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(4)漁業権
 他方、古くから漁業が営まれてきた東京湾には、図2-3に示すような漁業権が設定されている。特に、船橋・市川沖に広がる自然干潟である三番瀬と小櫃川河口以南には、港湾区域と一部重なるように区画漁業権と共同漁業権が設定されている。
 
図2-4 東京湾の漁業権設定状況
出典:同前
 
(5)東京湾環境計画
 平成13年12月に都市再生プロジェクトの「海の再生」として決定された決定された国土交通省の重点施策である「東京湾蘇生プロジェクト」、平成14年3月に関東地方整備局および都県政令市等によりとりまとめられた「関東地方長期ビジョン」、首都圏港湾連携推進協議会の議論を経て策定された「首都圏港湾の基本構想」など、国と自治体が連携して東京湾の再生に取り組む体制が整備された。
 このような動きを背景として、関東地方整備局では首都圏港湾連携推進協議会での議論を踏まえて、平成14年12月に「東京湾環境計画」をとりまとめて公表した。
 この計画は、長期的な目標年次を2020年と設定し、「かつての東京湾のように、生き物が豊かで、人々が身近にふれあえる海を、将来世代にわたって創出する」ことを基本理念として、東京湾の環境のあるべき姿を「多様な生き物を育む東京湾」「身近で安全で快適な東京湾」「開発や利用等による環境負荷の少ない東京湾」と定めている。
 また、それを実現する環境保全・創造のための施策として以下の5つの方針を示している。
(1)自然海岸・浅海域の保全と生き物のすみやすい場の創造
(2)水・底質環境の改善
(3)海やみなとを眺め、憩える快適な親水空間の保全と創造
(4)循環型社会形成への支援
(5)海域や港湾及び周辺環境への負荷の軽減
 参考として、同計画で示されている主要な施策の配置図を図2-5〜2-7に示す。これらの施策対象をみると、(1)の対象として小櫃川河口干潟、(3)の対象として木更津港内港、(4)および(5)の対象として木更津地区沿岸部を含む内湾の沿岸部が指定されており、沿岸環境の保全・利用の両面で木更津地区がその対象となっていることがわかる。
 
あるべき姿1: 多様な生き物を育む東京湾
 
方針1: 自然海岸・浅海域の保全と生き物のすみやすい場の創造
方針2: 水・底質環境の改善
 
図2-5 東京湾環境計画における主要施策の配置(1)
出典:東京湾環境計画、関東地方整備局港湾空港部、平成14年12月
 
あるべき姿2: 身近で安全で快適な東京湾
 
方針3: 海やみなとを眺め、憩える快適な親水空間の保全と創造
 
図2-6 東京湾環境計画における主要施策の配置(2)
出典:同前
 
あるべき姿3: 開発や利用等による環境負荷の少ない東京湾
 
方針4: 循環型社会形成への支援
方針5: 海域や港湾及び周辺環境への負荷の軽減
 
図2-7 東京湾環境計画における主要施策の配置(3)
出典:同前







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