日本財団 図書館


3. 外出行動の状況
(1)外出頻度
 島内・島外を含めた外出の頻度は、「ほぼ毎日」が44.0%で最も多く、次いで「週に1〜2回」が11.1%となっている。これらを含め、週に1回以上外出をする人は7割程度であるが、一方で、約5%の人は「ほとんど外出しない」と回答している。
 地区別にみると、外出頻度が高い(「ほぼ毎日」と「週に5〜6回」を合計した割合)人の割合は、鹿児島地区が60.6%で最も高く、熊毛地区が42.1%で最も低い。
 
図5-3-1 外出頻度(地区別)
 
 島外への外出頻度についてみると、半数以上の人が「年に数回」しか外出しておらず、さらに約2割の人は、「ほとんど外出しない」と回答している。また、週に1回以上外出をする人も5%程度にとどまっていることから、外出はしても、島内にとどまる場合が多いことがわかる。
 地区別にみると、北薩地区においては「週に3〜4回」から「月に1回程度」までの割合が、いずれも他地区に比べて高く、相対的に島外への外出頻度が高い。一方、熊毛地区や奄美地区では、「ほとんど外出しない」人が約2割あり、他地区に比べて島外への外出頻度はやや低いといえる。
 
図5-3-2 島外への外出頻度(地区別)
 
 年齢別では、島内・島外を含めた外出の頻度が高い(「ほぼ毎日」「週に5〜6回」を合計した割合)人は、64歳以下では約6割で、これに週に1回以上外出を行う人を含めると、8割以上となる。一方、65〜74歳と75歳以上では、外出頻度が高い人や週に1回以上外出する人の割合は、64歳以下よりそれぞれ1〜2割程度低く、高齢者ほど外出頻度が少なくなる傾向にある。
 同様に、島外への外出頻度についても、「ほとんど外出しない」人の割合は、64歳以下では約1割であるが、65〜74歳では18.3%、75歳以上では27.5%に増加し、高齢者ほど外出頻度が少なくなる。
 
図5-3-3 外出頻度(年齢別)
 
図5-3-4 島外への外出頻度(年齢別)
 
 次に、障害別に外出の状況をみたものが、図5-3-5〜図5-3-10である。
 「歩行・階段とも特に差し支えない」人では、外出頻度が高い(「ほぼ毎日」「週に5〜6回」を合計した割合)人の割合は、50%を超えている。これに対して、「歩行に差し支えないが階段の昇り降りはきつい」人では50.0%で、「歩行・階段とも特に差し支えない」人と比べてやや低く、さらに、「車いすを使用している」人では同11.1%、「1人での歩行は困難(介助者が必要)」な人では同16.7%と減少する。また、「ほとんど外出しない」人の割合は、「車いすを使用している」人では22.2%、「1人での歩行が困難」な人では31.3%となっており、歩行障害の度合いによって、外出頻度が低下する傾向がみられる。
 島外への外出頻度をみると、何らかの障害を有する人では、そうでない人に比べて「ほとんど外出しない」人の割合が高い。特に、「1人での歩行が困難」な人では、約半数の人が「ほとんど外出しない」と回答しており、島外への外出においても、歩行障害の程度による外出回数への影響が見られる。
 
図5-3-5 外出頻度(歩行や階段の昇降)
 
図5-3-6 島外への外出頻度(歩行や階段の昇降)
 
 聴覚に何らかの障害がある人についてみると、「日常生活に差し支えない」人では外出頻度の高い人(「ほぼ毎日」「週に5〜6回」を合計した割合)の割合は50%を超えているのに対し、「聞き取りにくい、よく聞こえないときがある」人では41.9%、「ほとんど聞こえない」人では45.4%と減少する。また、島外への外出については、聴覚に何らかの障害を有する人は、「日常生活に差し支えない」人に比べて「ほとんど外出しない」人の割合が高くなっている。聴覚に何らかの障害がある人では、「聞き取りにくい、よく聞こえないときがある」人より、「ほとんど聞こえない」人の方が外出頻度が高く、障害の程度による外出回数への影響は少ないと考えられる。
 
図5-3-7 外出頻度(聴覚)
 
図5-3-8 島外への外出頻度(聴覚)
 
 視覚に何らかの障害を有する人では、歩行や聴覚に障害がある人と同様に、「日常生活に差し支えない」人と比べて「ほとんど外出しない」人の割合が高くなる傾向がある。また島外への外出については、障害の程度が重いほど「ほとんど外出しない」人の割合が増加し、外出の頻度は低くなっている。
 
図5-3-9 外出頻度(視覚)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION