の研究開発協働グループRDCG(R&D Co-ordination Group)を設立することを決定した(1994年の12月)。このグループは基本的に欧州の海事産業、すなわち、船級協会、造船所、船主、港湾、船員の資源、等の協会の代表者から構成されているが、海洋資源の専門的作業については、関連した欧州組織を通じこのグループに直接に関与してもらっている。
 RDCGの目的は、海事分野におけるR&Dの協働に向けて活動を進める際に、欧州委員会と産業界との橋渡しをすることであり、またR&D関連事項に関し欧州委員会との密接な連絡を維持することである。この役目は、欧州委員会により1995年10月に設立された“将来における海事システム”(Maritime Systems of the Future)特別委員会に対してRDCGが産業界のミラーグループの核となることにより、はっきりと言えることである。
 RDCGは、EU海事産業を網羅する共通のR&D戦略を策定し、持続するための道具として、またR&Dに効果的に協働して取り組むため、R&Dの必要性の組織的レビューを行いつつ、「EU海事産業基本計画」(Maritime Industry Masterplan)を1996年に策定した。
 幾つかのThematic Network*またConcerted Actions*に見られように、現在、実施されているR&Dを産業界の共通のゴールとして多くの関連産業界が協働するようにするために、「基本計画」は非常に効果的に使われた。そのような例として、CEPS, PRODIS, SAFER EURORO, TRESHIPなどのThematic Networkが挙げられよう。またConcerted Actionsでは、Formal Safety and Environmental AssessmentおよびShort Sea Shipping and Vessel Traffic Management Information Systemのプロジェクトが挙げられる。以上のテーマは「基本計画」の優先事項に明らかに関連しており、全EUに渡るR&D活動を扱うものであり、また関連産業界が協働して行なわれなければならないものである。
 
* Thematic Network, Concerted ActionsはFP5において定義されるR&Dの活動の分類である
 
 「基本計画」は、その戦略的また政治的重要性に鑑み、ダイナミックに変化する性格であるべきものである。RDCGは当初より「基本計画」の保守と更新の重要性を認識しており、「基本計画」への最初の追加が1997年に行われた。
 第5次Framework Programme(FP5)の進捗および過去2年間(1997−1999)に実施されたR&D協働作業の結果を検討した結果、「基本計画」の全般的見直しが必要であると考えられた。これが、本文書で述べられている「基本計画99」に結実した。
 R&Dの大部分については、その必要性および優先度は前のものと同じであるが、本文書に述べられているR&Dの目的の中期目標に合わせて、1996年版に比べ幾つかの変更が行なわれた。
 
謝辞
 この基本計画を取りまとめるにあたり、MIFメンバーの総ての団体から多大なる協力を受けた。また、WEGENT(West European Graduated Education in Marine Technology)、EUROGIF(European Oil and Gas Innovation Forum)およびEMaPS(European Marine and Polar Science)の諸団体からもR&Dの必要性の見直しに関し、多大な貢献を頂き、心より感謝します。
 更に次の団体および個人には、特にこの仕事に向けられた献身と努力に対し感謝いたします。
●RDCGメンバー団体、すなわち:
ECSA(The European Community Shipowner Association)、
COREDES(R&D Committee of EU Shipbuilder's Association)、
EMEC(The European Marine Equipment Council)、
EurACS(The European Association of Classification Society)、
ECMAR(European Cooperation in Maritime Research)、
ESPO(European Seaports Organization)、
FEPORT(Federation of European Private Port Operators)
●MIFのPanel 2, 海洋資源の代表
●前COREDES事務局員Miss G. Boishardy、Mr. M. Dogliani(EurACS)および現COREDES事務局員Mr. L. Sabbadini
 
産業のための研究の主な目標と分野
 
基本計画の新しい構成およびFP5との関係
「MP99」は次に示す6分野から構成されている
AREA1-造船:競争力の強化および生産性の向上
AREA2-海運および海上業務
AREA3-関連した活動および支援の活動
AREA4-海洋エネルギー
AREA5-海産資源
AREA6-海洋資源および海洋の維持可能な開発のための支援技術
 
21世紀における海事運輸チェーン
 AREA1, 2, 3は、より詳しくは、5th Framework Programmeの「21世紀における海事運輸チェーン」の表題の下に分類されるものである。
●AREA1は主に設計と造船を主題とする。そして、それ自体Key Actionsの”陸上運輸および海事技術“(Land Transport and Marine Technologies)および”革新的生産、工程および組織“(Innovative Productions, Processes and Organization)へのインプットとなる。また同様に材料、生産工程と設計手法および情報技術に関するKey Actions*とGeneric Programme*にも関連する。
*Key Actions、Generic ProgrammeはFP5において定義されるR&Dの活動の分類である。
●Area2は主に船舶の運航と関連する基幹施設を主題とする。対応するKey Actionsは“移動性と陸海空間輸送”(Mobility and Intermodality)である。しかしながらこれは使用者(船主)の観点から見た船舶システムに関連する幾つかの側面を含むものである。これらの側面は“陸海空間輸送”(Intermodality)以外のKey ActionsとProgramme、すなわち“情報社会”(Information Society)において取り扱われるものでもある。
●Area3は主に造船と海運の支援のための技術を主題とする。すなわち、教育と訓練および情報技術である。後者は当然Thematic Programme“情報社会”(Information Society)で扱われるテーマであるが、前者はThematic Programme“人の潜在能力”に付け加えて、さらに幾つかの関連するKey Actionsにおいて広くカバーされている。
 
海洋資源
 Area4, 5および6は、より詳しくは、5th Framework Programmeの「海洋資源」の表題に分類されるものである。
●Area4は沖合海洋開発のシステムと技術を扱う。FP5との主な関連はThematic Programme”エネルギーと環境“(Energy & Environment)である。しかしながら幾つかの事項はKey Actionsの”陸上運輸および海事技術“(Land Transport and Marine Technologies)に見出されるものである。
●Area5は漁業、養殖および他の海産資源を扱う。それ故にこれはThematic Programmeの“生物資源”(Living Resources)に完全に当てはまる。
●Area6は、淡水および沿岸空間の開発のような、他の海事資源を扱う。この分野は当然のようにFP5のThematic Programmeの“エネルギーと環境”(Energy and Environment)およびKey Actionsの”民間(運輸と観光)のためのサービスとシステム“(Services and Systems for the Citizens(Transport and tourism))である。
 Area4, 5および6の全てにおいて、多くの側面がThematic Programmeの“情報社会”(Information Society)で扱われよう。
この文書は、以下のThematic Networksの成果の助けを受け作成されている。
CEPS 造船における競争力あるエンジニアリングと生産
PRODIS 造船における生産開発と革新
SAFER EURORO 安全の設計:安全な欧州のフェリー設計のための総合的取り組み
TRESHIP 船舶からの環境影響の低減のための技術







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