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5. 雇用・就業
1). 基本方針
 雇用・就業は、障害者の自立・社会参加のための重要な柱であり、障害者が能力を最大限発揮し、働くことによって社会に貢献できるよう、その特性を踏まえた条件の整備を図る
2). 施策の基本的方向
(1). 障害者の雇用の場の拡大
(1)障害者雇用率制度を柱とした施策の推進
(略)
c. 精神障害者については、今後障害者雇用率制度の対象とするための検討を進めることとし、そのために、関係者の理解を図りつつ、精神障害者の把握・確認方法の確立、企業における精神障害者雇用の実態把握など障害者雇用率制度を適用するために必要な検討、準備を着実に進める。また、採用後に発病した精神障害者については、円滑な職場復帰や雇用の安定のための施策の充実を図る
(略)
(2)障害者の能力・特性に応じた職域の拡大
(3)障害者の働きやすい多様な雇用・就業形態の促進
(4)ITを活用した雇用の促進
(5)障害者の雇用・就業を行う事業の活性化
(6)障害者の創業・企業等の支援
(2). 総合的な支援施策の推進
(1)保健福祉、教育との連携を重視した職業リハビリテーションの推進
(2)雇用への移行を進める支援策の充実
(3)障害者の職業能力開発の充実
(4)雇用の場における障害者の人権の擁護
 
6. 保健・医療
1). 基本方針
 障害者に対して、適切な保健サービス、医療、医学的リハビリテーション等を充実するとともに、障害の原因となる疾病等の予防・治療が可能なものについては、これらに対する保健・医療サービスの適切な提供を図る
2). 施策の基本的方向
(1). 障害の原因となる疾病等の予防・治療
(1)障害の原因となる疾病等の予防・早期発見
(2)障害の原因となる疾病等の治療
(3)正しい知識の普及等
(2). 障害に対する適切な保健・医療サービスの充実
(1)障害の早期発見
(2)障害に対する医療、医学的リハビリテーション
(3)障害者に対する適切な保健サービス
(4)保健・医療サービス等に関する適切な情報提供
(3). 精神保健・医療施策の推進
 一般国民の心の健康づくり対策とともに、精神障害者に対する保健・医療施策を一層推進する
(1)心の健康づくり
a. 学校、職域及び地域における心の健康に明する相談、カウンセリング等の提供機会の充実を図る
b. うつ対策を中心とした自殺予防対策を講じる。また、職場における心の健康づくり体制を整備する
c. 唾眠障害を有する者のうち、特に治療を要する者に対する適切な相談体制を確保する。また、児童思春期における心の問題及び心的外傷体験を受けた者の心のケアに係る専門家の確保並びに地域における相談体制の充実を図る
(2)精神疾患の早期発見・治療
a. 精神疾患の早期発見方法の確立及び発見機会の確保・充実を図る
b. 専門診療科以外の診療科、保健所、検診の実施機関等と専門診療科との連携を促進するとともに、様々な救急ニーズに対応できる精神科救急システムを確立するなど、地域における適切な精神医療提供体制の確立を維進する
c. 精神医療における人権の確保を図るため、都道府県及び指定都市に対し、精神医料審査会の機能の充実・適正化を促す
d. 精神疾患について、患者の病態に応じた適切な医療の提供を確保し、患者・家族による医療機関の選択に資するよう、精神病床の機能分化、精神医療に関する情報提供、EBM(根拠に基づく医療)及び安全対策の推進を図る
e. 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対する適切な医療の確保を推進する
(4). 研究開発の推進
(5). 専門職種の養成・確保
 
7. 情報・コミュニケーション
1). 基本方針
 (略)
2). 施策の基本的方向
(1). 情報バリアフリー化の推進
(2). 社会参加を支援する情報通信システムの開発・普及
(3). 情報提供の充実
(4). コミュニケーション支援体制の充実
 
8. 国際協力
1). 基本方針
 (略)
2). 施策の基本的方向
(1). 国際協力等の推進
(2). 障害者問題に関する国際的な取組への参加
(3). 情報の提供・収集
(4). 障害者等の国際交流の支援
 
推進体制等
 
1. 重点施策実施計画
2. 連携・協力の確保
3. 計画の評価・管理
4. 必要な法制的整備
5. 調査研究、情報提供
 
III. 重点施策実施5か年計画(平成14年12月24日障害者施策推進本部決定)
障害者基本計画に沿って、同基本計画の前期5年間において重点的に実施する施策及びその達成目標並びに計画の推進方策を以下のとおり定める。
 
1. 重点的に実施する施策及びその達成目標
1). 活動し参加する力の向上のための施策
(1). 障害の原因となる疾病の予防及び治療・医学的リハビリテーション
(2). 福祉用具等の研究開発とユニバーサルデザイン化の促進
(3). 情報バリアフリー化の推進
(1)デジタル・ディバイドの解消
(2)情報提供の充実
(3)研究開発
(4). 欠格条項見直しに伴う環境整備
2). 地域基盤の整備
(1). 生活支援
(1)利用者本位の相談支援体制の充実
市町村を中心とした相談・支援体制の充実を図り、これを拠点としてケアマネージメント体制を整備する
(2)在宅サービス
a. ホームヘルパーを約60,000人確保する
b. ショートステイを約5,600人分整備する
c. デイサービスを約1,600カ所整備する
d. 障害児通園(児童デイサービス)事業を約11,000人分整備する
e. 重症心身障害児(者)通園事業を約2,800カ所整備する
f. グループホームを約30,400人分整備する
g. 福祉ホームを約5,200人分整備する
h. 市町村における社会参加促進事業を着実に推進する
(3)施設サービス
a. 通所授産施設を約73,000人分整備する
b. 施設サービスについては、通所施設の整備に努めるとともに、入所施設は真に必要なものに限定し、地域資源として有効に活用する
(2). 生活環境
(1)ユニバーサルデザインによるまちづくり
(2)住宅、建築物のバリアフリー化の推進
(3)公共交通機関、歩行空間等のバリアフリー化等の推進
(4)交通安全の確保
(5)運転免許取得希望者に対する利便の向上
(6)生活の安全の確保
3). 精神障害者施策の充実
 条件が整えば退院可能とされる約72,000人の入院患者について、10年のうちに退院・社会復帰を目指す。このため、今後、更に総合的な推進方策を検討する
(1). 保健・医療
(1)精神科救急医療システムを全都道府県に整備する
(2)うつ病対策、心的外傷体験へのケア対策及び唾眠障害への対策について、それぞれ平成15年度までに地域保健医療福祉関係者向けマニュアルを作成し、普及させる
(3)「思春期精神保健ケースマネジメントモデル事業」事例集を平成15年度までに作成し、普及させる
(4)若齢層の「社会的ひきこもり」をめぐる地域精神保健活動のガイドラインを平成15年度までに作成し、普及させる
(5)心的外傷体験へのケア対策及び思春期の心の健康対策に従事する専門家を養成する
(2). 福祉
(1)在宅サービス
a. 精神障害者地域生活支援センターを約470カ所整備する
b. 精神障害者ホームヘルプを約3,300人確保する
c. 精神障害者グループホームを約12,000人分整備する
d. 精神障害者福祉ホームを約4,000人分整備する
4). アジア太平洋地域における域内協力の強化
(1). 政府開発援助における障害者に対する配慮
(2). 国際機関を通じた協力の推進
5). 啓発・広報
(1). 共生社会に関する国民理解の向上
(2). 関係機関・団体との連携による公共サービス喜業者に対する障害者理解を促進する
6). 教育・育成
(1). 一貫した相談支援体制の整備
(2). 専門機関の機能の充実と多様化
(3). 指導力の向上と研究の推進
(4). 施設のバリアフリー化の推進
7). 雇用・就労の確保
 トライアル雇用、職場適応援助者(ジョブコーチ)、各種助成金等の活用、職業訓練の実施などにより平成19年度までにハローワークの年間障害者就職件数を30,000人に、平成20年度の障害者雇用実態調査において雇用障害者数を600,000人にすることを目指す
 
2. 計画の推進方策
1). 本計画の推進に当たっては、個々の障害に係るニーズや社会・経済の状況等に適切に対応するとともに、必要に応じ計画の見直しを行う
2). 本計画の着実かつ効果的な推進を図るため、障害者施策推進本部において、障害者関係団体等との意見交換を毎年実施するとともに計画の進捗状況を毎年度調査し公表する
3). 障害を理由とした不当な差別的取扱い等に対する救済措置を整備する
4). 本計画の推進に当たり、地方公共団体と緊密な連携協力を図るため、全国都道府県会議を毎年開催するとともに、障害者計画未策定市町村に対する技術的協力を積極的に行い、全市区町村における障害者計画の策定を目指す
5). 障害者に関する総合的データベースを平成16年度までに構築する
 
IV. 障害者プランの進捗状況概要(平成13年度末現在)
※「障害者プラン」は、平成5年度に策定された「障害者対策に関する新長期計画」の重点施策実施計画(平成8年度〜平成14年度)として平成7年度に策定された。
 
※数値目標を設定した項目の進捗状況を見ると、概ね着実に整備が進められている。なお、一部事業について整備に立ち遅れが見られるが、これは、これらの事業が比較的新しい事業であることから、事業の普及に時間を要している等が理由と考えられる。
 







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