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3 技術委員会
 
 本委員会の構成は、委員長Mr. Olagnon(仏)以下Dr. Appolonov(露)、Mr. Bryndum(デンマーク)、Prof. Clauss(独)、Prof. Guedes-Soares(ポルトガル)、Mr. Hutchson(米)、河邊博士(海技研)、Mr. Kleiven(ノルウェー)、Prof. Rebaudengo(伊)、Dr.Swail(カナダ)、Prof. Tuhkuri(フィンランド)、Prof. Wolfram(英)の計12名である。このうち委員長を除く11名の委員のうち本会議に出席したのはProf. Guedes-Soares, Mr.HutchsonおよびMr. Kleivenの3名であった。
 報告書の目次は以下の通りである。
INTRODUCTION
1. ENVIRONMENTAL DATA
2. DATA UNCERTAINTY
3. ICE STATES
4. SEA STATES
5. DESIGN ENVIRONMENT
6. CONCLUSIONS AND RECOMMENDATIONS
REFERENCES
 Dr.Dogliani(伊)の司会の下に、委員長のMr.Olagnonから報告内容全般について説明があった。前回と比較するとOcean Currentsの章が削除されたこと、Ice StatesがSea Statesと並んで取り上げられていることが大きな相違点であるが、これは海潮流の観測の困難さにより、当該分野の研究に重大な進展が見られないことによるものである。また外部環境インパクトのUncertaintyの評価を行うために、北海定点での長期データから極値統計に関する各種の推算法の比較計算結果やペルシャ湾―日本航路での波浪データと実船試験結果との比較等が試行され結果の一部が報告されている。
 次に公式討論者のDr. Forristall(オランダ)が欠席のためデンマーク工科大学のProf. Jensenが討論の代読を行った。この討論で筆者は風の息(ガスト、スコール)、あるいは砕波等の非定常な外力に対する応答の問題を議論しており、委員会の方からは時間領域におけるシミュレーション等により対応すべきとの回答がなされている。
 会場から冨田(海技研)により異常波浪について、Dr. Haver(ノルウェー)により異常波浪とスペクトル表現の関係について討論が行われ、これに答えて委員の1人であるProf. Guedes-Soares(ポルトガル)より、スペクトル表現の前提である海象の定常性を完全に仮定することはできないが現在のところその有用性は十分に容認できるとの回答があった。
 なお、Mr. OlagnonはStanding Committee委員となり、次期の当該委員会委員長にはMr. Hutchson(米)が選出された。
(冨田 宏)
 本委員会のメンバーは、委員長のMr. Allen Engle(米)ほか、Mr. Greg Hermanski(カナダ)、Dr. Jan Jankowski(ポーランド)、Mr. Timo Kukkanen(フィンランド)、黒岩(MHI)、Dr. Maurizio Landrini(伊)、Prof. Finn Nielsen(ノルウェー)、Dr. Bjarke Pedersen(デンマーク)、Dr. Thomas Schellin(独)、Prof. Sergio Sphaier(ブラジル)、Mrs. Sarah Watts(英)、Dr. Jinzhu Xia(オーストラリア)の合計12名である。
 以下の項目について、文献調査と技術評価を行った。
(1)船舶への環境荷重
(2)海洋構造物への環境荷重
(3)流体衝撃荷重
(4)統計手法
(5)実験および計算における不確実性
 上記の内(4)(5)はISSC 2003で新たに項目立てた課題である。統計手法として、非線形性を含む荷重や応答の短期の極値分布には、一般ガンマ分布や3変数のワイブル分布などが適用されているが、汎用できる分布はなく、今後の研究課題であることが指摘されている。実験および計算における不確実性については、特に計算手法に関するverificationとvalidationが強調され、比較のための精度の高い詳細な実験が必要であることが指摘されている。
 なお、委員会として比較計算/比較実験は実施しなかった。
 公式討論はDr. Arne Nestegard(ノルウェー、DNV)から受けた。船舶への環境荷重に関しては、非線形三次元時間領域の計算プログラムが、既に船級協会の標準的な荷重計算として使用されているか否かについて議論があった。この他いくつかの指摘があったが、公開討論者の意見と本委員会の意見は多くの点で一致している。
 公式討論の他に、以下の討論があった。Mr. John Halkyard(米国、Technip Offshore Inc.)からは、スパー型海洋構造物に関してライザーの挙動に関する検討の必要性などが指摘された。瀬戸教授(防衛大)からは、VLFSの調査文献の数が十分ではないとの指摘があった。VLFSの応答は、II.2 Dynamic Response委員会でも取り上げられていたためでもあり、委員会間にまたがる課題をいかに取り扱うかはISSCにおける課題と思われる。高木助教授(阪大)からは、水面衝撃問題における三次元効果の重要性が指摘された。田中氏(海技研)からは水位が低い場合のスロッシング実験において着目すべき点が指摘された。荒井教授(横国大)からは、計算プログラムの有効性を示すためには、現在使用されていない古い船型ではなく新しい船型の実験を比較の対象とする必要性が指摘された。
(黒岩隆夫)
 本委員会は角(日本)を委員長として、Mr. Gorski(ポーランド)、Dr.Hinrichsen(ドイツ)、Prof. Lee(韓国)、Mr. Lewis(米国)、Mr. McVee(英国)、Dr. Porcari(イタリア)、Prof. Ren(中国)、Mr. Vink(オランダ)、Prof. Yang(台湾)の10名で構成されている。なお、ポーランドと韓国の委員の寄与がほとんどなかったため、報告書は残り8名の委員で執筆し、本会議には業務のため欠席したDr. Hinrichsenを除く7名が出席した。
 報告書の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Computational Methods for Quasi-Static Response of Marine Structures
3. Ship Structures
4. Offshore Structures
5. Finite Element Comparative Study on Adaptive Meshing and Design Optimization
6. Conclusions and Recommendations
 本会議では、理事Prof. Armand(フランス)の司会の下、角委員長から報告がされた。
 解析のスピードがひとつのキーワードであった。契約から引渡しまでの時間的余裕が大幅に短縮される傾向にある一方、構造設計担当技術者のマンパワーも組織合理化により著しく減少している。これを補うのが、コンピュータ技術であるが、現状では解析結果を設計変更に直ちに反映するにはCADとFEM間のデータ交換の双方向性が乏しいこと、流体力学解析と有限要素解析の間のデータ交換に未だ問題のあることが指摘された。一層のIT化による情報伝達の合理化によってこれらのデータ交換上の問題を解決し、設計技術者へのタイムプレッシャを減ずるとともに減少する技術者の解析能力向上、特に解析結果の品質保証との関係で重要な解析結果評価能力向上のための方策を確立すべきことが指摘された。経年船の強度評価との関係では、腐食衰耗モデルが取り上げられた。一般腐食については、かなりデータが蓄積され統計的予測が可能になりつつあるが、グルービング腐食やピッチング腐食については今後の研究が必要なことが指摘された。船種ごとの検討では、バルクキャリアの安全性、客船、RO/RO船、コンテナ船、水上艦艇が、また海洋構造物としてはメガフロートとMOBが取り上げられた。有限要素法の比較計算は、5名の委員によりRO/RO船のアルミニウム車両甲板下ガーダに対するアダプティブメッシングの適用性の検討、フランジと開口部形状の最適化計算が行われた。
 委員長報告に引き続き、Dr. Payer(ドイツ)の公式討論が行われた。この中で、Prestige号やErika号に代表されるサブスタンダード船問題が大きな社会問題となっていること、本委員会を含めISSCがこの経年船問題に対する適切な技術的コンセンサスを生み出す場として機能することを期待するとの言明があった。特に、腐食問題の重要性が指摘された。また、近年の海上輸送量の拡大に対応したコンテナ船大型化の技術的問題における建造者と船級協会の協力の必要性が強調された。
 一般討論としては、Dr. Ge. Wang(ABS)からは腐食データの収集と数理モデルの整合性について、Dr. Cr. Wang(ABS)からはHot Spot Stressの計算とS-N線図との整合性について、またDr. Bergan(DNV)からは有限要素解析結果の品質保証と誤差評価の関係を明らかにすることの重要性が指摘された。鈴木克幸助教授(東大)からは、ベンチマーク計算における解析条件について質問と討論があった。吉田公一氏(海技研)からは、経年船の強度評価との関係でIMOにおけるperformance based requirementに対してISSCとして技術的立場から意見表明することの重要性の指摘、Dr. Kaeding(JAFO、ドイツ)およびMr. Parmentier(BV)からは、艦艇に対して最近作られた各種船級規則に対してISSCとして検討する必要があるとの指摘があった。
(角 洋一)
 本委員会は、最終的に委員長のProf. Temarel(英)の他、Mr. Besnier(仏)、Dr. Ergin(トルコ)、Dr. Hermundstad(ノルウェー)、Dr.Iaccarino(伊)、Prof Jin(中国)、Dr. Kaminski(オランダ)、Prof. Lee(韓国)、Prof. Schlottmann(独)、Mr. Waegter(デンマーク)、Prof. Wang(台湾)および安澤(九州大学)の12名の委員構成で報告書が提出された。当初は、Dr. Lin(米)がメンバーであったが、本人の都合により2002年の後半よりDr. Ergin(トルコ)に交代した。長崎(2000)、オランダのMarin(2001)、および英国のSouthampton(2002)での中間会議を経て、報告書がまとめられた。委員長のリーダーシップと電子メールのおかげで、特に問題なく報告書の作成が進められた。
 報告書の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Wave induced dynamic response
3. Dynamic response arising from fluid impact
4. Machinery induced dynamic response
5. Explosions and shock
6. Noise
7. Damping
8. Free Vibration analysis of a deck structure - Benchmark study
9. Structural monitoring
10. Countermeasures
11. Acceptance criteria
12. Uncertainties in modeling
13. Conclusions
 8月11日(月)の午前に本委員会の有志によりミーティングを行い、委員会のプレゼンテーションおよび予め提出されている討論に関する打ち合わせを行った。
 本委員会に関するセッションは8月12日(火)10:30より始まり、Prof. Wu(米)の司会のもと、まず委員長のProf. Temarelにより報告書の内容が発表された。8.のベンチマークでは、居住区のデッキ構造について、3種類のカバーリングに対して、実験と複数の数値解析との比較が行われている。
 次に、公式討論者のProf. Vorusにより討論の発表が行われた。公式討論者による討論は、通常委員会の報告書に対して全体にわたり内容を評価するが、Prof. Vorusの討論では、3.のfluid impactに関連した小型船の船底パネルのスラミングと7.のDampingに関する討論が大部分を占めていたため討論内容がやや偏っていたように思われる。
 次に予め会議前にISSC 2003のWeb siteに提出されたwritten discussion(2件)および当日新たに出されたdiscussionが会場から行われた。Dr. Kaeding(独)から艦船の水中音響に関する討論、瀬戸教授(防衛大)からは、VLFS(超大型浮体構造物)の流力弾性を考慮した構造応力の評価方法に関する討論が行われた。また、修理氏(ユニバーサル造船)から6.の騒音に関連して解析法の用語、中間周波数における解析法に関するISSC 2000との関連、騒音源の特定および定量的評価方法に関するコメントが説明された。また、今北氏(三井造船)から水中爆破に関するコメント、Dr. Bergen(ノルウェー)からmulti-body systemの浮体構造物に関して次期の委員会に対する要望などが出された。
 公式討論に対しては、Prof Temarelからカバーリングと減衰によるモーダル密度への影響についてグラフを用いて説明された。その他のdiscussionについても各々について回答が的確に説明された。
 次期の本委員会は、Dr. Kaminski(オランダ)が委員長となり、日本からは新たに修理氏(ユニバーサル造船)が委員として参加することになった。
(安澤幸隆)
 本委員会の構成は、委員長Prof. B.C. Simonsen(デンマーク)以下、Prof. S.F. Estefen(ブラジル)、Prof. E. Fasano(イタリア)、Prof. P. Grundy(オーストラリア)、Dr. O. Hellan(ノルウェー)、Dr. P.E. Hess(米国)、Dr. P.J. Kujala(フィンランド)、Prof. E. Lehmann(ドイツ)、Dr.Y. Pu(英国)、Prof. P. Rigo(ベルギー)、Prof. Z.-Q. Wan(中国)、Prof. T. Yao(日本)の合計12名である。報告の項目は、以下の通りである。
1. Introduction
2. Fundamentals
3. Empirical and Analytical Methods
4. Numerical Methods
5. Experimental Methods
6. Reliability
7. Tubular Members and Joints
8. Plates and Stiffened Plates
9. Shells
10. Ship Structures
11. Offshore Structures
12. Composite Structures
13. Aluminum Structures
14. Benchmark
15. Conclusions
 セッションでは、Prof. C.D. Jangの司会のもと、委員長のProf. B.C. Simonsenが報告書の概要を説明した。その後、公式討論者のDr. E. Steen(ノルウェー)から、報告書の各章に対するコメントが述べられ、基本的には、委員会の視点を支持する旨表明された。また、アルミの防撓パネルに対するベンチマーク計算に関しては、Dr. Steen自らがDNVで実施した計算結果が紹介され、DNVの座屈強度に関する新しいコードに基づく検討結果も示された。
 この討論に対して委員長より感謝の意が述べられると同時に、個々のコメントに対する回答が行われ、以下の項目についてはDr. Steenのコメントに合意する旨述べられた。すなわち、(1)計算技術の進歩に伴って、複雑な問題の解析が可能になるが、一方では解析結果が正しいか否かの判断が正しくできるよう、構造物の座屈崩壊挙動に関する基礎的な理解ができることと同時に、適切な簡易解析法あるいは経験式の開発も重要であること、(2)費用の関係で、実験よりも計算を行う傾向にあるが、実験でなければ分からないことも多いので、やはり実験を行うことも重要であること、(3)薄板構造で局部座屈が発生すると、荷重の再配分が起こり、結果的に高応力部が生じて疲労強度に影響する場合もあり得るので、特に新構造形式の設計に当たっては、従来の座屈・最終強度評価と疲労強度評価を分けて考える設計手法が妥当であるか否かについて検討するべきであること、などが合意された。公式討論の後、フロアからもProf. Daley, Mr. Imakita, Prof. Cho, Dr. Masaoka, Prof. Paik, およびProf. Boonによる活発な討論があり、個々の討論に対して委員長より回答が述べられた。
 次期委員会では半数の委員が入れ替わり、委員長にはProf. T. Yao(日本)が選出された。
(矢尾哲也)
 本委員会は委員長Dr. F.P. Brennan(英)以下、Prof. W.S. Cui(中)、Prof. L.B. Josefson(スェーデン)、Dr. K.S. Kim(韓)、Dr. M. Koval(露)、松岡一祥博士(日)、Mr. M.E. Norwood(加)、Dr. R. Pohl(独)、Prof. R. Tedeschi(伊)、Dr. S.G. Waestberg(ノルウェー)、Dr. X. Wang(米)の計11名の委員から構成されている。
 報告の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Life Prediction : Current State-of-the-Art
3. Reference Stress
4. Fatigue Life Improvement
5. Impact of Development in Materials on Fatigue & Fracture
6. Conclusions
 Prof. W. Fricke(独)の司会の下、委員長Dr. Brennanから概要報告がなされた。今回は特定分野に焦点を絞った報告がなされた点に特徴がある。2000年報告で詳説された脆性破壊、多軸疲労、残留応力、鉄鋼材料の強度などは省略された。Committee VI.1, VI.2が扱った疲労荷重およびCommittee V.2で扱われた検査・モニタリングは割愛され、重点は、Hot Spot応力計算法の差異による疲労寿命推定値の比較、疲労強度改善法、新材料(Ti, Al, 複合材料)の疲労強度におかれた。
 報告では、実働荷重を模擬した疲労試験法の開発の重要性が強調された。また、具体的計算例を挙げて、各船級のHot Spot応力計算法が大きく異なる寿命推定値を与える場合があることが指摘された。疲労強度向上法については、止端形状改善手法が推奨される一方、圧縮残留応力導入手法については、過大荷重による応力緩和が改善効果を消滅させる危険性が指摘された。新材料については、Tiおよび複合材での設計コード整備の重要性が強調された。
 これに対し、公式討論者のMr. Basu(米)は、設計・建造・運航の相互関係を考慮した健全性評価システムの開発、運航中のき裂成長計測、S-Nアプローチとき裂伝播解析の融合等に関する研究の重要性について述べた。その後、会場から多岐にわたる活発な質問・意見が述べられた。
(大沢直樹)
 本委員会は、委員長のProf. Hansen(デンマーク)、Prof. Bronsart(独)、Prof. Cho(韓)、Prof. Hung(台)、Prof. Leira(ノルウェー)、Cmd. Mateus(ポルトガル)、Dr. Sielski(米)、Dr. Spencer(米)、Prof. Ulfvarson(スウェーデン)、Dr. Witz(英)、米家博士(NK)、Prof. Zhang(中)の12名で構成されている。
 Mandateは、船舶・海洋構造物に対する一般的な経済性および安全性指標の定量化とそれを使った合理的なライフサイクル設計法を展開し、基準制定に関係する事項および実構造物の挙動に影響を持つ全ての不確実性を評価できる性能設計の発展に対し特に留意することとされた。これに対応した報告書の項目は以下の通りである。
1. Introduction
2. Overview of Current Practice in Practical Design
3. Our Stakeholders and their Requirements
4. Principles for Risk Based Design
5. Life Cycle Analysis
6. Uncertainties Reported in Previous ISSC Reports
7. Marine Structures
8. Conclusion
 Prof. Moan(ノルウェー)の司会の下、委員長のProf. Hansenが上記項目に従って報告した。ライフサイクル設計法とリスクベース設計法について概観したあと、海事関係者相互の関係を明らかにする目的で実施された「誰が誰を意識して業務を行っているか」のアンケート結果が紹介された。リスクベース設計法については、意思決定に関するオリジナルな研究成果も含み社会との関係までを考慮した広範な手法について解説した。また、環境影響等に考慮したライフサイクル解析についても言及した。次に、これまでのISSC報告書の内容をとりまとめ、不確実性および実構造応答の不確実性モデルについて概説した。さらに、経済性と安全性を考慮した意思決定について、例を交えて紹介した。これらは、最近のオイルタンカー事故およびばら積み貨物船の安全性についての研究成果を含んでいる。最後に、将来的に海事関係の基準はリスクベース設計法を用いて検討するようにすべきであるとの意見を述べた。
 委員長報告に引き続き、Dr. Thayamballi(米)による公式討論が行われた。実構造応答の不確実性に関する過去のISSC報告書からの引用に当たっては、それらの結果を得た際の荷重と強度のモデル化の情報を示す必要があると指摘した。また、本委員会報告書は参考文献の数が少ないので、内容的に特に異論はないがISSC委員会活動の一つの目的である資料調査に関して不十分さを指摘されかねないと述べた。さらに、事故における人的要素を設計の意思決定の場でどのように考慮すべきか、リスクを判断する際に過去の重大事故のみを判断材料とすることの是非、製品価格に対する企業競争の影響と競争が安全性に与える影響について検討すべきであると指摘した。また、製品のライフサイクルを考える際に、人や環境に対しては別途制定されている基準を満たしさえすればよいという考え方に対する意見を求めた。会場からは、洋上バラスト交換と船体構造の関係等の討論がなされた。
 本Committeeは2006年にも継続される。委員長は二期務めたProf. Hansenから、Prof. Choに交代、委員は残留2名のみで新規に加わる11名を加えて13名構成となる。
(荒井 誠)







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