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 国内外の海洋ゴミ処理技術の開発状況、ゴミ処理関連技術に関して調査を行なった。主な対象国及び調査項目は以下の通りである。
対象国:
・日本
・米国、カナダ
・欧州(フランス、ドイツ、英国など)
・オーストラリアなど
調査項目:
・ゴミの処理・処分技術(例)焼却処理、バイオ処理、埋め立て処理、その他)の適用状況
・処理・処分技術の動向
・新技術の特定、開発状況
・新技術の適用可能性
 
1)地球規模での取組み−OSPARモニタリング・プロジェクト
 海洋ゴミの問題は、地球規模では1980年代末に大西洋北東部で政治的に認識されるようになり、1992年にOSPAR(Convention on the Protection of the Marine Environment of the Northeast Atlantic)条約の発効によって、各国の協力関係が強化された。
 現在、海洋ゴミに関する政策的及び管理上の決定を下すためには、ゴミの量、傾向及び発生源についての具体的な情報に基づくことが必要であることから、1999年に、海浜ゴミのモニタリングのためのOSPARパイロット・プロジェクトが承認され、実施されている。
 しかし、海洋ゴミの処理技術などのプロジェクトについては実施されていない。
2)日本のゴミ処理技術
(1)漁業系廃棄物の処理技術
 海洋ゴミの処理技術についての調査において、既に水産業界では、漁業系廃棄物を処理するための各技術が開発・販売されており、それらの技術についてまず、情報を収集した。
○漁業系廃棄物の処理方法と問題点
 現状における、漁業系廃棄物の処理方法と問題点をまとめた結果は、以下の通りである。
 
処理方法 問題点 廃棄物の種類
ウロ 貝殻 魚類の
内臓
養殖
付着物
魚類の
残餌
廃船
(FRP)
廃網
焼却 ダイオキシン、
最終処分地の確保
 
炭化 ダイオキシン、
最終処分地の確保
 
海中散布
(底質改善試験)
海洋汚染防止            
肥料
(石灰剤)
悪臭防止            
セメント原料 悪臭防止            
舗装材への利用 流通販路の拡大            
海中還元 海洋汚染防止            
有機肥料 流通販路の拡大、
Cdの除去
  ○注1 ○注1
釣りえさ 技術開発            
養殖餌飼料 Cdの除去   ○注1      
医薬品などの
原料の抽出
技術開発        
食品添加物など
の原料の抽出
技術開発        
漁礁への利用 改良            
石油類の抽出 破粋、分別            
ナイロン等への
再資源化
分別            
最終処分
(埋立)
処分場の確保
注1: カドミウム:Cdの除去含まず







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