日本財団 図書館


表VII-2.1 供試資機材の要目
資機材の名称及び型式 要目
油回収装置
FOILEX
TDS200
能力  最大連続 毎時70m3(毎分300ガロン)
寸法(長×幅×高)2,040×2,260×1,100mm
重量 156kg
パワーパック
FOILEX
DH-35H
エンジン  水冷4サイクルディーゼルエンジン
エンジン出力 35kw(47hp)
油圧メインポンプ 最大流量 100l/min
最大連続圧力 180バール
寸法(長×幅×高)1,420×1,000×1,180mm
満載重量850kg
アウトリガートステック アルミ製 先端部
円柱  直径 600mm、長さ400mm
支柱部 長さ2,290mm、直径100mm
3本接続(各接続部はフランジ)
全長  約7,500mm
重量  約65kg
集油オイルフェンス
ブリヂストン
充気式
寸法  (U字 長×幅)10×6m
重量  160kg
ブロワ
ロビンブロワFL500
駆動潤滑油混合ガソリン式
最大風量 12.7m3/min
最大圧力  600mmAq
寸法(全長×全幅×全高)310×460×435mm
乾燥重量 8.7kg
 
写真VII-2.1 防災船「だいおう」
 
写真VII-2.2 供試資機材の搭載の状況
 
(5)油回収訓練
 油回収訓練は集油オイルフェンスを展張して、拡散した流出油を集油オイルフェンス内に集めて油の厚膜化を図り、油回収装置をその中心に配置して流出油を回収する方法により行われた。この方法は、一隻の船により流出油の集油及び回収が可能であり、小回りがきき機動性が高いという利点を有している。
 訓練の状況は次のとおりである。
 
1)アウトリガーの設置
 集油オイルフェンスの展張形状を保持するためのアウトリガーを設置した。
 アウトリガーの設置に要した時間は、約5分である。
 アウトリガーを設置した状況を写真VII-2.3に示す。
 
写真VII-2.3 アウトリガーを設置した状況
 
2)集油オイルフェンスの展張
 集油オイルフェンスは、船上では写真VII-2.2に示したようにオイルフェンス巻取り機に揚収されている。
 この巻取り機から集油オイルフェンスを繰出し、1)で示したアウトリガーに集油オイルフェンスの両端をロープで接続した。
 集油オイルフェンスの繰出し及びアウトリガーに接続するまでに要した時間は、約10分であった。
 集油オイルフェンスの繰出し状況、アウトリガーに接続した状況を写真VII-2.4、5にそれぞれ示す。
 
写真VII-2.4 集油オイルフェンスの繰出し状況
 
写真VII-2.5 アウトリガーに接続した状況
 
3)油回収装置の設置
 油回収装置はポンプ駆動用の油圧ホース及び油回収用移送ホースを装着して、「だいおう」の装備クレーンにより集油フェンス内の後方に配置した。
 油回収装置の海上設置に要した時間は約2分であった。
 油回収装置の設置状況を写真VII-2.6に示す。
 
写真VII-2.6 油回収装置の設置状況
 
4)流出油の回収
(1)船体運動と各種資機材との影響
 「だいおう」の左舷船側に装着したアウトリガー、集油オイルフェンス及び油回収装置は、船体運動の直進あるいは旋回運動にも問題なく追従して良好であった。
 また、波の上下運動による波の追従性はアウトリガー先端のフロート、集油オイルフェンス及び油回収装置とも良好であった。
 これらの資機材は船体固着でなく、それぞれ単独に浮いており、船体の上下運動の影響を受けない利点を有している。
 集油オイルフェンスと油回収装置の組合せの状況を写真VII-2.7に示す。
 
写真VII-2.7
集油オイルフェンスと油回収装置の組合せの状況
 
(2)水回収状況
 写真VII-2.8に示すように、油回収装置の水回収状況は、油回収装置の可動堰から流入する水とポンプで排水する水量とのバランスが良好であり、フロート堰は波に良く追従していることが観察された。
 また、油回収装置周辺の海面の波は流出油が厚膜化する程、油による静波効果が高くなり、写真にみられるような波はほとんどなくなる。
 このことは集油オイルフェンスと油回収機との組合せより、油の回収効率が高くなることが示唆された。
 集油オイルフェンスと油回収装置周辺の海面の状況を写真VII-2.8に示す。
 
写真VII-2.8
集油オイルフェンスと油回収装置周辺の海面の状況







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION