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九州における離島住民からみた交通バリアフリー化に関する調査研究?鹿児島県をモデルケースとして? 報告書

 事業名 離島住民からみた交通バリアフリー化に関する調査研究
 団体名 九州運輸振興センター  


2. 鹿児島県における離島航路の現状
 ここでは、鹿児島県における離島旅客航路とその発着港湾の現状を整理した上で、バリアフリー化の観点から各航路・港湾をそれぞれの特性に基づいて類型化する。
 
(1)離島航路の現状
(1)航路の現状
 鹿児島県の離島に発着するすべての旅客定期航路について、航路名、事業者名、船種等を整理したものが表3-2-1及び図3-2-1である。
 
表3-2-1 鹿児島県の離島航路の現状
地区 航路名 事業社名 距離 所要時間 便数 船種 指定
区間名
番号
北薩 串木野〜甑島 甑島商船(株) 85.2 フェリー1:10
高速船0:50
フェリー
2/日
高速船
2〜3/日
フェリー
高速船
甑島 1
天草〜長島 天長フェリー
(株)
10.0 0:50 7/日 フェリー 片側長島 2
米ノ津〜御所浦 (有)波戸汽船 36.0 1:30 1/日 旅客船 片側長島 3
宮ノ浦〜伊唐〜
幣串
(有)山坂汽船 10.2 0:40 5/日 旅客船 幣串長島 4
牛深〜水俣 江崎汽船(株) 58.0 1:05 4/日 高速船 獅子島水俣 5
鹿児島 鹿児島〜三島 三島村 153.0 6:45 3/週 フェリー 三島 6
鹿児島〜十島〜
名瀬
十島村 435.0 18:00 2/週 フェリー 十島 7
熊毛 鹿児島〜種子・
屋久
いわさきコーポ
レーション(株)
種子島115.0
屋久島135.0
種子島1:35
屋久島2:35
5〜6/日 ジェット
フォイル
種子島
屋久島
8
鹿児島〜種子島 九州商船(株) 115.0 3:50 1/日 フェリー 種子島 9
鹿児島〜屋久島 折田汽船(株) 135.0 3:45 1/日 フェリー 屋久島 10
宮ノ浦〜口永良
部・島間
上屋久町 73.0 3:20 1/日 フェリー 口永良部 11
奄美 鹿児島〜那覇 マリックスライン(株) 733.0 24:00 1/2日 フェリー 奄美諸島
与論鹿児島
与論沖縄
12
鹿児島〜那覇 大島運輸(株) 733.0 24:00 1/2日 フェリー 奄美諸島
与論鹿児島
与論沖縄
13
鹿児島〜喜界〜
知名
奄美海運(株) 661.0 21:50 5/週 フェリー 喜界島
奄美諸島
14
瀬相〜古仁屋〜
生間
瀬戸内町 瀬相7.7
生間5.2
瀬相0:25
生間0:20
7/日 フェリー 加計呂麻島 15
与路〜古仁屋 瀬戸内町 32.0 1:17 1〜2/日 旅客船 請島与路島 16
神戸〜那覇 大島運輸(株) 1298.0 41:30〜 42:10 1/4〜
6日
フェリー 奄美諸島
与論鹿児島
与論沖縄
17
東京〜志布志〜
名瀬〜与論〜
那覇
大島運輸(株) 1745.0 44:00〜 47:00 1.5/週 フェリー 与論鹿児島
与論沖縄
18
指定離島
以外の島
嶼への航路
阿久根〜大島 南国海運(株) 1.9 0:10 通常
5/日
夏季
14/日
旅客船 - 19
志布志〜枇榔島 南九州観光
開発(株)
15.8 0:15 通常
2/日
夏季
10/日
旅客船 - 20
その他の
県内航路
櫻島〜鹿児島 桜島町 4.8 0:15 88/日 フェリー - 21
鹿児島(鴨池)〜
垂水
いわさきコーポ
レーション(株)
14.5 0:35 37/日 フェリー - 22
資料)国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局資料ほかよりUFJ総合研究所作成
 
図3-2-1 鹿児島県の離島航路
(拡大画面:142KB)
資料)UFJ総合研究所作成
 
 鹿児島県の離島航路の多くは、三島、十島、種子島・屋久島、奄美地区各島と鹿児島港を結ぶ航路であり、現在ではすべての航路がフェリー化されているほか、種子島・屋久島へは超高速船(ジェットフォイル)も就航している。また、奄美地区へは、東京・阪神〜沖縄間の航路も途中寄港している。口永良部島や加計呂麻島、請島、与路島といった属島は、種子島・屋久島、奄美大島との間に離島相互を結ぶ航路で結ばれている。
 北薩地区では、甑島と串木野港との間にフェリーおよび高速船が就航しているほか、獅子島には鹿児島・熊本両県の港湾との間にフェリー、高速船、旅客船の複数の航路が就航している。
 指定離島以外の島嶼への航路としては、阿久根港から大島へ、志布志港から枇榔島への旅客船航路が就航している。
 事業者については、三島、十島と鹿児島港を結ぶ航路や、熊毛・奄美地区の属島への航路が市町村による公営航路であり、その他は民営となっている。
 また、2000年10月に改正海上運送法が施行され、旅客船事業の需給調整規制が廃止されたことに伴い、離島など船舶以外に交通機関がなく、航路廃止によって日常生活に支障が生じるなどの恐れのある航路が「指定区間」に指定された。指定区間に位置づけられた航路では、(1)事業の参入に際し、一定の便数、定員の確保などを義務づける、(2)運賃は高騰防止の観点から上限額を認可する、(3)事業の休廃止は6か月前までの事前届出制とする、などの制約を受ける。鹿児島県では、離島航路のほとんどの航路が指定区間に指定されている。
 
(2)投入船舶の現状
 各離島航路に投入されている船舶について、まず船種によりフェリーと旅客船(高速船含む)を分け、次に総トン数を基準として規模別に分類した。分類にあたっては、「旅客船バリアフリー 〜設計マニュアル」(交通エコロジー・モビリティ財団)におけるバリアフリー化船の試設計が、フェリーは320トン型と999トン型、旅客船は19トン型と170トン型で行われていること等を考慮し、フェリーは、699トン以下と700トン以上に、旅客船は、49トン以下と50トン以上に分類した。分類・整理した結果が表3-2-2である。
 まず、フェリーについてみると、本土と外洋に位置する離島を結ぶ航路には、いずれも700トン以上のフェリーが投入されているが、その船型は、1,000トン前後から5,000トン以上まで多様である。一方、近海の離島と本土を結ぶ航路や離島相互を結ぶ航路には、699トン以下のフェリーが投入されている。
 次に、旅客船についてみると、50トン以上の旅客船は高速船(22〜35ノット)や超高速船(35ノット以上)が中心であり、概ね航路距離100km前後の航路に就航している。奄美大島と請島・与路島を結ぶ航路は一般の旅客船だが比較的大型となっている。49トン以下の旅客船は、いずれも本土に近接した離島への航路に投入されている。
 
表3-2-2 鹿児島県の旅客航路の投入船舶
【700トン以上のフェリー】
番号 航路名 事業社名 船種 船名 総トン数 航海
速力
旅客
定員
車両
台数
就航年
1 串木野〜甑島 甑島商船(株) フェリー フェリーニュー
こしき
942 17.5 400 41 2002
6 鹿児島〜三島 三島村 フェリー みしま 1,196 19.0 250 10 2001
7 鹿児島〜十島〜名瀬 十島村 フェリー フェリーとしま 1,389 19.0 200 12 2000
9 鹿児島〜種子島 九州商船(株) フェリー フェリー出島 1,519 16.9 630 34 1987
10 鹿児島〜屋久島 折田汽船(株) フェリー フェリー
屋久島2
3,392 22.5 494 90 1993
12 鹿児島〜那覇 マリックスライン
(株)
フェリー クイーン
コーラル8
4,945 22.0 300 66 1999
クイーン
コーラル
4,924 20.2 500 66 1993
13 鹿児島〜那覇 大島運輸(株) フェリー フェリー
あかつき
6,412 22.0 800 169 1992
フェリー
なみのうえ
6,586 21.0 804 240 1994
14 鹿児島〜喜界〜知名 奄美海運(株) フェリー フェリーあまみ 2,980 20.0 213 69 1989
フェリーきかい 2,878 20.0 200 74 1995
17 神戸〜那覇 大島運輸(株) フェリー 琉球
エキスプレス
6,266 21.5 240 170 2003
18 東京〜志布志〜
名瀬〜与論〜那覇
大島運輸(株) フェリー ありあけ 7,910 24.0 426 乗用車158
トラック50
1995
 
【699トン以下のフェリー】
番号 航路名 事業社名 船種 船名 総トン数 航海
速力
旅客
定員
車両
台数
就航年
2 天草〜長島 天長フェリー フェリー フェリーロザリオ 330 11.2 300 22 1997
11 宮之浦〜口永良部・島間 上屋久町 フェリー フェリー太陽 408 15.0 100 9 1997
15 瀬相〜古仁屋〜生間 瀬戸内町 フェリー フェリーかけろま 194 12.0 160 乗用車4
大型バス2
1994
 
【50トン以上の旅客船】
番号 航路名 事業社名 船種 船名 総トン数 航海
速力
旅客
定員
車両
台数
就航年
1 串木野〜甑島 甑島商船(株) 高速船 シーホーク 304 26.0 301 - 1990
8 鹿児島〜種子・
屋久
いわさきコーポ
レーション(株)
ジェットフォイル トッピー 166 43.0 247 - 1989
トッピー2 163 43.0 247 - 1994
トッピー3 164 43.0 247 - 1995
5 牛深〜水俣 江崎汽船(株) 高速船 うみたか 52     - 2001
16 与路〜古仁屋 瀬戸内町 旅客船 せとなみ 90 19.0 60 - 2003
 
【49トン以下の旅客船】
番号 航路名 事業社名 船種 船名 総トン数 航海
速力
旅客
定員
車両
台数
就航年
3 米ノ津〜御所浦 (有)波戸汽船 旅客船 すずかぜ 17   59 - 1993
4 宮之浦〜伊唐〜
幣串
(有)山坂汽船 旅客船 ニューしんせいあづま 6.6 20.0 18 -  
19 阿久根〜大島 南国海運(株) 旅客船 海燕III 18.4 15.0 70 -  
20 志布志〜枇榔島 南九州観光開
発(株)
旅客船 ブルーサルーン号 19   50 -  
資料)国土交通省九州運輸局鹿児島運輸支局資料ほかよりUFJ総合研究所作成
 
(3)離島航路の類型化
 以上のことから、航路の起終点(区間)と船舶の種類・規模に基づき、鹿児島県の離島航路は、以下に示す4つの類型に整理される。
・大型フェリー航路(本土〜外洋型離島)
・小型フェリー航路(本土〜近海型離島、離島相互間)
・高速船航路(高速船、超高速船)
・一般旅客船航路(本土〜近海型離島、離島相互間)
 
(2)港湾の現状
 鹿児島県の離島航路の就航する港湾の現状を整理したものが表3-2-3である。
 本土側では県管理の重要港湾である鹿児島港が離島航路の最大の拠点となっている。また、甑島への航路は串木野港が拠点となっている。
 離島側では、西之表港(種子島)と名瀬港(奄美大島)が県管理の重要港湾であるが、他は地方港湾か漁港であり、これらには県管理のものと市町村管理のものがある。
 
表3-2-3 鹿児島県において離島航路の就航する港湾
港湾分類 就航航路 就航船種
分類1 分類2 港名 港種 航路番号 主な相手地域
北薩 獅子島 片側 県地 2, 3 天草、長島、米ノ津  
御所浦 町地 3 長島、米ノ津    
幣串 町地 4, 5 長島、牛深、水俣  
上甑島 県地 1 串木野  
中甑 県4 1 串木野  
中甑島 平良 県2 1 串木野    
下甑島 長浜 県地 1 串木野  
手打 県4 1 串木野  
蘭牟田 県2 1 串木野  
鹿児島 竹島 竹島 村地 6 鹿児島    
硫黄島 硫黄島 県地 6 鹿児島    
黒島 大里 村地 6 鹿児島    
片泊 村地 6 鹿児島    
口之島 西之浜 県4 7 鹿児島    
中之島 中之島 県地 7 鹿児島    
諏訪之瀬島 元浦 村地 7 鹿児島    
切石 村地 7 鹿児島    
平島 南之浜 村地 7 鹿児島    
前之浜 村地 7 鹿児島    
悪石島 やすら浜 村地 7 鹿児島    
小宝島 小宝島 村地 7 鹿児島    
城之前 村1 7 鹿児島    
宝島 宝島 村地 7 鹿児島    
前籠 県4 7 鹿児島    
熊毛 種子島 西之表 県重 8, 9 鹿児島  
島間 県地 11 屋久島、口永良部島    
屋久島 宮之浦 県地 8, 10, 11 鹿児島、種子島、口永良部島  
安房 県地 8 鹿児島    
口永良部島 口永良部 県4 11 屋久島、種子島    
奄美 奄美大島 名瀬 県重 12, 13, 14, 17, 18 鹿児島、東京、神戸・大阪、那覇    
古仁屋 県地 14, 15, 16 鹿児島、加計呂麻島、請島・与路島  
加計呂麻島 生間(古仁屋) 県地 15 古仁屋    
加計呂麻(俵) 町地 15 古仁屋    
与路島 与呂 町地 16 古仁屋    
請島 請島(池地) 町地 16 古仁屋    
請島(請阿室) 町地 16 古仁屋    
喜界島 県地 14 鹿児島    
早町 県4 14 鹿児島    
徳之島 平土野 県地 14 鹿児島    
亀徳 県地 12, 13, 17 鹿児島、神戸・大阪、那覇    
沖永良部島 和泊 県地 12, 13, 17 鹿児島、神戸・大阪、那覇    
知名 県4 14 鹿児島    
与論島 与論 県地 12, 13, 17, 18 鹿児島、東京、神戸・大阪、那覇    
県内本土 鹿児島市 鹿児島 県重 6〜10, 12〜14 鹿児島、熊毛、奄美各地区の離島  
指宿市 指宿   8 種子島、屋久島    
串木野市 串木野   1 甑島  
出水市 米ノ津   3 獅子島    
東町 諸浦(葛輪)   2, 3 獅子島  
宮ノ浦(長島)   3, 4 獅子島    
伊唐(伊唐島)   3, 4 獅子島    
注)港種:県重=県管理重要港湾、県地=県管理地方港湾、県(市町村)1〜4=県(市町村)
管理第1〜4種漁港、空欄=不明
就航船種:フ=フェリー、高=高速船、旅=旅客船(高速船除く)
航路番号:表3-2-1の番号
指定離島以外の島嶼への航路が就航する港湾は除いた。
なお、奄美大島の古仁屋港は、「離島統計年報」では県管理の地方港湾とされているが、同港は県管理の第4種漁港の区域があり、定期航路は漁港地区に発着している。
資料)「離島統計年報(2002)」(財団法人日本離島センター)ほかよりUFJ総合研究所作成







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