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私はこう考える【教育問題について】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1990/11/21 毎日新聞夕刊
[さま変わり91入試]7人に1人が私立中学校 説明会に父母殺到
 
 私立中学校の受験生が来春、急増しそうだ。東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏一都三県での実受験者数は今春より一五%近く多い計五万五千人にのぼるとの予測もあり、七人に一人が私立中を受験する時代になる。この過熱ブームを背景に、進学塾などの動きも活発化。一方で、公立小、中学校教育への影響が大きくなり始めた。
 今月初旬。東京都港区にある私立中で開かれた学校説明会は熱気が渦巻いていた。
 「進学率は一〇〇%です。出身者の東大合格者は……」「昨年の本校合格者最低点は……」。進路部長が進学先、入試アドバイスを口にするたびに、講堂を埋めた千五百人の父母は反射的にペンを走らせた。説明会終了後も三十人近くが教頭を取り囲み「補欠は全員入学できますか」「転勤して戻ってきたらまた入れていただけますか」。
 この春、四都県の小学校の卒業生数は前年に比べ三万人以上減り、来年春はさらに減って約三十九万八千人と推計される。しかし、受験業者がはじく首都圏約二百二十校の私立中受験者数は増加の一途だ。掛けもち受験が多く、実受験者数の把握は困難だが、大手塾の「日能研」(本部・横浜市)は、同塾のこの秋の模試受験者数が三割近く伸びていることなどから、実受験者数は五万五千人と予測する。約二万人がどこにも入れない“狭き門”という。
 私立中の受験について、公立小学校は関与の方法が難しい。進路相談、指導、すべて塾が行うことになる。志望校選びも塾の教師の指導に負うところが大きい。私立中としてもよりよい生徒に来てもらうためには塾との太いパイプが必要だ。このため多くの私立中は父母を対象にした学校説明会だけでなく、塾の関係者を対象にした説明会も実施。また、各塾の教室を一つ一つまわって、生徒の志望校選びに大きな影響を与える塾教師に説明する“営業”活動が活発化している。
 来年四月から中学校を再開する北区の私立校は塾関係者約四百五十人を集め説明を行ったほか、リストアップしている塾約三千五百校のうち、これまでに二百校近くを回った。
 地区ごとに塾と私立中学校などの関係者が集まる「懇親会」も盛ん。その一つ、千葉地区の塾が集まる「北斗会」幹事、創開ゼミナール塾長、小林和光さんは「こうした会は五、六年前からでき始め、昨年、今年と相次いでできた」と言う。「私立の学校と塾の癒着ではない。塾の教師としても偏差値で単純に子供を振り分けるだけでなく、校風など一人ひとりの子供にあったものを知る必要がある。懇親会はその絶好の機会」と小林さん。
 過熱する私立中学受験。このブームの背景として中学受験塾の大手、四谷大塚進学教室(本部・東京都)の石田温則企画部広報課長は(1)文部省のうたう「ゆとり教育」への不安や疑問(2)私立が中高六年間の一貫教育で大学進学実績をあげている(3)子供の数が減り、平均収入がアップ――などをあげている。
 神戸市の灘中学校はこの春、学力試験は合格でも小学校の欠席日数が多過ぎると、四人の受験生を不合格にし波紋を広げた。このほか都内では「いったいどれだけの生徒が公立中に来るのか絞れず、新年度の学級編成に頭が痛い」との声が聞かれる地域も出ている。


 
 
 
 
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