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(5)成層海域における密度流の挙動に関する実験的研究
大内一之(大内海洋コンサルタント)、福宮健司(ゼネシス)、山磨敏夫(ナカシマプロペラ)、荻原誠功(IHI)
 
 栄養塩の豊富な深層水を汲み上げ海域の基礎生産力を増やし、漁場を造成するための海洋肥沃化装置の研究開発がマリノフォーラム21にて行われている。栄養塩濃度の高い水塊を有光層に滞留させる手段として密度流に注目し、成層した海域における密度流の挙動について縮尺モデルにて実験を行い、密度流の厚さ、広がり速度、希釈率等の挙動を実験的に研究した。本研究により海洋肥沃化装置の放水設備設計についての指針が得られた。
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(6)実船実験用ボイド率計の開発
池本晶彦(東洋大院)、加藤洋治(東洋大)、吉田有希(IHI)
 
 摩擦抵抗低減のために船体から吹き出すマイクロバブルを計測するボイド率計を開発した。外板に取り付けたストラット内にCCDカメラとLEDストロボを設置し、マイクロバブルの静止画像を撮影した。その画像を解析することによりボイド率分布を計測した。計測結果によれば直径0.5mm程度の気泡が多く、船底より5〜10mmにピークがある分布となった。
ボイド率計の原理
(7)舶用レーダーの波浪計化
―ロバストな新システムの提案・試行―
平山次清、朴 承根、平川嘉昭、高山武彦(横国大)
 
 航走船舶が出会う波浪をリアルタイムに精度良く計測することは長年の課題である。これが可能となった場合のメリットは大きい。船舶の運航、海洋構造物の稼動の有効な情報がリアルタイムで得られるだけでなく、その蓄積は信頼度の高い波浪データベースの構築、ひいては船舶・海洋構造物の計画・設計、地球環境評価にとっても重要なものとなるからである。本論文はすでに本学で開発した波浪計化した舶用レーダーの波高に関する弱点を克服し、よりロバストな新しいシステムを提案し試行した結果を報告するものである。
推定された有義波高
(8)波浪計測用ブイシステムの開発研究
小寺山亘、中村昌彦(九大応研)、池渕哲朗、高津尚之(川崎重工)、藤井智史、佐藤健治(通信総合研究所)
 
 ヒーブ応答関数を利用する波浪計測用ブイシステムの開発研究を行った。模型実験によりブイの周波数応答計算精度、波浪計測手法の検証を行った後、実機を製作、沖縄海域に設置の上、2001年3月より運用を開始した。
 本手法により計測された波浪を精度検証のためにブイに搭載された相対水位計により直接計測された結果と比較した結果よい一致が得られたので成果を報告する。
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計測された波浪のパワースペクトル







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