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<国土交通省(運輸)関係>
1. 「日−ASEAN交通政策ワークショップ」の開催について
 我が国とアセアン各国との交通分野における連携を強化するため、5月7日、東京で「日−ASEAN交通政策ワークショップ」を開催し、我が国及びASEAN10ヶ国の代表の間で、今後進める具体的な協力プロジェクトについての協議が行われた。
 
1. 出席者:ASEAN各国代表者(交通担当省の次官・局長級)及びASEAN事務局
(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)
日本側からは、中本大臣官房審議官他が出席。
 
2. 主な協議・合意事項
(1)各国から提案のあったプロジェクト案について審議した。(各プロジェクトについては次頁参照)
・このうち、アジア共通スマート・カード、次世代航空システムの導入等のプロジェクトについては実施に向けて作業計画を作成する等、各プロジェクトについて実務レベルで必要な検討を進めていくこととした。
・最終的には、本年秋に開催される第1回「日−ASEAN交通大臣会合」(ミャンマー)において、実施するプロジェクトを正式に採択する予定。
(2)この他、交通バリアフリー対策(日本)、IT技術の公共交通への応用(日本)、交通安全対策(タイ)について意見交換を行った。
 
3. 経緯等
・昨年1月、小泉総理がASEAN歴訪時に「日−ASEAN包括的経済連携構想」を提唱した。
・これを受け、国土交通省では、諸経済活動を支える交通分野におけるASEANとの連携を強化することとし、昨年9月、ジャカルタで第1回「日−ASEAN交通次官級会合」を開催、日−ASEANの交通分野における連携の強化、第1回「日−ASEAN交通大臣会合」の開催(本年9月、ミャンマー)等について合意した。
今後は以下のような分野において積極的に協力していくこととした。
(1)国際物流の円滑化
(2)海上交通の安全、海洋汚染の防止の促進
(3)航空の安全性、効率性の向上
(4)その他最新技術の応用による環境及び安全確保のための施策等
 
・今回の「日−ASEAN交通政策ワークショップ」は、連携を具体化するための協力プロジェクトについて協議したものである。
 
日ASEAN交通連携プロジェクト候補リスト
事項 概要 備考
日ASEAN物流ネットワーク改善計画 現地日本企業等にインタビューすることにより、ASEAN諸国における国際物流の具体的ボトルネックを調査し、その改善計画を策定し、これを実施する。  
日ASEANトラック・サービス標準化 日ASEANにおけるトラック・サービス(梱包方法等)についての標準化を図る。 タイ提案
次世代航空保安システム 日ASEAN域内(特にインドシナ半島)における次世代航空保安システム(新CNS/ATM)の導入のため、新システムの費用・便益、導入に向けての課題を検討し、速やかな導入を実現する。  
CNS/ATM人材育成協力 比マニラ航空保安大学校において、ASEAN諸国を対象にしたCNS/ATMに係る第3国研修を行う。 ASEAN・フィリピン提案
日ASEAN船員政策フォーラム 船員関係条約の実効性担保、ILO統合条約への対応等、日本とASEAN諸国の間で船員政策の調整を図る場を創設する。  
日ASEAN海事セキュリティー・プロジェクト 海事セキュリティー強化に係る日ASEAN各国の対応方策・体制整備等について情報交換等を行う。 ASEAN提案
日ASEAN海事セキュリティー人材育成協力 海事セキュリティー(ISPSコード)に関し、必要となる各専門職(company/ship/port security of officer)の研修の実施について協力する。 シンガポール提案
日ASEAN港湾セキュリティー協力 海事セキュリティー(ISPSコード)に関し、ASEAN各国内の港湾セキュリティーに関する人材育成に対する支援を行う。 インドネシア提案
日ASEANクルーズ振興構想 日ASEAN域内でのクルーズを振興するため、市場の分析、みなと街観光を含む観光資源の活用等の振興方策に関する共同調査、セミナーの開催等を実施する。  
日ASEAN高速海上輸送網 日ASEAN海域における既存の船舶より高速型の船舶(例えばTSL)を利用した新たな海上輸送網についてのF/S調査を行う。  
ASEANメガ・フロート普及推進計画 ASEAN域内(シンガポール等)において大型浮体施設(メガ・フロート)普及推進のための各国の浮体施設へのニーズ、環境条件等の調査を実施する。  
日ASEAN港湾技術連携事業 ASEANの沿岸域開発にかかる技術基準の共通化を目的として、セミナーの開催、研修等技術連携を推進する。  
日ASEANコースト・ガード設立協力 海上保安庁をモデルにして、ASEAN内のコースト・ガード設立支援のための協力を行う。 インドネシア提案
日ASEAN共通交通ICカードの導入・普及 東アジア地域で共通に利用できる交通系非接触ICカード導入促進のため、シンガポール等と共通カードの導入・普及に向けたセミナーの開催、実証実験の実施、今後の共通戦略の策定等を行う。その成果は全ASEAN加盟国で共有し、この地域全体の共通スタンダード化を推進する。  
日ASEAN ITS開発 これまで日本の協力を得ながら進めてきたASEANのIST開発フレームワークを、引き続き日ASEAN連携プロジェクトとして実施する。 シンガポール提案
安全で環境にやさしい自動車プロジェクト 自動車の安全・環境対策に関するセミナーの開催、共同研究、政策協調等により、ASEAN諸国における安全・環境対策のさらなる推進を図る。  
ASEAN道路標識標準化 ASEAN諸国の道路標識・信号等の標準化を図る。 タイ提案
道路安全広報 道路安全に関する広報・啓蒙活動を推進する。 インドネシア提案
道路事故調査人材育成 自動車事故の原因究明、特に自動車の構造上の問題に起因するものについて調査する人材を育成する。 シンガポール提案
ASEAN鉄道再生事業 ASEANの都市間(都市)鉄道について、既存インフラを活用しつつ、より高速度・高密度の列車運行を可能にするため、我が国鉄道の技術協力を推進する。  
都市公共交通政策 都市部における公共交通機関の利用促進を図る。 インドネシア提案
日ASEAN交通政策行政官トレーニー制度 ASEAN新加盟4ヶ国(CLMV)の行政能力向上のため、課長・課長補佐級行政官(幹部候補)を国土交通省に招聘して研修を行う短期間トレーニー制度を創設する。  
 
2. 国土交通省関係人事異動
新職 氏名 旧職
平成15年4月1日付    
総合政策局観光部国際観光推進課長(新設) 甲斐正彰 総合政策局国際協力課長
総合政策局国際業務課国際協力官 伊崎朋康 総合政策局国際協力課国際協力官
総合政策局国際業務課国際協力官 大越康史 総合政策局国際協力課国際協力官
総合政策局国際業務課国際協力調整官 志賀達也 総合政策局国際協力課国際協力調整官
総合政策局国際業務課国際協力政策企画官(新設) 竹田聡 海事局海事産業課国際海上輸送企画官
総合政策局国際業務課長補佐 森木亮 総合政策局国際協力課長補佐
総合政策局国際業務課専門官 田村道雄 総合政策局国際協力課専門官
総合政策局観光部国際観光推進課長補佐 鈴木史朗 総合政策局観光部企画課長補佐
総合政策局観光部国際観光推進課長補佐 内山正人 航空局飛行場部管理課長補佐
総合政策局観光部国際観光推進課長補佐 住吉清 総合政策局観光部企画課長補佐
総合政策局観光部企画課課長補佐 小関政男 総合政策局観光部企画課企画調査室課長補佐
総合政策局観光部国際観光推進課専門官 狩野公伸 総合政策局観光部観光地域振興課観光レクリエーション計画室専門官
総合政策局観光部国際観光推進課コンベンション振興指導官(新設) 金信男 総合政策局観光部企画課コンベンション振興指導官
(平成15年4月15日付)    
外務省欧州連合日本政府代表部一等書記官 森田真弘 総合政策局国際建設課国際建設市場調整官
外務省在フランス日本国大使館一等書記官 瀧澤謙 大臣官房人事課長補佐
(平成15年4月16日付)    
外務省在カナダ日本国大使館参事官 河野春彦 航空局監理部付
(平成15年4月17日付)    
総合政策局国際建設課国際建設市場調整官 吉田恭 外務省欧州連合日本政府代表部一等書記官
(平成15年4月26日付)    
海事局検査測度課付 川村竜児 外務省在ハンブルグ日本国総領事館領事
(平成15年4月30日付)    
大臣官房人事課長補佐 米津雅史 外務省在ニューヨーク日本国総領事館領事
(平成15年5月1日付)    
外務省在ラス・パルマス日本国総領事館領事 高嶺研一 海事局総務課付
(平成15年5月25日付)    
派遣(インドネシア共和国) 神長耕二 大臣官房付(前北陸地方整備局金沢工事事務所長)
外務省在英国日本国大使館一等書記官 植村忠之 海事局総務課付
(平成15年5月26日付)    
外務省経済協力開発機構日本政府代表部一等書記官 瓦林康人 大臣官房付(前総合政策局交通計画課企画調整官)
外務省在イタリア日本国大使館一等書記官 土肥豊 大臣官房人事課付(前航空局飛行場部新東京国際空港課整備推進調整官)
外務省在ドイツ日本国大使館一等書記官 森宏之 大臣官房人事課付(前日本貨物鉄道(株)総合企画本部経営企画部グループリーダー)
外務省在カナダ日本国大使館一等書記官 石谷俊史 大臣官房人事課付(前海事局海事産業課長補佐)
外務省在スペイン日本国大使館一等書記官 坂巻健太 大臣官房人事課付(前総合政策局観光部旅行振興課長補佐)
外務省在中華人民共和国日本国大使館一等書記官 服部真樹 大臣官房人事課付(前海上保安庁総務部政務課専門官)
 
3. 国土交通省関係専門家派遣状況
氏名(所属) プロジェクト名 派遣国 出国日 帰国日
【JICA短期】        
引間 俊雄 (独立行政法人 海技大学校) 配電盤シミュレータ教育 ヴィエトナム 15.5.5 15.5.23
奥田 成幸 ( 〃 ) 海事研究(航海) 15.5.19 15.6.6
八木 守一 ((財)日本海事協会) 船舶安全管理制度 フィリピン 15.5.22 15.7.9
竹本 康祐 (中部運輸局) 危険物船舶運送
合川 徹郎 ((社)海外鉄道技術協力協会) 都市内旅客鉄道車両の最新技術 ブラジル 15.5.14 15.5.25
【JICA調査団】        
高橋 俊晴 (鉄道局) ポーランド国国有鉄道民営化
計画調査(第1年次)
フィリピン国船舶検査能力向上計
画プロジェクト終了時評価調査
グァテマラ国国際空港改善・新設計画調査(第1年次)
ポーランド 15.3.14 15.3.22
長谷川 修 ( 〃 )    
澤山 健一 (海事局) フィリピン 15.5.6 15.5.14
岡田 光彦 (航空局) グァテマラ 15.6.5 15.6.14







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