日本財団 図書館


<寄稿>
南太平洋の魅惑の国、ヴァヌアツ(その1)
玉木 栄一
 
 かつて作家森村桂さんの体験記、「天国にいちばん近い島」で一躍注目をあび、いまでも日本のハネムーナーに人気のある南太平洋のニューカレドニア、その直ぐ北隣に、ヴァヌアツと言う国があります。森村桂さんが、ニューカレドニアに滞在していた頃は、まだ、英国、フランスの共同統治領で、「ニューヘブリデス」と呼ばれ、欧州からの旅行者は、むしろフランスの小さな街の雰囲気を持つ、ヴァヌアツの首都のポートビラでの滞在を楽しんでいたと言われております。
 1980年に、英仏共同統治領から独立し、国名は、現地の言葉で、「永遠の土地」を意味する「Vanuatu」に変わりました。
 最近では、その独特な火山島の景観や伝統的な慣習と欧米文化が共存するユニークな国として、「南太平洋の魅惑」と呼ばれ、オーストラリアや欧米からの観光客や大型クルーズ船やヨットで訪れる人々で、賑わっております。
 日本でも、ジェームス・ミッチェナーの小説「南太平洋」、そして映画、ミュージカルでも紹介されたものですが、まだ殆ど知られていない国の一つではないかと思います。
 さて、筆者は、2001年8月に、JICA専門家として、フィジー諸島共和国に派遣され、観光開発・観光振興に関するアドバイザーとして、フィジーの他、ヴァヌアツ共和国とトンガ王国での仕事を行っております。
 
 この度は、この紙面をかりて、担当する国の中で、日本では最も馴染みの薄いと思われるヴァヌアツを紹介していこうと思います。
 
<基本情報>
(1)正式国名:ヴァヌアツ共和国
(2)首都:ポートヴィラ(3.6万人)
(3)面積:12,189km2
(4)気候:亜熱帯性気候
(5)人口:196,178(2002年)
人口密度16.9/km2
(6)人種構成:メラネシア系93%、英仏2%、中国系、ヴェトナム系等
(7)言語:公用語はビシュラマ語(ピジン英語)、英語、仏語
(8)宗教:ほとんどがキリスト教徒
(9)通貨:ヴァツ(Vatu)
1米ドル=140ヴァツ
(10)生産(GDP):2億4千5百万米ドル(99年)
(11)1人当たりのGDP: 1,399米ドル(99年)
(12)政治体制:共和制
 
首都 ポートビラ
 
 
日本からのヴァヌアツへの行き方
 日本からヴァヌアツへは、直接乗り入れている航空会社がないので、日本からの直行便のあるニューカレドニアのヌメア、オーストラリアのシドニー、ブリスベン、またはフィジーのナンディから乗り継いで、首都のポートビラに入るのが一般的である。
 ニューカレドニアへは、エア・カリン(エア・カレドニア・インターナショナル)が、成田とヌメア間に週5便、関西空港とヌメア間に週2便運航している。ヌメア/ポートビラ間は、1時間のフライトで、現在は、エア・カリンが週2便の運航を行っている。
 オーストラリアへは、日本航空とカンタス航空により、成田以外にも関空、名古屋から、殆ど毎日運航されている。ポートビラへは、エア・ヴァヌアツが、シドニーから週4便、ブリスベンから週3便運航しているので、乗り継ぎの良さでは、オーストラリアからのルートが、便利である。
 日本からフィジーまでの直行便は、成田からエア・パシフィック航空が、週3便運航している。フィジーのナンディからポートビラまでは、約1時間のフライトでエア・パシフィックとヴァヌアツ航空の共同運航便が週2便運航している。
 
 

※JICA派遣フィジー、ヴァヌアツ、トンガ観光開発専門家







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION