日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 社会科学 > 政治 > 成果物情報

海洋白書 2004創刊号 日本の動き 世界の動き

 事業名 海洋シンクタンク事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


第2部
日本の動き, 世界の動き
(2002年4月〜2003年6月)
 
 
日本の動き
1 海洋の総合管理
1)海洋政策
2001. 4.13  文部科学大臣が科学技術・学術審議会(海洋開発分科会)に「長期的展望に立つ海洋開発の基本的構想及び推進方策について」を諮問
 
2002. 3.15  日本財団は, 2001年末に実施した「海洋政策アンケート調査」などを参考にして, 「21世紀におけるわが国の海洋政策に関する提言」をまとめて発表した。その骨格は以下のとおりである。(第3部6参照
(提言1)総合的な海洋政策の策定
(提言2)海洋政策策定, 実行のための行政機構の整備
(提言3)総合的沿岸域管理の法制整備
(提言4)水産資源の合理的な管理, 漁業と他の海洋利用との調整
(提言5)排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚の総合的管理の具体化
(提言6)海洋に関する青少年教育及び学際的教育・研究の充実
 
2002. 5. -  日本財団は「21世紀におけるわが国の海洋政策に関するアンケート調査報告書」をまとめた。(第3部7参照)産学官の各界の約430人を対象にしたもので, 178人(回収率41.0%)から回答を得た。回答者はいわばわが国の海洋関係の世論形成集団を構成する人々で, 海洋基本法制定希望が全体の約3分の2を占め, 新しい行政組織を求める声が極めて強いこと, 沿岸域総合管理法の制定や漁業権制度の見直しを求める声も強いことなどが明らかとなった。
 
2002. 8. 1  科学技術・学術審議会(海洋開発分科会)は, 文部科学大臣に対し, 海洋開発の推進方策に関して「21世紀初頭における日本の海洋政策のあり方」と題する最終答申を行った。答申の内容は, 海洋を「知る」「守る」「利用する」の3点の調和を考え, 持続可能な海洋利用を目指すものである。(第1部第1章, 第3部3参照
 
2003. 3.16〜23 第3回世界水フォーラムが京都をメイン会場にし, 滋賀, 大阪も含めて開催された。(第2部世界の動き参照
 
2003. 4.14  第2回水産政策審議会が農林水産省で開催され, 今後のわが国の水産外交の展望について議論された。沖合・遠洋漁業の生産構造の見直しの報告の後, 具体的な外交政策の展開について報告書案が提出され, 水産外交の人材育成, 水産食品の質・安全性の記述などの意見が出された。
 
図2-1 
世界水フォーラムで挨拶する扇国土交通大臣(当時)
 
2003. 5.23  水産庁は, 世界の水産業の発展や水産物の安定供給の確保を図るためには, わが国が各国と協調し手を携えて, 科学的観点に立った水産資源の保存・管理とその持続的利用に取り組んでいくことが重要であるとし, 水産外交の積極的な展開のために, 初めて「我が国の水産外交について」(水産外交白書)をとりまとめ, 公表した。
 
2003. 6. -  (社)海洋産業研究会は, 海洋管理に係る基本法整備, 管理基本計画の策定, 水産資源と環境管理の連携など, 排他的経済水域及び大陸棚, ならびに資源の持続的利用に関して, 総合的政策の必要性を強調した「わが国200海里水域の海洋管理ネットワーク構築に関する提言」をとりまとめた。
 
2)領土・領海・管轄海域(大陸棚調査, 尖閣諸島, 外国漁船取締まり, 日本海呼称問題)
(1)大陸棚調査, 尖閣諸島, 外国漁船取締まり
2002. 5.13  国土交通省は, 同省海上保安庁の大陸棚概略調査結果から, 新たに日本の大陸棚となる可能性がある海域が65万km2存在することを明らかにすると同時に, 大陸棚限界委員会の審査に合格する必要があるため, 2003年度から政府一体となった詳細調査を要請した。
 
2002. 6. 7  内閣府は, 小笠原諸島などの周辺海域の海底が日本の大陸棚として認められる可能性があるため, 大陸棚調査に関する関係省庁連絡会議を開き, 今後の調査予定などを確認する。
 
2002. 9.24  台湾の李登輝前総統は, 日本の新聞社のインタビューで, 「尖閣諸島の領土は沖縄に所属しており, 日本の領土である」と発言した。この発言により, 台湾国内では野党のみならず, 与党も困惑しており, 台湾外交部は急遽「釣魚島(尖閣諸島)が台湾の主権に属することは妥協の余地がない」とする声明を発表した。
 
図2-2 大陸棚関連の報道記事
 
2003. 1. 1  読売新聞の元旦, 本紙1面トップに, 日本政府が尖閣諸島のうちの3島について, 無人の民有地を領土の安定的管理の強化策として日本政府が借り上げていた, と大々的に報道。社会面でも詳細に解説。3日以降も続報を掲げ, 朝日新聞ほかも3日以降, 同様の記事を続々報道。
 
2003. 2.10  水産庁が2002年の外国漁船取締り実績を発表し, 外国漁船の拿捕件数が, わが国が国連海洋条約を批准して以降, 過去最高の38件となったとの報道。内訳は, 韓国漁船が25件(2002年は17件), 中国漁船が12件(同, 3件), ロシア漁船1件(同, 0件)。一方, わが国のEEZ内に不法設置, 押収された外国漁船の漁具の総数は, 過去最高だった前年の押収量を大きく上回った。
 
  実効支配 支配形態 面積(km2 土地の所有形態 固定資産税
北方領土 ロシア 終戦後, 旧ソ連が占拠し, ロシア人約1万4,000人が在住。 約5,000 全島の1%台が民有地で, ほとんどは国有地 自治体の行政権が及ばず, 徴収せず
竹島 韓国 1954年以降, 韓国警備隊が常駐。灯台や監視所などを建設。 約0.23 国有地 国有地のため, 徴収せず
尖閣諸島 日本 無人島。海上保安庁が領海警備。 約5.24 4島は民有地, 1島は国有地 徴収
(読売新聞, 2003年1月1日)
 
2003. 4. 5  海上保安庁は, 「2003年海上保安業務遂行年次計画」を公表した。戦略目標は(1)治安維持, (2)海上交通の安全確保, (3)海難の救助, (4)海上災害・海洋環境の保全の4項目。特に, テロ被害発生件数ゼロ維持を明記。警備情報システムの運用やボランティア団体「海守(うみもり)」との連携による情報収集体制の強化及び不審船対策の対策官の設置や巡視船・航空機の追跡能力など, 対応能力のアップが注目される。
 
(2)日本海呼称問題
2002. 8. 9  国際水路機関(IHO)は, 「日本海」部分の2頁を含まない海図作成のガイドライン「大洋と海の境界」第4次改訂版(案)を加盟国に配布し, この改訂版(案)の出版に関して加盟国の賛否を問う文書を発信した。わが国政府は, 直ちにIHO理事会に対し, この手続きは不当である旨申し入れるとともに, 同文書の撤回を要求し, 9月に撤回された。
 
2002. 8.27〜9. 5 ベルリンにて開催された第8回国連地名標準化会議の第3委員会において, 韓国及び北朝鮮代表団は, 過去において日本海には様々な名称が使われていたことなどを理由に, 過渡的措置として日本海と東海(北朝鮮は東朝鮮海との名称も提示した)の名称を併記することを求めた。(注1)
 日本代表団(外務省及び国土地理院)は, この会議は個別の地理的名称を議論する場ではないとの原則的立場を述べ, 北朝鮮及び韓国の主張は日本海呼称についての実際の歴史的経緯とは異なることを説明するとともに, 日本海は既に国際的に定着している名称である旨を述べた。その結果, 韓国及び北朝鮮の主張は取り上げられず, この問題は関係国間で解決すべきこととされた。
 
2002.11. 6  2002.11. 3〜15にかけてチリのサン・チャゴで開催された, 「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」(CITES, 通称ワシントン条約)第12回締約国会議において, わが国が鯨類に関する提案を提出していたが, 韓国代表団より, 提案文章中の「日本海」という記述について「東海/日本海」の併記を求める文書が配布された。
 
2002.11. 8  ワシントン条約事務局より, 「IHO及び国連地名標準化会議(UNCSGN)の勧告に基づき「東海/日本海」の併記を行うこととする」旨の文書が配布された。わが国代表団は, 同事務局長に対し抗議を行うとともに, 日本海呼称問題に関する状況を説明し, 同条約事務局が11月8日に発した文書の撤回を求める文書を同事務局に提出した。更に, 議長に対しわが国からの発言を要求する旨を申し入れた。
 
2002.11.12  わが国は, 日本海の単一名称が既に国際的に広く普及しており, 唯一確立した名称となっていることは客観的事実であり, 国連も現状維持(東海との併記は行わない)が原則との認識からワシントン条約第12回締約国会議において, 韓国代表団の主張の誤りを指摘するとともに, 同条約事務局が発信した文書の撤回要求につき, 発言した。
 
2002.11.14  ワシントン条約事務局は, 11月8日に発信した「東海/日本海」の併記を行うこととする旨の文書を撤回する文書を発信した。
 
2002. 4. 1  漁港法は, 同法の一部改正により, 漁港と漁場の総合的かつ計画的な整備を推進するための措置を主要な目的とする「漁港漁場整備法」に改められた。
 
2002.11.22  「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律(有明海特別措置法)」が成立した。(2 環境保護・保全 3)有明海・八代海参照
 
2002.12. 4  「自然再生推進法」が成立。平成15年1月1日より施行。議員立法によるもので, この法律にもとづき, 4月1日に「自然再生基本方針」を決定。環境省, 国土交通省, 農林水産省その他の関係行政機関で構成する「自然再生推進会議」を設置。国や地方公共団体の他, 地域の多様な主体も参画しての自然を取り戻すための事業の着手の根拠となる。
 
図2-3 座礁したチルソン号
 
2002.12.17  茨城県の角田副知事らが国土交通省, 内閣官房, 総務省などを訪問し, 日立港でおきた北朝鮮籍貨物船チルソン号の座礁事故に関して, 放置外国船の撤去, 流出油の防除, 環境汚染対策についての法制度の早急な整備を要請。海上保安庁の調査によれば, 放置外国船舶は全国で10隻にのぼる。(5 交通・運輸 5)海上交通安全, 海難, 第3部11参照
 
2003. 2. 7  食品の安全性の確保に関する施策を総合的に推進することを目的とする「食品安全基本法」が閣議決定され, 「食の安全・安心のための政策大綱(中間とりまとめ)」が発表された。5月16日国会で可決, 成立。7月1日施行へ。この基本法により, 内閣府に食品安全委員会が, そして, 農林水産省に消費・安全局(仮称)が設置され「魚類安全室(仮称)」も新設されることになり, 新たな食品安全行政体制が構築されることになった。
 
2003. 3.10  茨城県は, 日立港で座礁したままの北朝鮮籍貨物船チルソン号問題にからんで, 安全性が確認できない船舶の入港を拒否することができる港湾施設管理条例の改正案を県議会に提出した。こうした条例は全国初。3月20日に可決され, 4月1日から施行された。
 
2003. 6.20 国土交通省は, 2002年12月, 茨城県日立港で起きた北朝鮮籍貨物船チルソン号の座礁事故を受け, 無保険船に対する入港を規制する方針を固め, 現行法では出来ない「入港拒否」の要件を初めて法制化するため, 今年中に法案をまとめ, 来年の通常国会に提出することとなった。
 
2003. 7.11  公海上のパナマ船籍タンカー「タジマ号」の船内で日本人船員が殺害された事件を踏まえ, 刑法の一部改正案が国会で審議されていたが, 11日の参議院本会議で全会一致, 可決・成立した。今回の刑法改正により, 便宜置籍船を含む外国領土で日本人が被害者となった犯罪の外国人被疑者に対し, 日本の刑法が適用されることとなった。(第1部第7章, 5 交通・運輸1)タジマ号事件参照)
 

海洋開発分科会
 内閣総理大臣の諮問機関であった旧海洋開発審議会が省庁再編にともなって改組されたもの。文部科学大臣の諮問機関である科学技術・学術審議会の分科会のひとつとして, 海洋開発に関する基本的な審議を行う。
 
注1 韓国及び北朝鮮が国際会議の場で初めて日本海呼称問題を提起したのは, 1992年の第6回国連地名標準化会議においてである。日本は, これに反論を行ったが, 1998年の第7回の同会議においても同様の議論があった。
 
食品安全基本法
 国民の健康の保護, 食品による悪影響の未然防止を目的として, 食品関連事業者の責務や国, 地方公共団体の責務, 消費者の役割などをかかげた包括的な食品の安全を確保するための法律で2003年5月23日に公布。政府が実施のための基本的事項を定め, 内閣府に食品安全委員会を設置することを規定している。







サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
260位
(31,092成果物中)

成果物アクセス数
40,182

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2019年5月18日

関連する他の成果物

1.平成15年度 各国の海洋政策の調査研究 報告書
2.国際会議「地球未来への企画“海を護る”」
3.国際会議「日・印・海洋安全保障ダイアローグ」
4.北米の大学における海洋管理教育の現状
5.平成15年度 閉鎖性海湾の健康診断に関する調査研究 報告書
6.Ship & Ocean Newsletter No.64?No.87
7.Ship & Ocean Newsletter Selected Papers No.2
8.Ship & Ocean Newsletter Selected Papers No.3
9.人と海洋の共生をめざして 150人のオピニオン
10.海洋教育拡充に向けた取り組み 平成15年度報告書
11.平成15年度 海洋及び沿岸域のゴミ問題に関する調査研究 報告書
12.平成15年度 沿岸域管理モデルの構築 報告書
13.国際海峡利用国と沿岸国の協力体制
14.平成15年度 新たな概念に基づく海洋の安全保障に関する調査報告書
15.地方分権時代にふさわしい地方税のあり方に関する調査研究報告書
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から