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図5-3-10 島外への外出頻度(視覚)
 
(2)目的地
 島外へ外出する際の目的地は、「鹿児島市」が60.8%で最も多く、このほか「名瀬市」が9.7%となっている。「その他」では、関西地方が35件で最も多く全体でも3.8%を占め、次いで、瀬戸内町が21件となっている。
 地区別にみると、鹿児島地区と熊毛地区では、「鹿児島市」を外出の目的地とする人の割合が8割を超えている。一方、北薩地区と奄美地区では、「鹿児島市」の割合は約半数にとどまっている。北薩地区では、「串木野市」が15.7%となっているほか、「その他」も21.5%を占めており、川内市(7件)、東町の長島(4件)、出水市(3件)、阿久根市(2件)など、鹿児島県の本土が多くあげられている。また県外では、熊本県水俣市(5件)や、同本渡市(4件)があげられた。奄美地区では、「名瀬市」が21.5%、「那覇市」が6.3%と他地区に比べて高い割合となっている。さらに、「その他」も19.2%を占めており、具体的には、関西地方(25件)、瀬戸内町(21件)、関東地方(8件)などとなっている。
 
図5-3-11 外出の目的地(地区別)
 
(3)目的
 島外へ外出する際の主な目的としては、「病院への通院」が35.5%で最も多く、次いで「家族・親戚の訪問」が26.4%となっている。
 地区別では、鹿児島地区や熊毛地区、北薩地区においては「病院への通院」が最も多く、特に、鹿児島地区では約6割を占めているが、奄美地区においては約2割にとどまっている。一方で、奄美地区では「家族・親戚の訪問」が33.6%で最も多く、「病院への通院」を上回っている。また北薩地区や奄美地区においては、「買い物」がそれぞれ15.1%、10.9%と1割を超えている。
 年齢別にみると、高齢者ほど「病院への通院」の割合が高くなっており、75歳以上では約半数を占めている。逆に、「買い物」や「知人との集まり」については、高齢者ほど、割合が低くなっている。
 
図5-3-12 外出の目的(地区別)
 
図5-3-13 外出の目的(年齢別)
 
 障害別に外出の目的をみると、歩行や階段の昇降に障害がある人では、「車いすを使用している」人や、「1人での歩行は困難」な人において、「病院への通院」が半数を超え、また、「歩行に差し支えないが階段の昇り降りはきつい」人でも、通院を主な目的とする人は約4割を占めている。
 聴覚に障害がある人についてみると、「聞き取りにくい、よく聞こえないときがある」人では「病院への通院」を目的とする人が半数を超えているが、「ほとんど聞こえない」人では約2割にとどまっており、一方で、「家族・親戚の訪問」が27.3%と通院を上回っている。さらに、「ほとんど聞こえない」人では、「買い物」を主な目的とする人の割合も18.2%あり、他の障害を有する人と比べて高くなっている。
 視覚に障害がある人では、「病院への通院」が約6割を占めており、通院のために外出する人が多い。
 
図5-3-14 外出の目的(障害別)
 
(4)同伴者
 島外へは、一人か、または家族と外出する人が多い。地区別にみると、鹿児島地区では、一人で外出すると回答した人が半数以上で、他地区に比べて高い割合となっている。年齢別にみると、高齢者ほど一人で外出する割合が低くなり、逆に、家族と外出する割合は高くなる。
 
図5-3-15 同伴者(地区別)
 
図5-3-16 同伴者(年齢別)
 
 障害別にみると、いずれの障害においても、日常生活に差し支えのない人で、一人で外出する人の割合は約50%となっている。これに対し、歩行や階段の昇降に障害がある人のうち、「車いすを使用している」人や「1人で歩行は困難」な人では同約2割、視覚に障害がある人のうち「ほとんど見えない」人では、同3割未満にとどまっており、家族が同伴することが多くなっている。一方、聴覚に障害がある人では、一人で外出する人の割合は「よく聞こえないときがある」人で30.0%、「ほとんど聞こえない」人で45.5%、また視覚に障害がある人のうち「弱視である」人では33.3%となっており、「車いすを使用している」人や「1人で歩行は困難」な人、「ほとんど見えない」人よりも、一人で外出する人の割合が高い。
 
図5-3-17 同伴者(障害別)







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