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(4)無線局認定点検事業者制度
 無線局認定点検事業者制度は、無線局の検査において民間の能力を活用するため、総務大臣の認定を受けた者が無線設備等について点検を行った結果が、免許人より提出された場合には、無線局の検査の一部を省略できることとしたもので、平成10年4月1日から実施された制度である。
 一般に、従来の検査を「国の検査」と呼び、無線局認定点検事業者制度を利用した検査を「書面検査」と呼んでいる。
a)対象となる検査
新設検査、変更検査及び定期検査
b)対象となる無線局
国が開設する無線局以外のすべての無線局で、点検事業の区分に従い次のように分けられる。
・第1種点検事業・・・すべての無線局(漁業用海岸局、放送局等)
・第2種点検事業・・・26.175MHzを超える周波数を使用する海岸局(漁業用、レジャー用及び旅客運送用等)、義務船舶局等
・第3種点検事業・・・無線航行移動局、遭難自動通報局、船舶局(漁船及びその他の非義務船舶局)、船上通信局等
c)点検員の要件
・第1種点検事業・・・1級総合無線通信士、1級陸上無線技術士、1級海上無線通信士及び同等の資格を有する者
・第2種点検事業・・・上記の者、2級総合無線通信士、2級陸上無線技術士、2級海上無線通信士及び同等の資格を有する者
・第3種点検事業・・・上記の者、3級総合無線通信士、4級海上無線通信士、1級陸上特殊無線技士及び同等の資格を有する者
 
d)認定点検事業者制度の利用手順
 
(5)船舶局等の免許の有効期間
a)義務船舶局の免許の有効期間は、無期限とする。(電波法第13条)
b)非義務船舶局の免許の有効期間は、免許の日から起算して5年間とする。(施則第7条)
 免許の有効期間の満了後においても引き続き運用したい無線局は、その旨を申請することにより再免許を受けることができる。この場合、再免許申請書の提出は、免許の有効期間満了前3ヶ月以上6ヶ月を超えない期間において行わなければならない。(免則第17条)
c)無線航行移動局等の免許の有効期間は、すべてが同時に有効期間が満了するように一定の時期が定められており、その満了の日は免許の期日に関係なく一斉に再免許される。平成4年11月30日から実施されている。
 再免許手続きについてはb)の場合と同じである。ただし、免許の有効期間が一年以内である無線局については、免許を受けた後、直ちに再免許の申請を行わなければならない。
(6)免許後の変更と変更検査
a)免許人は、通信相手方、通信事項若しくは無線設備の設置場所を変更し、又は無線設備の変更の工事をしようとするときは、あらかじめ総務大臣の許可を受けなければならない。(電波法第17条)
b)総務省令で定める軽微な事項について工事設計を変更したときは、遅滞なくその旨を総務大臣に届け出なければならない。(電波法第17条第2項)
c)変更工事の許可を受けた免許人は、総務大臣の変更検査を受け、当該変更又は工事の結果が許可の内容に適合していると認められた後てなければ、許可に係わる無線設備を運用してはならない。(電波法第18条)
(7)定期検査
 総務大臣は、総務省令で定める時期ごとに、あらかじめ通知する期日にその職員を無線局に派遣し、その無線設備等の検査をさせる。(電波法第73条)
 定期検査の時期は、下記に示す無線局ごとに定められた期間を経過した日の前後3ヶ月を超えない時期とする。(施則第41条の4)
・義務船舶局(旅客船及び国際航海に従事する船舶) 1年
・義務船舶局(上記以外の船舶及び遭難自動通報設備義務の船舶) 2年
・その他の船舶局(特定船舶局等) 3年
・無線航行移動局(遭難自動通報設備義務の船舶) 2年
・その他の無線航行移動局 5年
(8)臨時検査
 総務大臣は、下記の場合に、その職員を無線局に派遣して臨時検査をさせることができる。(電波法第73条)
a)総務大臣が、無線局の発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合していないと認め、電波の発射の停止を命じたとき。
b)上記の命令を受けた無線局から、その発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合するようになった旨の申し出があったとき。
c)無線局のある船舶、若しくは航空機が外国へ出港しようとするとき。
d)その他、電波法の施行を確保するため特に必要があるとき。







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