日本財団 図書館


(3)攪拌およびサンプリング
 バーク堆肥は通常、好気発酵に要する酸素供給のために定期的に攪拌(切り返し)を行う必要がある。攪拌はパワーショベルなどの重機を用い、バーク堆肥パイルの上側からすくい取ったものを隣接するサイトに順次移動させる方法で行った(写真−II.3.3)。頻度は約2週間に1回であり、この際に油分測定のためのサンプリングも同時に行った(写真−II.3.4)。
 
写真−II.3.3 パイルの攪拌の様子
 
 サンプリング方法を図−II.3.2に示す。
 
図−II.3.2 バーク堆肥パイルからのサンプリング概念図
 
 
 (1)〜(3)の各断面につき、(1)〜(9)の各点でサンプリングを行う。
 上から重機でバーク堆肥を取り除き、(1), (2), (3)の順でサンプリングを行う。サンプリングは一箇所5g程度とする。
 (1)〜(9)は採取後によく混合し、各50gずつ取りだし、(1)〜(3)の3検体とする。
 
写真−II.3.4 
バーク堆肥パイルからのサンプリングの様子
 
(4)測定項目
 測定項目は以下のとおりとした。
(1)油分濃度
(ア)攪拌時に必ず計測(2週間に1回程度)
(イ)曲線がほぼフラットになる期間(4〜6ヶ月程度)にわたり計測
(2)目視観察(油の臭気、手指への油分付着など)
(3)温度(週1回程度)
 なお、油分の測定はII-2で述べたようにn-ヘキサン抽出重量法によった。測定作業は(株)住化分析センターに委託した。測定値からバーク堆肥そのものが含む溶媒可溶分(0.03)を減じ、バーク堆肥からのC重油回収率(0.75)で除することにより、サンプルに含まれる油分濃度を推定した。
 また、本方式のサンプリング作業に起因すると思われる測定値が低く出る現象を補正するため、バーク堆肥からのC重油回収率(0.75)のかわりにII.2で述べたサンプリング補正係数(0.48)で除したものを併せて算出することとした。
 温度の測定は、4箇所の測定点におけるパイル表面から70cmの深さ地点にて行った。







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION