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資料編6
 
付章に示した検討事項に関する資料一覧
 
 
第7回・第8回「誘導・警告ブロック改善検討会 議事録
 
第7回 誘導・警告ブロック改善検討会 議事録
 
1. 日 時 平成14年5月10日(金)14:00〜16:00
 
2. 場 所 弘済会館1F「葵(東中)」
 
3. 出席者(敬称略)
 
【委員】
末田委員長(徳島大)、田内委員(岡山県立大)、加藤委員(日本ライトハウス)、笹川委員(日本盲人会連合)、田中委員(日本点字図書館)、有山委員(JR東日本)、清水委員(東武鉄道)、荒川委員(都交通局)、四ノ宮委員(鉄道総研)
【オブザーバー】
村田、輪笠(以上 国土交通省)
【事務局】
鈴木、藤浪、水上、青木(以上 鉄道総研)、岩佐、藤田(以上 交通エコモ)
 
4. 提出資料
 
・資料7-0 第6回 誘導・警告ブロック改善検討会議事録(案)
・資料7-1 平成14年度実施計画(案)
・資料7-2 混合ブロックのホーム縁端からの距離の上限値(敷設範囲)についての検討(案)
・資料7-3 狭小幅の島式ホームにおけるブロック敷設間隔の下限値を決定するための実験について(案)
 
5. 議事概要
資料7-0 第6回誘導・警告ブロック改善検討会 議事録(案)
 第6回誘導・警告ブロック改善検討会の議事概要が事務局から説明された。質疑は特になかった。
 
資料7-1 平成14年度実施計画(案)
 平成14年度実施計画(案)が事務局から説明された。質疑は特になかった。
 
資料7-2 混合ブロックのホーム縁端からの距離の上限値(敷設範囲)についての検討(案)
 資料7-2ついて討議が行われた。主な論点は(1)ブロック実態調査の内容と方法、(2)ブロック敷設位置の考え方と実験、(3)その他(混合ブロックの名称)についてであった。
(1)ブロック実態調査の内容と方法
・ブロックの敷設位置について、事業者ではどのようなルールで敷設しているのか。
→特別な規定はない。ガイドラインに従って80cm以上で敷設している。
→社内では、ガイドラインに従って、基本的には80cm程度のところに敷設している。ただ、詳細な敷設位置のデータはない。コの字の場所などは別途例外的に敷設している。この種の調査は広い範囲で調査すべきである。
→当社では80cmと100cmからの敷設になる。
・どの程度の調査なら可能だろうか。例外的なブロック敷設位置はわかるだろうか。
→社内におけるルール的なものならすぐにわかると思う。ただ、例外的な敷設位置については各担当者の頭にどの程度入っているかで異なる。
・範囲を決める時に、どれくらいの事業者の敷設ルールとバッティングするのかという問題があるので、現状調査では、標準的な敷設位置のデータベースを作成したい。それに加えて、特別な敷設事例などが集められれば、今後、問題を検討する際に役立つと思う。全ての駅を網羅して何%の駅でこのような敷設方法をしているというようなデータを得るのは無理である。
・事務局から国土交通省を通して、鉄道事業者に対して調べてもらうというのは可能か。
→全事業者を対象にあまり細かくない内容で調査するなら、鉄道局が地方運輸局を使って調査したほうがやり易いし、早いと思う。
→鉄道総研に一次案を作ってもらい、委員の皆様に見てもらうということで良いか。
→(事務局)そのように対応する。
(2)ブロック敷設位置の考え方や実験について
・阪急伊丹駅ではブロック上からどこまで行っても縁端が出てこないと感じる。
→ホーム幅に余裕があるから縁端距離を大きくとってしまうという問題もあるということである。
→別のケースとして、地下鉄駅では柱が大きく、それとブロックがぶつかることを避けるために縁端から大きく離しているものがある。
→縁端が広いものに慣れてしまうと狭い方で距離を誤認して転落するケースが考えられる。それが怖い。だから、その可能性を重くみた方が良いのではないか?
→(事務局)確かに余裕のある所では縁端距離が大きく、余裕のない駅では縁端距離が小さいというルールはおかしいという立場で検討してきた。平成12年度の実験で明らかになった「ブロックを踏んでから停止するまでの距離」から考えれば80cmと強く打ち出すこともできる。「80cmから120cm」のような推奨範囲を実験で求めるのも困難であり、哲学的な話になってくると思われる。その辺をどうするか議論したい。
→80cmを下限値として、それと弁別できない範囲をルールとして示すという案もある。
→事業者によっては、120cmを標準としているところもあるかもしれない。その場合は範囲を決めるとその事業者がそれまでにやってきたことを否定することにもなりかねないので、その点を考えて慎重に進めることが必要であると思う。
→列車を待つ時に、列車の動静や扉の開閉に気づくためには80cmから100cmでもぎりぎりである。
→縁端からの距離を大きくとると、縁端側の領域を歩くことを助長してしまう心配がある。その点から考えれば、80cmからの上限はかなり狭い範囲にすべきだと考える。常識的には100cmか、120cmがせいぜいであり、それ以上は検討する必要もないと思う。
→原則は縁端から80cmや100cmの位置にブロックを敷設する。霞ヶ関駅のような場合は、縁端のブロックはそのような位置に敷設して、あとは委員会で対象としていない誘導をどうするかという問題になると思う。
・実験はどうするか。80cmと100cmを見分けられるかという実験でよければ、そういうものを組むか。
→事業者調査で80cmとか100cmに集約されれば、それを確認する実験をすればよいと思う。
  調査結果がばらつくようなら、そこで実験を考え直す方向で考えさせて欲しい。
→アンケート調査の結果を受けて、80cmと100cmあたりの違和感の有無に関する確認実験をするということになるか。実験案は委員会形式ではなく各委員に知らせることにする。
(3)その他(混合ブロックの名称)について
・混合ブロックの名称については、現在のところ仮称であるが、いつ決まるのか。
→(事務局)委員会で決めるのか、募集するのかを事務局で検討したい。
→委員会で決めるのなら次の委員会までに案を出して次回に検討することとしたい。
 
資料7-3 狭小幅の島式ホームの始終端におけるブロック敷設間隔の下限値を決定するための実験について(案)
 資料7-3について議論が交わされた。主な論点は、(1)実験方法、(2)ブロック敷設間隔の最小値とブロック未敷設領域をどうするかについてである。
(1)実験方法
・狭いホームに降りるということを予め教えておくのなら、線間ピッチが630mmや780mmの条件は不要だと思う。その間隔より小さくてもわかるだろう。
→(事務局)780mmの条件は確かに不要だろう。平成12年度の結果では歩幅の最大は67cm程度であった。靴のサイズ27cmを引いても40cmは平な部分が必要だと思う。従って、480mmの条件があれば良いと思うが、もう一つ上の条件もとっておきたい。
・ブロックが「ある―なし―ある」の部分をしっかり確認するのなら、混合ブロックを使うと線状突起と点状突起のどちらが効いているのかという問題も入ってくるので、混合ブロックではなく点状ブロックにするのはどうだろうか。ダミーとして、幅の広いブロックを入れるという考え方もあるのでは。
→(事務局)足の裏の知覚実験自体は重要だが、今回の実験は、狭小ホームで混合ブロックを今後敷設していく時に、間隔をどうするかということに絞っていきたい。
・180mmの条件で、2列だと検知できないということはデータとしてとるのか。
→(事務局)1列と認識した場合は、歩き続けるので実験者が止めてその理由を伺うことになる。
→180mmで突然そのケースが出現する可能性がある。
→180mmでしか不正解が出ないようであれば、その中間が見られなくなるので、線間ピッチとして330mmしか採用できなくなってしまう。
→(事務局)ブロックのカットの仕方や実験場での工事を工夫する必要はあるが、100mm、200mm、300mm、400mm、500mmなどとすることも検討したい。間隔の問題は再検討して、委員の方に再度相談したい。
・両ブロックの隙間が少ないと連続性があると思われ、ホームの方向を誤認されるのが恐いので本来は間隔をかなりとるべきだと思う。従って、条件として100%が続くということも重要なのでは。狭いところで差が出たからそれを採用して良いということになるのか。
→本実験の目的はどこまで敷設するかということである。確実にわかる間隔にすればするほど、狭い島式ホームで乗降口があるにも関わらずブロックが敷設されない箇所が増え、知らないでそこに降りると非常に危険なことになる。従って、今回はやむを得ず近付けて敷設できる最小間隔を求めるという方向なのではないか。狭いとどの程度の人がどのように間違えるかも捉えておくべきだろう。
・実験の具体的方法であるが触条件はどうするか。実験時間の関係もある。2種類行う必要があるか。
→停止するケースが出た場合にそのデータは使わないということにするか。人間にとって、「停止するな」というのも難しいと思われる。
→ストップと実験者が言うまで止まらないというようにしておくのはどうか。
→そのような歩き方は実際のホームではあり得ない。特に、狭いホームであると最初に言っておくことと違いが大きい。
・ブロックの確認方法はどちらか一方だけでも良いか。
→杖を使うのに止まらないというのは無理なような気がする。
→どちらにしても、歩行方法は立ち止まるのを許容すべきではないか。立ち止まらないとすると、より実際と異なるのではないか。
→ブロックの確認方法の歩き方は自由にして、止まる、止まらないは決めないということで良いか。
→注意深くやればわかるという考え方でいくことになるか。
→ただ、どこまで安全性の担保が出来るかが変わってくる。
→この場合の危険性を考えると、実はそこは狭いホームであるのに、広いホームだと思い込み、一列だと思って行き過ぎてしまうことが転落につながるのだから、狭いホームと最初から言っていいのか。
→ブロック敷設ルールを一般にアナウンスする際には、「充分に確認する必要がある」ということを盛り込んでおかなければいけない可能性はある。条件は緩くなるが、実態を考えてこうなったと言えるのであればこれで良いわけだが。
・忙しく、余裕がない状態を別の実験として組むことはできないか。
→今回は、最終確認試験的でもあるので、他の実験もできないとすれば、一番自然な状態でやるということで良いのではないか。
→個人差もあるので自由で良いのではないか。
→結論としては、白杖も使ってよいことにして、ブロックの確認方法も規制しないということにする。線間ピッチについては事務局で検討する。
・混合ブロックが1列と無しのダミーは必要か。
→被験者に失敗したと思わせないために、このような条件を作った。
→「ブロックなし」条件を無くし、もっと幅の広いブロックとする条件をダミーにして良いのではないか。
(2)ブロック敷設間隔の最小値とブロック未敷設領域をどうするかについて
・最小間隔が求まり、それ以上は敷設できない箇所が出来た場合に、事業者としてはどうすれば良いのかが問題になる。
→車両が止まるところで、ホーム幅が2mを切るところも皆無ではないと思う。
→その場合、ホーム縁端からブロックまでのマージンを60cm程度にすることも考えるべきなのか。
→そこは80cmは確保すべきだと思う。ここは、ブロックでは解決できず、他の方策をとるべきだろう。そこはこの委員会では検討しないということだが。
→ただ、それを行わないと本当に狭いホームではどうすべきかが決まらない。
→例えば、本当に狭いところは、他の方策、例えばゴムの敷設物を敷き詰めるなどの条件が確保されているのなら、今回の実験で求まる最小間隔までしか敷設しないということもあり得る。しかし、その結論が出せないのなら未敷設領域が生じ、それはもっと危険なのではないか。
・島式ホームで両ブロックの間隔が何cmのところまで敷設しているとか、両ブロックをぶつけているかなどの実態はわかるか。
→全駅で調査しないとわからない。社内でも異なるだろうから。
・<参考資料>については、非常に複雑な問題であるが、最終報告の際には何らかの方向を示す必要があるので、目を通して考えておいて欲しい。意見を今後頂きたい。
→残り1回の委員会しかないわけだが、最終報告で、図2の3例のうち、どれにするということを示すということか。
→本委員会では、図2の1番目の例しか示せないとも思うが。それともこの部分について結論を出さなければ意味がないだろうか。
→そこを示さないと、マニュアルで敷設されない部分が出来てしまうがどうするか。
→列車が止まる範囲は絶対検討した方がいいだろう。ただブロックではなく、フェンスを真ん中に設置するという案はどうか。
→3mを切ったホームでは、ホーム端から1.5mは連続した柵は作ってはいけないという規則がある。
→端に階段がある場合も含めて、最終決定ではないにしろ、何らかの方向を示すべきなのではないか。
・ブロックのマージンが800mmより短くても良いという案を認めないとすれば、誘導ブロックや警告ブロックを敷設するしかないのでは。狭いホームほど、ルールが厳しくなるのが問題があるとすれば。
→3番目の例は1番目の例と同じ条件だと思う。線ブロックが階段を誘導しているだけで、警告してないという意味では同じである。
→800mmのところに、誘導ブロックではなく警告ブロックを敷設することになるのでは。
→2番目の例は、何もない1番目の例よりはましではないかという考え方によるものである。
・混合ブロックの間隔やホーム縁端のマージンが少し狭くなっても混合ブロックを敷設するという案を採用するのでは、今回、実験する意味がないのではないか。
→今回の実験は、ホーム内方を知るために必要な最小の混合ブロック間隔を見つけるものであろう。
・図2の3つの例は各々長所・短所があるが、どれが一番害の少ない方策かという観点になるか。
・実験で求まる最小間隔より混合ブロックを近付けた時に、そこがある種、特殊な場所であることがわかるか否かという実験はできないか。
・事業者へのブロック敷設実態調査用紙や、実験の修正案などは、個別に委員に連絡させて頂く。
・本委員会としては、ブロックからホーム縁端までのマージンは、なるべく800mmに近付けて統一することが望ましいという方向でいくことにする。
・どこか実際の駅で混合ブロックを敷設してみることがPRの面を含めて望ましいと思われる。
  実際に試すと、車イス利用者の観点からの意見も出されると思われ、その点に関しても納得して頂くということも重要であろう。本委員会は9月一杯で終了するが、その試験のやり方を検討、調整していくべきであろう。
以上







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