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2001年度ホスピス教育研究所の活動
 ピース・ハウスの2階に位置するホスピス教育研究所は、神奈川県をはじめ全国に向けてのホスピス緩和ケアに関する教育啓蒙活動、院内スタッフ・ボランティアの教育、さらに、国内外の他施設・団体とのネットワーク作りなどを主な業務としています。
 今年度は、臨床研修、ホスピス緩和ケア研究会など、より実践的な教育プログラムの展開、また、地域医療機関との学習の場の共有などを重点課題として活動しました。
ホスピス教育研究所所長 松島たつ子
 
●ターミナルケア人材育成講座の開催
講座名 期日 日数 講師 参加人数
ホスピス緩和ケア講座 2001/09/01 3 西立野研二、他10名 79
ホスピスワークショップ 「終末期患者との対話 Part2」 2001/06/01 1 賀来周一 70
ホスピスセミナー「‘いのち’と向き合う」 2001/08/01 1 平山正実、櫻内正美、斉藤弘子 12
ホスピスセミナー「緩和医療実践の課題−緩和医療の質向上へのアプローチ−」 2001/09/01 1 瀬戸山修 20
ボランティア講座 2001年5月〜6月 6 北川輝子、他2名 18
ボランティアアドバンスト講座 2001年4月〜2002年3月 4 山崎真由美 Dr.Rosalie Shaw 他2名 延128
ピース・ハウスホスピス 公開セミナー 2001年5月〜2002年3月 8 松島たつ子、他2名 延198
 
●第9回ホスピス国際ワークショップの開催
期日 2002年2月23日(土)・24日(日)
場所 ピース・ハウスホスピス教育研究所
テーマ Hospice Palliative Care in Asia
講師 Dr.Rosalie Jean Shaw
Executive Director:Asia Pacific
Hospice Palliative Care Network
 
●第6回アジア太平洋ホスピス緩和ケアネットワーク会議およびカンファレンス
1)ネットワーク会議
期日 2001年5月1日(火)〜2日(水)
場所 台湾
参加 台湾、香港、韓国、シンガポール、マレーシア、インド、インドネシア、フィリピン、タイ、ベトナム、パキスタン、ミャンマー、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、日本(約70名)
内容 ネットワークの歴史、会員状況、各国の緩和ケアの現状、評議委員の選出、今後の活動についてなど
2)カンファレンス
期日 2001年5月3日(木)〜5日(土)
参加 上記以外に、イギリス、マカオ(約800名)
内容 ホスピス緩和ケアに関する講演、シンポジウム、演題発表、ポスターセッション
派遣者 3名(日野原重明理事長、西立野研二ピース・ハウス院長、松島たつ子ホスピス教育研究所所長)
 
●研修生の受け入れ
(1)医学生のための緩和医療講座(計11名)
東海大学医学部(11)
(2)医療職のためのホスピス研修(計5名)
みなと医療生活協同組合共立総合病院医師(1)、広島県立広島病院医師(1)、大分ゆふみ病院薬剤師(1)、神山復生病院栄養士(1)、神奈川県立がんセンター看護師(1)
(4)ホスピスナース養成研修(計21名)
3ヶ月コース:宮城県立がんセンター(2)
4週間コース:元岩手県立病院(1)、元関東中央病院(1)、大分ゆふみ病院(1)、三豊総合病院(1)、栃木県立がんセンター(2)、松江市立病院(1)、茅ケ崎市立病院(1)、南部郷厚生病院併設緩和ケア施設郷和(1)
日本看護協会「緩和ケアコース」(4)
日本看護協会「認定看護師研修」(2)
広島県看護協会「緩和ケアに関する専門看護職の育成研修」(4)
(5)ホスピス体験実習(計36名)
神奈川県立曽屋高校(17)、二宮高校(3)、慶應義塾高等学校(3)、大阪大学医学部(1)、聖路加看護大学(4)、宮城大学看護学部(3)、ルーテル学院大学(3)、東海大学社会福祉学科(1)、東海大学医学部(1)
 
 
 
●ピース・ハウス見学者への対応 54件 285名
主な見学団体
湘南鎌倉総合病院、神山復生病院、南足柄訪問看護ステーション、東京大学医学部、近畿大学、大分医科大学、九州ルーテル学院大学、岩手県立大学看護学部、ニューヨーク大学、カナダマニトバ大学、台湾Hospice Foundation of Taiwan、国立特殊教育総合研究所、神奈川県病院薬剤師会、神奈川県医療社会事業協会、東京生と死を考える会、山梨県医務課、NHK報道局番組部、住友生命保険相互会社、大成建設、全国ディアコニア・ネットワーク、日本基督教団神奈川教区婦人会、ボーイスカウト東京連盟、藤沢市議会議員、山北町婦人会 他
 
●事例検討会
期間 2001年4月〜2002年3月(11回)
主なテーマ
・ホスピス緩和ケアにおけるスタッフのストレス
・患者と家族の意志を尊重することとは−ホスピスにおける点滴の中止・継続をめぐって−
・チムワーク−多職種が関わるということ−
・「死にたい」と訴える終末期がん患者に遭遇した看護師の対応
・がん性疼痛に対するモルヒネ投与の検討
・患者間のトラブルに対してのスタッフの介入
・ホスピスにおいて治療を期待する患者への援助
延参加人数:267名
 
●ホスピスケア研究会
期間 2001年4月〜2002年3月(9回)
主なテーマ
・なぜ人は死ぬのが怖いのでしょうか
・予後を医師が患者や家族に言うことについて
・アメリカのホスピス−見たこと、学んだこと−
・「死にたい」と思うとき、言われたとき
・「霊」と「SPIRIT」
・老い−生き方の自由−
延参加人数:105名
 
●Study Day 症状マネジメントを学ぶ
期間 2001年5月〜2002年3月(7回)
主なテーマ
・終末期における症状とそのマネジメントの基本
・事例を通して考えるマネジメントの実際
延参加人数:88名
 
●地域ホスピスケア研究会
期間 2001年4月〜2002年2月(5回)
主なテーマ
・未告知患者の在宅療養と入院のタイミング
・せん妄・混乱の看護
・在宅ホスピスケアにおける訪問看護師の役割
延参加人数:76名
 
●緩和医療研究会(進行癌患者の症状マネジメント)
期間 2001年5月〜2002年2月(4回)
主なテーマ
・疼痛マネジメントにおける薬剤の選択
・フェンタニールパッチについて
・サンドスタチンの使用経験
延参加人数:100名
 
●図書・文献整備
購入図書 16冊、ビデオ1セット(全3巻)
定期購読雑誌 20冊(和雑誌10冊、洋雑誌10冊)
 
●研究所会員制度(図書貸出、文献検索サービスなど)
現会員数 45名
 
●機関誌発行
ピース・ハウス活動報告(ふれんずIssue No.7)3,500部
 
サポートチーム活動
 21世紀の初めの年でもありました本年も多くの方々からのご支援をいただきました。グループで、また季節の折々に個人の方が音楽を、そして趣味の創作の贈り物などです。順を追って報告致しますと、
*第7回 姫 由美子と素敵な仲間たち 横浜公演 5月
宝塚ご出身の姫さんが13回目のチャリティコンサートを開催されました。
*第5回 夢コンサート 徳永兼一郎さんを偲んでのご友人たちによるチャリティコンサートでチェロの向山佳絵子さん、ピアノの山田富士子さん、広海滋子さんの3名で開かれました。5月
*LPCホスピスサポートチームのチャリティコンサート 12月市谷ルーテルセンターで開催される。劉渕さんのヴァイオリンによるリサイタルと日野原先生の講演も合わせて開かれました。
*ティータイムコンサート 田端典子さんが4月21日、11月20日の二回、ピアノ伴奏はいつもの岩淵さんで開かれました。すっかり定着された感じです。7月には同志社グリークラブOB合唱団によるコンサート、そして12月にはギターの荘村清志さんがボランティアで来られました。
*府中はなみずき 第8回ピース・ハウス支援のバザー開催。
*BeBeサンタクロースチャリティが明治記念館で開催。プロ野球人によるクリスマスチャリティの会です。
*ソプラノの池田京子さんによるリサイタルが実現しました。日本の歌曲とアリア、そしてドイツリートとホールに響く華やかな歌声は2001年度の締めにふさわしい催しとなりました。
音楽のプレゼントはホスピスに入院しておられる方々とご家族の癒しとなっております。限られた大切な時をご一緒に過ごされているお姿を拝見して熱いものを感じます。お心をお寄せくださる方々へ心からの感謝を込めて。
ボランティアコディネーター 北川 輝子
 
ピース・ハウス 家族の会
 ピース・ハウス家族の会が発足して、5年が経過します。ピース・ハウスで終焉を迎えた遺族が集い、旅立って行った愛する人を偲ぶと同時に、残された家族が、同じ境遇の人と集う事により、癒される事を目的として発足したのが、ピース・ハウス家族の会です。
 この会の趣旨に賛同され、家族の会に入会された会員さんは257名になります。
会の行事等に参加され癒された会員さんや、「時間という薬」により会を退会された方が80名になった事は、当初の会の目的が達成されたのではないでしょうか。
 現在177名の方が会員になられておりますが、すでに癒されていらっしゃる方も、家族の会の暖かな雰囲気に退会されずに引続き活動に参加されています。
 会の主な催しは、会報「悠友」の年4回発行、懇親会、総会、そして月一回「ぶらっとスポット」と称してピース・ハウスにお越し頂き、お茶を飲みながら心境等を語り合って頂いております。
 また、春には「観梅」、秋には「ハイキング」とピース・ハウスを離れての活動を行い、一日も早く会員さんの心が癒されるよう、活動しております。
 ピース・ハウスで縁あり集った人達は、色々な事情、環境で異なるのですが、「愛する人を喪った」という境遇は皆同じです。
 そんな同じ体験をされた方々と語り合える「家族の会」は素晴らしい仲間の集まりです。
ピース・ハウス家族の会会長 橋本 恵光







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