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はしがき
 国・地方を通じた極めて厳しい財政状況の中で、地方公共団体は、地域の総合的な行政主体として、少子高齢化・循環型杜会の構築・地域経済の活性化等様々な地域課題に対応し、地方分権や住民ニーズの高度化・多様化等に適切に対処することが期待されています。
 こうした状況の中で、地方公共団体は、限られた資源を最大限に活用し、住民の満足度の最大化を図ることが重要であるという観点から、その役割を総合的かつ機動的に果たしうる行政運営を確立することが求められております。地方公共団体においては、これまでも事務事業の見直し、組織・機構の簡素効率化等の積極的な行政改革を推進してきたところですが、さらに、行財政システムの簡素効率化及び行財政運営の透明性を確保するため、新たな行政運営手法の導入を検討するなど、一層の行政改革の取組みが不可欠となっております。
 こうした状況を踏まえ、総務省の「平成15年度地方行財政重点施策」においては、「電子自治体の実現を機に、既存の業務の電算化を図るという発想を超えて、業務全体の見直し等により業務プロセスの効率化を図り、地方行政の総合性・機動性を確保」することとされており、その中で、「電子自治体の実現により、申請・届出等行政手続のオンライン化等による住民の利便性の向上と業務プロセスの見直しと併せたIT(情報通信技術)の活用を推進」することとされております。
 また、「ITの導入に際しては、複数の地方公共団体が業務(住民サービス業務及び内部管理業務)を共同化した上で、民間企業のノウハウ・システムを有効活用すること(外部資源活用)により、大幅な経費削減を伴う業務改革とIT関連地場産業の起業・定着、雇用の創出等地域経済の活性化を図る共同アウトソーシング・電子自治体推進戦略を推進」することとされており、平成15年度からは、各地方公共団体において、業務処理ソフトの開発・設計に取り組むこととされております。
 このため、「IT社会に対応した地方公共団体の業務プロセスの改革に関する調査研究会」を開催し、同委員会において、ITを活用した業務改革、共同アウトソーシングによる業務処理ソフトの開発・設計等に当たって御検討いただきたい手法等について研究した結果をとりまとめました。今後、地方公共団体におけるITを活用した業務改革に関する議論の一助となれば幸いです。
 
平成15年3月
財団法人自治総合センター
理事長 松本英昭







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