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海洋白書 2004創刊号 日本の動き 世界の動き

 事業名 海洋シンクタンク事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


2 環境保護・保全
1)東京湾
2002. 6.28  東京湾再生推進会議が「東京湾再生のための行動計画(案)」の中間とりまとめを行った。
 
2002. 7. 1  国土交通省港湾局と環境省自然環境局は, 東京湾の干潟・藻場の保全・再生や生物生息環境改善方策に関する調査を行う「東京湾の干潟等の生態系再生研究会」を設置した。検討内容は, (1)三番瀬を初めとする東京湾における干潟・藻場・浅場等の自然環境の現状調査(2)東京湾における干潟・藻場・浅場等の保全・再生等のあり方の検討, (3)生態系の連続する干潟ネットワークの構築のあり方の検討, (4)生態系保全を視野に入れた東京湾の総合的な海域環境改善方策の検討などで, 数回の研究会を経て, 年度内に報告書をまとめる予定。
 
2002. 9.20  国土交通省関東地方整備局は, 東京湾内の環境を改善するための「東京湾臨海部環境創造具体化方策検討会」を設置し, 第1回会合を開いた。NPO法人海辺つくり研究会からも委員が参加。東京湾現地調査を含めて4回会合を開催し, 2003年3月に報告書を取りまとめた。検討テーマは, 湾内港湾(東京港, 横浜港, 川崎港, 千葉港, 横須賀港, 木更津港)を中心に, (1)シーブルー事業のあり方, (2)民間護岸・緑地の活用方策などで, 可能なテーマから2003年以降に実行に移す。
 
図2-4 開発のはざまで生き残った三番瀬
 
2003. 3. 1〜2 東京湾沿岸海岸保全基本計画策定のための公聴会を千葉県が開いた。対象としている東京湾沿岸は, 房総半島の南側に位置する洲崎から神奈川県の剣崎までの延長約780kmで, 千葉県・東京都・神奈川県の1都2県で策定する。千葉県沿岸部分については, 洲崎から東京都境までの約300kmが対象範囲。千葉県では, 2002年度末を目標に, 千葉県沿岸部分を対象とした計画(案)の策定を進めており, 東京湾沿岸全体の計画については, 東京都・神奈川県と調整を図りながら, 2003年度を目標に策定する予定。
 
2003. 3.26  東京湾再生推進会議が, 「東京湾再生のための行動計画(最終とりまとめ)」を作成。「快適に水遊びができ, 多くの生物が生息する, 親しみやすく美しい『海』を取り戻し, 首都圏にふさわしい『東京湾』を創出する。」という目標を設定して, 2003年度から10年間の計画期間を設定した。
 
2003. 6. 6  東京湾の干潟等の生態系再生研究会が報告書を公表。東京湾の干潟等の自然環境の現況及び変遷, 干潟・藻場・浅場の保全・再生のあり方, 生態系の連続する干潟ネットワークのあり方, 東京湾の干潟等の生態系再生の方策, 今後の取組に向けて, について論じられている。
 
2)三番瀬
2002. 1.28  千葉市で第1回「三番瀬再生計画検討会議(通称:三番瀬円卓会議)」が開催された。委員は, 海岸工学, 都市計画, 環境アセスメント, 水環境, 底生生物, 海洋環境, 水生生物, 鳥類の分野の各専門家に加えて, 漁業関係者, 環境保護団体代表, 地元住民代表, 地元経済産業界代表, 公募によって選ばれた市民らから構成され, オブザーバーとして水産庁漁港漁場整備部長, 国土交通省関東地方整備局長, 環境大臣官房審議官, 市川市・船橋市・浦安市助役, 千葉県副知事が参加した。
 
2002.12.25  約一年にわたる検討を踏まえて, 三番瀬円卓会議が「三番瀬の再生に向けての中間とりまとめ(中間報告)」を発表。
 
2003. 1.23  三番瀬を守る署名ネットワークが三番瀬円卓会議の「中間報告」に対する見解を発表。「円卓会議」がすべて公開で行われ, 傍聴者の会場発言も認めたことを評価した上で, 会議の開催が少なかったために議論を重ねてより良い合意形成を図るという円卓会議本来の目的への配慮を欠いたこと, 「再生」の定義が欠けていたことを指摘し, 現状の保全を目指すべきであったと主張する。
 
2003. 6.12  千葉県が主催する三番瀬円卓会議は, 保全のための県条例制定など, 再生計画の実効性を高める仕組みを検討する「再生制度検討小委員会」を新たに発足させ, 6月12日に千葉市で初会合を開いた。同小委員会では, 条例の具体的内容や, ラムサール条約の登録, 条例化との関連などを検討する。
 
2002. 4.24  農林水産省は, 諫早湾干拓と有明海の漁業不振などの関連性を調べるため, 調整池と外海の両方で, 塩分濃度, 溶存酸素量, 濁度等の観測を目的として, 排水門を開門し, 潮受け堤防内の調整池に海水を入れた。なお, この開門調査は, 調整池内に海水を入れた後, 再び淡水化して水質の変化を調べるもので, 当初約2ケ月間で終了する予定であったが, 例年に比べて降水量が少なかったため, 調整池内の塩分濃度が下がらず, 最終的には2002年12月10日まで行われた。
 
2002. 7. 6  独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所, 瀬戸内海区水産研究所と有明海沿岸4県は, 有明海の環境変化要因を解明することを目的として, 同海全域において大規模な環境調査を7月6日から7月13日まで行った。
 
2002. 8. 7  佐賀県有明, 福岡県有明, 熊本県の3県魚連諫早干拓事業対策委員会は, 武部農林水産大臣に対し, 中・長期調査の方針, 見通しを明確にすること, および有明海及び八代海再生特別措置法の早期成立などを要請した。これに対して農林水産省は, 干拓事業については方針通りとし, 特別措置法については, 国会の状況を注視しつつ成立に向け努力すると回答した。
 
2002.11.22  「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律」(有明海特別措置法)が成立した。同措置法は, 2000年度に発生した有明海ノリ不作問題などを受け, 有明海などの環境を保全するとともに水産資源の回復を図るために制定されたものであり, 今後, 国は宮崎を除く九州6県から意見を聞いて基本方針を決め, 各県は水質保全など地域の実情に応じた事業計画を策定することとなっている。
 
2003. 2. 6  総務省, 文部科学省, 農林水産省, 経済産業省, 国土交通省, 環境省の6省は有明海特別措置法に基づく「有明海及び八代海の再生に関する基本方針」を定め公表した。
 有明海と八代海は富栄養化, 底質泥化, 有機物のたい積など, 海域環境の悪化が進んだ結果, 赤潮の増加や貧酸素水塊の発生が確認され, 二枚貝をはじめとする漁業資源も悪化している。今回示された「基本方針」は, 環境保全と漁業振興の2つの面から目標を設定し, 達成するための施策を示している。
 
2003. 3.27  長崎県は, 有明海特別措置法に基づき, 水質汚濁防止, 漁場環境改善などに有効な各種事業を盛り込んだ「有明海の再生に関する県計画」案をまとめ, 関係主務大臣の同意を得て決定した。
 
2003. 4. 5  有明海沿岸の漁業者や弁議士ら約100人は, 長崎県諌早市で集会を開き, 干潟再生のため「開発自由」から「保全を原則」とする法体系への転換を求める「干潟を守る日2003宣言」を採択した。
 
2003. 4.16  諫早湾干拓事業により, のり漁獲量減少などの被害を受けたと主張する有明海沿岸4県の漁民が, 国の公害等調整萎員会に漁業不振と干拓事業の因果関係認定を求める原因裁定を申請した。
 
2003. 5. 7 長崎県小長井町から南有馬町沿岸にドロドロした正体不明の黒い浮遊物があると, 長崎県水産部から三池海上保安部に通報があった。浮遊物は薄茶色の繊維状のもので, 粘液状の物体に珪藻などが絡まったものとのことだが, 養殖ワカメに被害が出ている。
 
2003. 5. 8  九州農政局は, 諫早湾干拓事業に関連して, 2002年4月から12月に実施した排水門短期開放調査の報告書をまとめ, 長崎県知事に説明した。これによると, 潮位, 潮流, 水質への影響はほとんどなかった。
 
2003. 5.28  独立行政法人水産総合研究センターは, 2003年度総合環境調査を来月着手すると発表した。有明海のノリ不作を契機に2001年度より開始された「総合環境調査」は, 2003年度が最終年度になる予定である。調査は, 6月から来年2月にかけて計7回実施され, シストの分布密度, 潮流観測, 溶存酸素濃度などの項目からなり, 関係県の水産試験場のデータとともに, 赤潮発生予測などに役立てる。
 
2003. 6.27  干拓事業により漁業被害を受けたと主張する有明海沿岸の漁民が国の公害等調整委員会に求めた原因裁定申請の第1回審問があり, 裁判の原告に当たる申請人漁民の意見陳述があった。審問後, 申請者の漁民や支持者は, 農林水産省に, 漁業被害実態調査などを要請した。
 
4)泡瀬干潟
2002. 3.20  2月6日に沖縄市議会が, 泡瀬干潟埋立事業についての住民投票条例案を前年に続いて否決したことを受けて, 尾身沖縄担当大臣が事業着工を表明し, ついに中城湾港泡瀬地区公有水面埋立事業工事が着工し, 石材の搬入作業が開始された。
 
2002. 4. 4  ラムサール条約事務局長, 事業による環境・生態系への悪影響を懸念する書簡を日本政府へ送付。
 
図2-5 中城湾に広がる泡瀬干潟
 
2002. 6.17  泡瀬干潟を守る連絡会, 沖縄総合事務局, および同事務局と沖縄県が設置した環境監視・検討委員会による海草移植実験合同調査。
 
2002. 8. 7  沖縄総合事務局は, 7月に相次いだ台風により, 海草のほとんどが消失し, 壊滅的な被害を受けた浅場でのモニタリング調査を継続不能と結論付けた。今後は, 浅場の海草も回復するかどうか継続調査が必要であるという専門家から指摘を受けたことから, 台風後に残った海草の実数を把握した上で, 測定地点を整理して, 作業部会に諮る。
 
2002. 9. -  環境監視・検討委員会は, 移植した海草の生育状況について初めて厳しい見解を示す。埋立地の背後に残される「干潟」の環境が大きく変わる可能性も初めて示される。
 
2002.10. 8  海上工事着工。環境省は内閣府に対し, 科学的根拠に基づく海草移植計画の策定や公表について異例の申し入れを行う。
 
2002.11.14  日本自然保護協会は, 中城湾港泡瀬干潟埋立事業について, 「移植地の海草藻場は壊滅的な状況にあり, 移植実験と機械移植により二重の自然破壊が起きている」とする調査結果をまとめ, 内閣府と沖縄県に対し, (1)海草移植実験と埋立工事の中止, (2)市民参加でモニタリング委員会設置と科学的手法によるモニタリングの実施と海草藻場の復元, (3)自然環境を生かした地域づくりを住民参加で検討し合意形成を図る場を設けることなどを求める意見書を提出した。
 
2002.11. -  泡瀬保全を訴えるため環境保護団体らが第9回ラムサール条約締約国会議(スペイン)に参加, 海外NGO, 研究者, 政府関係者らの注目を集める。
 
2002. 1.17  鈴木環境大臣は, 環境省が2003年度から全国に設置する自然環境の重要監視地点(モニタリングサイト)に中城湾港泡瀬干潟を盛り込む方針であることを明らかにした。2003年度は, 同干潟のほかに200ケ所, 2007年度までに1000ケ所を指定し, 同省生物多様性センターが中心となり学識者やNGOで監視活動を実施する。
 
2003. 2.24  貝類保全研究会と岡山大学農学部水系保全学研究室は, 2002年7月および11月の共同調査により, 中城湾港泡瀬地区の仮設橋梁建設地周辺に生息する貝のうち, 17種がレッドデータブックに記載されている希少種であることを確認し, 当該地域周辺を「貴重な生態系」と位置付け, 保全の必要性を指摘した。
 
2003. 3. -  絶滅危惧種トカゲハゼの繁殖期に配慮して, 東部海浜開発事業の泡瀬沖の埋立工事は中断される。
 
2003. 5.27  沖縄弁護士会は, 那覇市内で総会を開き, 泡瀬干潟の埋立工事一時中断を国に求める決議案を可決した。埋立が, 隣接する新港地区で浚渫される土砂の処分を目的とした工事であるのに土砂処理の代替場所が検討されていない, 環境アセスメントで干潟の環境保全上の価値が認識されてない, などの理由による。
 
2003. 6. 1  (財)日本自然保護協会は, 泡瀬干潟埋立事業で再編設置する環境保全対策関係委員会のあり方について, 見直しを求める意見書を国と沖縄県に提出した。
 
5)サンゴ礁
2003. 1. 8  環境省は, 来年度より, 石垣島と西表島間に広がる石西礁湖で被害が確認されているサンゴの白化現象について, サンゴ礁の再生を目的に, 発生メカニズムの解明, オニヒトデの効果的な駆除方法等を調査する。
 
2003. 3. 5  沖縄絹県は, 本島全域のオニヒトデやサンゴ礁などの分布状況把握, 解析に地理情報システム(GIS)を導入することを表明した。また, 同県は, 環境省サンゴ礁モニタリングセンターと共同で, このシステムを利用し, 不明な点が多かったオニヒトデの生態や大量発生の原因解明を行う。
 
6)地球温暖化
2002. 3.19  地球温暖化対策推進本部(本部長・小泉純一郎首相)は, 新しい地球温暖化対策推進大綱を決定した。これは, 京都議定書の削減目標達成に向け, わが国の方針を定めたもの。
 
2002. 5.31  「気候変動枠組条約の京都議定書の締結の国会承認を求める件」及び「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」(京都議定書の国内担保法)が国会で可決成立した。
 
2002. 6. 4  わが国は, 京都議定書の受諾について閣議決定を行い, 同日, ニューヨークの国連本部に受諾書を寄託した。
 
2002.10.23〜11. 1 ニューデリーで気候変動枠組条約第8回締約国会議が開催され, 各国に対し京都議定書の批准を強く求めるなどの「デリー宣言」を採択した。
 
2003. 5.21  海洋科学技術センターの海洋地球研究船「みらい」は, 地球温暖化を解明する観測を行うために, 横浜港を出航した。同船は, 太平洋で観測を行った後, 2004年2月まで南半球で長期海洋観測を行う。
 
2003. 6. -  環境省は, 京都議定書の的確かつ円滑な実施を確保すること等を目的に地球温暖化対策地域推進計画策定ガイドラインを作成した。
 
7)その他
2002. 6. 2 【漁民による植樹運動】
 牡蠣(かき)の森を慕う会(代表畠山重篤)が第14回「森は海の恋人植樹祭」を宮城県室根村ひこばえの森で開いた。
 
2002.11.25 【その他】
 広島県呉市で, 呉地域海洋懇話会と日本沿岸域学会の共催で「海洋環境産業シンポジウム」が, また同懇話会を中心とする組織委員会による「海洋環境産業見本市」が同時開催され, 前者には約300名, 後者の見本市には約6,000名の入場者があった。
 
2002.12.11 【宍道湖・中海】
 島根県・鳥取県知事は, 第二次世界大戦直後の食糧難を解消するための中海干拓事業に伴って実施されてきた宍道湖, 中海の淡水化中止を表明した。これは, 時代の流れ, あるいは社会情勢の変化により, 事業そのものの意義が薄れてきたためだが, 減反政策の転換(1970年)など, 以前から事業の必要性が疑問視されていた。今後は, 既に悪化が進んでいる水質の改善が大きな課題となる。
 
2003. 1. 1 【廃棄物海洋投棄】
 福岡市は, 2002年1月, 市の許可業者2社が山口県沖に有機性汚泥を違法投棄して摘発された事件をきっかけとして, 2003年1月1日から産業廃棄物の海洋投棄を全面的に禁止した。これは, 産廃の中で建設汚泥, 家畜糞尿, 動植物食品の残りかすなどに限定して海洋投棄が認められている現行の廃棄物処理法より厳しい措置であるが, 同市は「関係者の理解を前提とした強い行政指導」と説明している。環境省は, 「廃棄物処理を海から陸上に転換するという世界の流れを踏まえた施策」として評価し, 実質的に「海洋投棄ゼロ」を達成する福岡方式に注目している。
 
2003. 1.16 【海鳥救護マニュアル】
 (財)WWF(世界自然保護基金)ジャパンと(財)日本鳥類保護連盟は, 油汚染が発生した場合の沿岸の海鳥を救護するための対応マニュアルを作成した。「油汚染海鳥影響調査識別マニュアル」というタイトルでウ, カイツブリ, ウミスズメなど25種が取り上げられている。
 
2003. 2.13 【2003年北太平洋地域海辺漂着物会議】
 富山市で開かれた「2003年北西太平洋地域(日本海・黄海)海辺の漂着物会議」((財)環日本海環境協力センター, 富山県主催)で, 2002年8月から10月にかけて日本, ロシア, 韓国, 中国の4ケ国, 22自治体が43海岸で実施した漂着物調査の結果が発表された。プラスチック類が漂着物全体の67.5%(個数), 47.5%(重量)を占め, プラスチックゴミの問題が北太平洋地域全体に広がっていることが明確になった。
 
2003. 3. - 【大阪湾】
 「大阪湾再生プロジェクト推進会議」が設置されることになった。京阪神圏の関係省庁の 出先機関ならびに2府4県3市で構成されることになり, 2003年度の調査予算が確定している。東京湾については既に2002年2月に再生推進会議が設置されているのに続いてのことである。
 
2003. 3. 3 【世界自然遺産】
 環境省と林野庁は, 国内に今後5年程度の間に新たに世界自然遺産として推薦できる地域があるかどうかを学術的見地から検討するため, 「世界自然遺産候補地に関する検討会」を設置し, その第1回会合を開催した。
 
2003. 3. 8 【漁民による植樹運動】
 大阪府で漁民の森作り事業を実施している「魚庭(なにわ)の森づくり協議会」は, 昨年度に引き続き, 植樹運動を展開中で, 3月8日には大阪府環境農林水産部緑整備室との併催で, 一般参加者70名, 漁民有志30名で, 泉南市堀河ダム上流の「紀泉わいわい村」で植林をした。
 
図2-6 浜の女性たちによる植樹活動
 
2003. 4. 9 【海洋汚染】
 海上保安庁がまとめた2002年の「海洋汚染の現状」によると, 確認した海洋汚染の発生件数は516件で前年に比べ30件増加した。内訳は油による汚染が358件で前年に比べ31件増加。油以外の汚染は110件で前年に比べ12件減少。赤潮による汚染は48件で前年に比べ209件も減少した。法令違反で多いのは海洋汚染及び海上災害に関するもの。次いで廃棄物処理および清掃, 水質汚濁防止違反となっている。
 
2003. 5. 8 【環境基準】
 環境省中央環境審議会の専門委員会は, 水生生物を保全するため, 水域の亜鉛について環境基準値を設定した。環境省は4年前から省内で検討を進めてきたが, 生物保全を目的とする環境基準の設定は, わが国では初めてのことであり, 今後, 亜鉛以外の物質(クロロフォルム, フェノール, ホルムアルデヒドの3物質)についても「要監視」とし, 基準値を設定する必要性を検討する。
 
2003. 5.22 【海底林】
 青森県むつ市教育委員会は, 同市関根浜で見つかった海底林(沈水林)が, 世界最古の約40万年前のものであると発表した。この海底林は, 海水面の上昇や地殼変動により, 森林が地面ごと海中に沈んだもので, 数年前に海岸侵食で地表に洗い出されていたのを, 住民が発見した。
 
2003. 5.26 【世界自然遺産】
 世界自然遺産候補地に関する検討会は, 第4回検討会を開催し, 世界自然遺産の登録基準への適合性の詳細検討を行った。同検討会は, 学術的見地から検討を行った結果, 現段階では, 「流氷が育む海洋生態系と陸域生態系の相互関係に特徴がある知床」, 「特異な生態系を形成している小笠原諸島」, 「独自な地史を有し, 多様で固有性の高い亜熱帯生態系やサンゴ礁生態系を有している琉球諸島」の3地域を世界遺産条約に定める登録基準と安全性の条件を満たす可能性が高いとした。
 
2003. 7. 2 【海洋環境】
 海上保安庁は「未来に残そう青い海」をスローガンに, 6月5日から11日までの1週間を海洋環境保全推進週間として海洋環境保全に対する思想の普及啓発活動を展開, 続く12日から21日までの10日間で海上環境事犯一斉取り締まりを行い, このほど全国での実施結果をまとめて発表した。推進期間中の漂着ゴミ調査は, 全国で3,500人が参加, 海洋環境保全教室には全国で約10,000人が受講した。一方, 一斉取り締まりでは全国で138件を海上環境の関係法令違反などで摘発, 検挙した。
 

干潟
 潮位差の比較的大きい海域で低潮時に水面上に出現する平坦な地形。地形的区分では, 河口干潟, 前浜干潟, 潟湖干潟があり, 底質区分では砂質干潟, 泥干潟などに分けられる。
 
藻場
 大型の海洋植物が繁茂する場所の総称。陸上の草類と同様に根から栄養分を吸収するアマモなどの海草の場合はアマモ場などと呼称されるが, 葉体で海水から栄養分を吸収する海藻の場合を含めて, 一般的に藻場と総称する。
 
浅場
 前浜や河口部, 人工的な埋立海岸などにおける比較的浅い場所で, 光合成が活発に行われる海域のことをいう。干潟や藻場なども含まれる。
 
シーブルー事業
 国土交通省港湾局が実施する海域環境創造事業の通称で, 半閉鎖性内湾などで干潟や浅場の造成等を行い, 水質や底質の改善を図るとともに, 貝類等の底生生物の回復による自然浄化作用を高める工夫も施して, 快適で潤い豊かな海辺の空間を創り出すことを目的として進められている環境改善事業。
 
独立行政法人水産総合研究センター
 中央省庁再編の流れを受け, 水産に関わる調査・試験・研究を総合的に実施する機関として, それまでの各海区別水産研究所等を統合し, 2001年4月1日に設立された。
 
珪藻
 細胞がガラス質(二酸化珪素)の殻に被われた藻類で, 不等毛植物門(または黄色植物門)珪藻綱に分類される。水界に存在する珪藻の全種数は2万以上に及び, 地球上で行われる光合成の約4分の1は珪藻によると言われている。
 
シスト
 シストとは胞子という意味で, ここでは海底の底泥中に分布する赤潮や貝毒の原因となる有毒プランクトンの休眠期の耐久型胞子をさす。これら有害プランクトンのシストは, 通常底泥中などで越冬しており, 一般的に温度が20℃以上で発芽が活発になるとされている。有明海では赤潮発生メカニズムを解明するために, 定期的に底泥を採取し, 有害プランクトンのシスト分布調査が実施されている。
 
海草
 砂泥域に根をはって成長する種子植物のことで, 陸上の草類と同様に根から栄養分を吸収する。コンブなどの岩礁域に付着し, 葉体で海水から栄養分を吸収する藻類は海藻という。
 
レッドデータブック
 絶滅の恐れのある野生生物の種についてそれらの生息状況等を取りまとめた資料のこと。平成14年6月現在, 爬虫類・両生類, 哺乳類, 植物I, 植物II版が刊行されている。なお, 同ブックに掲げるべき種のリストをレッドリストという。
 
サンゴの白化現象
 サンゴの中から何らかの原因で褐虫藻(かっちゅうそう)がいなくなり, サンゴが真っ白になる現象で, その後サンゴは死滅する。
 
GIS(Geographic Information System)
 電子化された地理, 空間等の地図情報を主体に, 他の情報(例えば都市計画や道路, 電力, 通信のデータ等)と組み合わせて, 比較的に表示し, ユーザーが自由かつ容易に検索, 融合, 利用ができることを可能とすることで, 高度な分析や迅速な判断を可能にする技術。
 
廃棄物処理法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)
 1970年制定。1972年に排出の抑制と再利用の促進, 処理施設への規制強化, 不法投棄に関する罰則強化を盛り込んだ新廃棄物処理法となり, 1997年に減量化, リサイクルの推進等を柱として改正, 現在に至る。
 
海底林(沈水林)
 海面の変動により地面ごと水没した森林のことで, 沈水林ともいう。富山湾の魚津市の海底埋没林が代表例として有名。







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