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海外運輸 2003年6・7月 141号

 事業名 基盤整備
 団体名 海外運輸協力協会 注目度注目度5


3. タンナ島
 面積665km2、人口10,500人。ポートビラより定期便が、毎日2便運航している。エファテ島、サント島に次いで旅行者が多い。インフラの整備が遅れており、島の中心であるレナクルの街の一部を除いて、舗装された道はない。電気は、レナクルの街だけに供給されているが、その他の地域は、自家発電に頼っている。電話は無線で、ほとんど普及されていない。ヴァヌアツで、最も原始的な生活が見られる島である。ニューカレドニアから航空機で30分と近いことから、ヌメアからの定期便開設を検討している。
 観光資源としては、野生の馬が生息し、走っている姿が見られる白い草原、標高180mの活火山で、もっとも簡単に登れる火山として知られているヤスルー火山(Yasur Volcano)、伝統的な生活、文化や踊りが見られるヤケル村(Yakel Custom Village)等がある。
 
(タンナ島:伝統的な生活を営むヤケル村の人々の踊り)
 
(タンナ島:ヤスルー火山)
 
4. ペンテコスト島
 人口13,000人、面積438km2。南北に細長い島で、南北に63km、東西に長いところで12kmとなっている。西側は、平坦な地形となっているが、東側は、標高947mのVulmat山を頂点に、山脈が続いている。
 住民の多くは、北西部海岸線に沿った丘陵地や南部海岸沿いに暮らしている。東部は、山間地で、年間4000mm以上の多雨地帯のため、殆ど無人地帯となっている。
 主要産業は、農業とランドダイビング(Nagol)による観光である。
 殆どの旅行者は、ランドダイビング見学を目的とし、ポートビラからの1日ツアーで訪れる。ランドダイビング(Nagol)の会場へは、空港からの道が悪い為、ボートでの移動となることが多い。
 
Nagol: 毎年4月上旬から6月にかけて、その年のヤムの収穫時期に行なわれる。通常、最高が18から23mの高さの木の塔を一つ建てる。1日か2日かけて、男性と少年が、塔からジャンプする。この儀式は、来年の豊作を確保するために必要とされている。ペンテコスト島の南部の幾つかの村で行なわれている。現在は、観光用に行うダイビングがあり、毎週1回、土曜日に行なわれる。バンジージャンプの原型である。
 
観光開発、観光振興の課題
 
 毎年堅調に伸びていたヴァヌアツへの旅行者数は、2000年をピークに下落傾向にある。政府は、現在タスクフォースを組織し、早期回復の対策を検討している。
 
 短期的な対策としては、主要旅行市場であるオーストラリアからの航空座席数を需要に合わせて、増強することである。エア・ヴァヌアツ、ヴァン・エアとも、新機材の導入を検討しているが、先ずは、国の観光政策として航空座席供給計画を作成し、そして両航空会社と協議して実施していくことが重要である。
 次に長期的観点からは、下記の課題への対策が必要である。
 
(1)観光における社会基盤、施設の整備・改善
 地方、離島において、道路、空港、港湾、地上交通機関、そして、電気、水道等基本的な社会基盤が整備されていないため、観光開発の大きな障害となっている。地方経済開発の為には、観光開発計画に基づいた確実な整備、改善の実施が必要である。
 
(2)新しい観光市場の開発
 現在のヴァヌアツへの旅行者は、近隣のオセアニア市場(市場シェア:オーストラリア60%、ニュージーランド15%)に偏っている。長期的には、日本、アジア、欧米市場の拡大を目指し、新たな市場のニーズにあった観光商品の開発とマーケティング対策が必要である。
 
(3)観光産業での人材育成
 ヴァヌアツの観光業を担う経営者、上級管理者、高度な技術を持つエンジニアやレストランのシェフは、未だに、オーストラリア、ニュージーランド、欧米からの人材に頼っている。今後の発展には、ヴァヌアツ人の自らが観光産業をリードし、運営していけるように、ヴァヌアツ人の人材育成対策が必要である。
 
(4)自然環境、伝統文化保護
 観光開発によりポートビラ近郊の環境汚染と、離島地域での自然環境の破壊、伝統文化、伝統的な社会規範の崩壊が危惧されている。持続的な観光発展の為には、観光資源である自然環境及び伝統文化を保護し、維持する対策が必要である。また、環境や伝統文化に配慮したエコ・ツーリズムの推進が望まれる。
 
観光立国を目指す仲間たち
 約1年半、ヴァヌアツ政府や観光業の人達と共に仕事をして感じることは、カウンターパートの皆がとても明るく、楽しく仕事をし、将来に対しての前向きに取り組んでいることである。涙もろい観光開発局のバーニ局長、時間にとらわれない開発担当のロバート、いつも元気だがカヴァにめっきり弱い人材育成担当のジミー、政府観光局では、何でも引き受ける肝っ玉母さんのカルポイ局長、いつも夢想している情報担当のパトリック、そして、誰も笑わない親父駄酒落を乱発するサウスパシフィックツアーズの柄澤さん、それぞれが、自分たちの目標に向って、自らの手で切り開くことの誇りと喜びを持っているようである。これが、ヴァヌアツ流「Pacific Way」なのであろうか。
 1980年に独立、自らの手で行う国の運営の難しさや自立することの苦しさを味わって、ようやく政治、経済、社会的にも、安定した国となってきた。
 観光の分野でも、まだまだ多くの課題はあるが、彼らと彼らの仲間がいる限り、きっと、その「Pacific Way」で、観光立国への道を開拓してくれるだろうと確信している。
 
(水上コテージ)







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