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最近の造船産業構造の変化に対応した造船技術の共同研究と開発の仕組み及びそのあり方

 事業名 造船技術研究開発課題の調査
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


SR241「舶用EGR等NOx防止システムの研究」(平成11〜12年度)
1. 研究内容
 1997年IMO海洋汚染防止条約締約国会議において採択されたMARPOL73/78附属書VI「船舶からの大気汚染防止のための規則」の中で、最も取扱いが煩雑で複雑な運用になると予想されているのが窒素酸化物(NOx)の規制であるが、その計測が容易でないこと、低減手法が多岐に亘ること、関連部品の定期的な点検が必要なこと等から、機関の鑑定、定期検査の運用にあたって幾つかの疑問点・問題点が指摘されている。
 このような状況に対処するため、NOx排出規制対策を円滑に実施するため、機関の鑑定に関わる基準の統一、機関パラメータ変更時の対応方法等、運用に係わる課題の調査研究を実施した。
 また、NOx低減対策の中で、熱効率の低下が少なく、且つ経済性・安全性に優れている排ガス再循環(EGR)方式が注目されてきたが、低質油を使用する舶用機関では、再循環ガスに含まれるSOxや燃焼残査による機関の信頼性・耐久性低下が懸念され、これが実用化の妨げとなってきた。
 そこで、舶用に実績のあるIGSスクラバ(排気ガスを洗浄装置する装置)をラインに組み込んで信頼性・耐久性の向上を狙った舶用EGR(排ガス再循環)システムの試験プラントを開発し、その技術的・経済的課題を抽出し対策を立案することで、トータルシステムとして舶用に利用できるようにした。
2. 成果
(1)NOx鑑定書の取得
 2000年1月1日以降の起工船にはNOx対策が遡及適用となるため、かなりの隻数の船でNOx鑑定書を取得しているが、本SR241にて運用シミュレーションを実施したため、各船級共に特に混乱もなく、スムーズに取得できている。
(2)Annex VI発効後の対応
 本年中に発効要件を満たす可能性が大きく、その際の手続き等対応も検討しており、これもスムーズに移行するものと予想される。
(3)既存船への対策適用
 遡及的適用時のNOx対策未実施就航船への対策や今後より厳しくなると予想されるNOx規制に対応するための基礎データとなり、水エマルジョン装置やSCR(選択接触還元法を用いた脱硝装置で、実用化されている)等外部装置もこれらのデータを参考にして開発されている。
(4)スクラバー装置の応用技術の確立
 EGRシステムの舶用化研究を通し、舶用ディーゼルエンジンの水洗浄技術のノウハウが蓄積でき、今後IMOにて議論される浄化装置に対する貴重なデータが入手できている。特に、排ガス中の煤塵のデータは、極めて困難といわれている舶用ディーゼルエンジンの除塵装置の開発に非常に役立っている。
(5)大寒汚染防止技術ポテンシャルの伸張
 本SRは、舶用関連のあらゆる分野からの参画で実施され、各分野が共通の高いレベルまで、技術ポテンシャルがアップし、最近IMOで審議されている地球温暖化効果ガスの対策にも非常に役立っている。
 
SR240「新しいフリートサポートシステムの開発」(平成11〜13年度)
1. 研究内容
 本研究はISMコード時代を踏まえ、「海上輸送の安全とサービスの向上が継続的に生まれる、安全で使い易い船は何か」という視点から、造船(メーカー)と海運(ユーザー)が共同で総合品質管理(TQM)を実施することを目標に、船陸一貫システムを構築する安全運航管理システム(SMS)を研究し、「航海系業務」、「船体管理業務」、「機関系業務」、「船装管理業務」のそれぞれについてフリートサポートシステムとしての新しい運航管理スタイルを提案した。又、それらを実現するための機器・システムについて設計、開発を行い、実証的な試験を通じて提案の有効性を確認したものである。
2. 成果
 このシステムは船舶全般、航海、船体、機関、艤装等の幅広い分野をカバーした研究で、応用分野に対する課題は残っているが、以下のように、その成果は各分野で多いに活用されている。
全般:新しい船舶管理の考え方を提案したもので、総合的にこのシステムを採用するまでには至っていないものの、SMS手法(Safety Management System: 安全管理システム)のPDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act; 品質管理の基本的なサイクルシステム)の考え方は船舶管理の基本的な考え方として海運・造船・学会ばかりでなく、多方面で採用されている。
航海:航海関係のPDCAの考え方は、航海関係の国際規則等の検討によく使われている。
船体:初めて船体関係に赤青信号を導入したものである。まだ実際にこの種の手法を取り入れたものはないが今後の普及することが期待されている。
機関:提案された機関管理システムは、NYKのコンテナ船等では実際に準標準として取り入れられている。機関のPDCAの考え方も大筋では取り入れている。
艤装:機関室の熱監視システムは実用化可能との判断で、既にNYKの船舶に採用されている。
 
SR239「船舶の摩擦抵抗低減法に関する研究」(平成10〜13年度)
1. 研究内容
 船舶の省エネ対策の最重要項目である推進性能向上については、造波抵抗や粘性圧力抵抗(形状抵抗)は十分に低減されており、実用上有効な低減技術が殆どない摩擦抵抗の低減が望まれて居る。近年、乱流境界層の研究が進んで摩擦抵抗の低減法が幾つか発表されており、船舶についても基礎的な研究がされているが、摩擦抵抗低減のメカニズムは十分に解明されて居らず実用レベルには達していない。本研究部会発足に先立って摩擦抵抗低減に関する研究をレビューし、船舶への適用性が高く研究開発を進めるべき方法として、マイクロバブル法、空気膜法、表面処理法の3種を選定し、これらについて研究開発を行った。マイクロバブル法による摩擦抵抗低減は、模型実験で10〜20%程度、省エネ効果は実船実験で最大3%程度が確認された。
2. 成果
 本研究は摩擦抵抗低減の手段として最も有望と考えられるマイクロバブル法について、実船試験によって有意な馬力低減量が得られることを実証したことにより関連の研究機関の間で高い評価を受けましたが、その成果は、改めて基礎的な研究にフィードバックして再飛躍につなげる方向に活用されている。即ち
 文科省科学技術振興調整費充当開放融合研究推進制度では研究課題「乱流制御による新機能熱流体システムの創出」(H12〜16)において、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、産総研、海技研、東大、東工大、慶大などの参加により、年間約3億円の研究費をかけて、乱流の知的制御を目的とした研究を実施している。その中で海技研を中心として、産総硫、東大、慶大、東洋大により構成される研究グループでは、年間約1億円の研究費をかけてマイクロバブルの研究を実施している。そこでは、基礎的であるがマイクロバブルの実用化のためには不可欠な摩擦抵抗低減メカニズムの解明を目指して集中的に研究が行われており、SR239における研究成果、すなわち小型高速流路を用いた基礎実験及び50m長尺平板模型船を用いた尺度影響実験の成果が発展的に生かされている。







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