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ウォーキング
B&G AQUA MOVEMENT
ライフサポート運動プログラム
ウォーキングプログラム
■概要
 アクアウォーキングは、「歩く」という日常生活の基本的な動作を水中で行うプログラムです。水の特性(水圧・浮力・抵抗・水温)を利用して、理想的な有酸素運動を行い、呼吸・循環機能の向上、下半身や腹筋の強化にも有効です。
 一般に中高年は筋力が低下し、関節の可動範囲が狭くなるため、簡単な動作を組み合わせたり、水の特性を生かして、ジャンプやランニングといった陸上ではできない運動を行います。アクアウォーキングは慣れてくると誰にでも簡単にできるので、体力・運動能力に応じて自分自身で負荷量を調整しながら行えるようになります。
 導入期は参加者の年齢や水に対する恐怖心を配慮して、軽い(ゆっくり、休みながら歩く)運動から始めます。また、水の抵抗を少なくするために、上肢を水上に出して歩きますが、その後は上肢を水没させたり、手のひらの方向を変えて水の抵抗を増やすようにしていきます。
 
■準備
・4m×10mのエリアを使用する(人数に応じて変化させる)
・移動する範囲がわかるように、目印(コーン、ビート板など)を設置する
・緩やかなテンポの音楽を使用する
 実際に使用しているCDの紹介
「ニュー・レッツダンス:日本のうた」(日本コロムビア株式会社)
「レッツ・ダンス:チャ・チャ・チャ専科」(日本コロムビア株式会社)
 
■プログラム構成
<前歩行>
背筋を伸ばし、腕をしっかり振ってかかとから着地し、前に歩く
 
<後ろ歩行>
お尻を先行させ後ろ向きに歩きます。体重は前の方にかけ、かかとで床を押しながら歩く
 
<横歩行>
背筋を伸ばし、足を左右に開きながら横向きに歩きます。股関節の開き具合を自分で調節しながら無理をしないように歩く
 
<複合歩行>
前歩行・後ろ歩行・横歩行を組み合わせて行います。音楽や声に合わせることでリズムを取りながら歩くことができる
 
<障害物歩行>
障害物を使い歩行条件を変えて、上ったり避けたりしながら歩く
 
 水中の動きに慣れてきた頃から、前方向だけでなく後ろ、左右、斜めの方向に歩いたり、ジャンプや走ったりという運動を加えていく
 
 
■注意事項
・運動中は、身体の動かし方や動く方向などが参加者によく分かるように、指導する位置や指導方法に注意する。特に歩き方の模範は参加者と同じ方向を向いて行う
・運動経験や体力などの個人差を配慮して、参加者が自分にあったペースで行うように指導する
・良いところを見つけて褒め、達成感を感じさせるようにする
・音楽に合わせて楽しみながら行う
・水深は、1m程度が好ましい
(水深が深いと移動し難いので、プールフロアーなどで調整する。また、浅すぎると負荷が大きいので、運動内容や移動方法を調整する)
 
ウォーキングプログラム
前歩行
ねらい 前歩行を中心に、水中で歩く動作に慣れ、楽しさを感じる
動作 内容 ポイント
<基本姿勢> (1)背筋を伸ばす
(2)かかとから着地し、つま先まで足の裏をめくるようにしっかり歩く
(3)自然に呼吸を行う
(1)あごを引き、視線は遠くを見るようにする
上半身を上に引きあげるように意識する
(2)すり足にならないようにする
かかとが着く度に、胸まで入水する
(3)呼吸を止めないで歩く
1 つたい歩行 (1)プールサイドにつかまりながら、普段の歩幅で一方向にゆっくり歩く  
2 前歩行 (1)軽く手を振りながら、普段の歩幅で歩く (1)一方向に水流ができてきたら、合図で歩く方向を変える
水圧で前に進まない感覚を体験し、それが運動になることを説明しながら行う
3 腕の動作 (1)停止し脚を前後に開いて、その場で腕をしっかり動かす
(2)歩きながら、腕を振る
(3)両手で水をかきながら歩く
(1)水を肘で後に押すようにし、拳は水面から出す
リズムを変化させる(遅→速→止)
(3)両腕全体で、前から後ろに水を押す
4 前歩行
(歩幅・速度変化)
(1)大股で歩く
(2)小股で歩く
(3)速度や歩幅を変えながら歩く
(例:遅→速、大股→小股)
(1)背筋を伸ばし、肩が水に入るように重心を下げる
(2)膝を伸ばしながら歩く
(3)水圧や抵抗に対しバランスをとりながら、声をかけ前向きに歩く
例:動作に合わせて「ヨイショ、ヨイショ」など
5 蛇行歩行
(1)ポイントタッチ
(2)ジグザグ歩き
(1)ポイントをタッチしながら歩く
(2)ポイントの間を、ジグザグに歩く
(1)ポイントを順番にタッチしたり、指定された色をタッチする
(2)ポイントは2m程度の間隔をあける
さまざまな向きに発生した渦を抵抗にする
AW-1
 
<注意事項>
・入水後の顔色や動きなどを注意して観察する
・腕の動作をしっかり行うことで、運動強度があがり、心拍数があがる(年齢・体力に合わせて調整する)
・腕の動作は、3を除いて自然な動きで歩く
 
<負荷量>
・運動時間は、20〜30分程度
・各動作25m、2〜3回程度
 
3-(2):歩きながら腕を振る
 
3-(3):両手で水をかきながら歩く







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