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(4)糸満売りとソテツ地獄
 第一次世界大戦後の経済恐慌(けいざいきょうこう)の波を受けて、沖縄各地の農村は深刻な打撃を受けました。このような状況の中で10歳前後の多くの子どもたちは、糸満に「売られて」いきました。「糸満売り」とは、糸満漁民のもとに、前借金と引き換えに子どもたちが年季奉公に出されることをいいます。このような子どもたちは、ヤトゥイングヮ(雇われ子)と呼ばれていました。
 ヤトゥイングヮたちは、男子は漁業、女子は機織、カマボコ屋、漁家の炊事や子守り、魚売りの手伝いなどの仕事をしました。ヤトゥイングヮたちが売られた先は、糸満に限らず、石垣島の登野城、新川、小浜島の細崎など糸満漁民が定着した沖縄各地に広がっていました。
 
参考資料:坂本万七写真研究所所蔵資料







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