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視覚障害者ヒアリング【1】
ヒアリング実施日 H14.8.16
属性 年齢  
性別
1. 障害の状況等について 全盲、色素変成で中途失明
1級
・会話でコミュニケーションをとっている
・情報入手は音声ガイドと点字から得ている(ラジオ・テレビ・インターネット・メール等)
2. 鉄道の利用状況について JR中央線西荻窪駅
・JR中央線西荻窪駅〜荻窪駅 毎日
・JR中央線西荻窪駅〜市ヶ谷or飯田橋〜有楽町線護国寺駅(盲学校へ講師として通勤)
・JR中央線西荻窪駅〜国分寺駅(週3回通院)
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について  
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・慣れている駅は問題ないが、初めて利用する駅の場合は、駅構内の構造がわからないので、人に聞いたり、直接目的地へ連れて行ってもらったりする。(島ホームor対面ホーム、上り階段or下り階段、階段の場所)
・券売機の位置は、お金のジャラジャラする音で確認できる。
・改札口の位置は、点字ブロックや改札のピンポンという音で確認している。
・わからないときは周りの人に聞いている。
・券売機で初乗り運賃の切符を購入し、後で精算している。
・乗り継ぎ駅の改札で、切符が取られる時と出てくる時があるが、乗り継ぎ用の改札の区別がつかないので困る。
・券売機の脇に貼ってある点字の運賃表一覧は、各鉄道会社によって貼ってある場所が違うためどこにあるかがわからない。
(2)ホーム上 ・ホームまでの行き方、列車のドア位置、ホームと列車の隙間がどれくらいか、行き先、何番線から発車するか、急行・準急・各駅の区別(どこに停車するのか)、ホームに上がるのに何番線がどこなのか等の情報が必要である。
・列車に乗るときは、ドアの開く音や杖で入口を確認して乗る。
・ホームがうるさくて放送が聞こえない駅がある。
・夏はクーラーの音がうるさくて、ドアの開く音がかき消されてしまう。
・一番困るのは、最近、幌ができてきたが、車両と車両の隙間を認識できないことである。
・電車によって、乗降口の高さがまちまちである。
・ドアが開いたら焦ってしまい、下りてくる人とぶつかってしまうし、待っていて乗ってもドアが閉まってしまうおそれがあり、心配になる
・駅員が案内する乗り換え案内が、走らないと間に合わないようなぎりぎりの場合がある。乗り換え案内は、第2候補位までの案内をしてほしい。(余裕をもって乗れるように)
(3)車両内 ・車両内での情報入手は車内放送が頼りである。
・降りる時のドアの位置は、ホーム側の音(放送の音)でわかる。
・車内アナウンスが、列車の音や周りがうるさくて聞こえない時がある。
・車内アナウンスがいつ流れるかわからず、また一度しか流れないので、本を読んだり、眠ってしまって聞き漏らしてしまった時に困る。
・ドアの開閉時に音がなる列車もあるが、その音が一瞬でわかりづらい。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について ・列車が遅れた時は、改札にいる駅員に聞く。
・案内放送と人が頼りである。
6. 総合的な評価について ・エスカレーターの上り下りがわからない(時間によって上りと下りが変わる時がある)
 
視覚障害者ヒアリング【2】
ヒアリング実施日 H14.8.16
属性 年齢  
性別
1. 障害の状況等について 全盲、先天盲 1級
・全く知らない所へは、1回目は介助を付けて行く
・何度か行く所へは、1回目は介助を付けて行き、2回目以降は1人で行く
2. 鉄道の利用状況について JR中央線西荻窪駅
・JR中央線西荻窪駅〜荻窪駅(パソコン教室へ)
・JR中央線西荻窪駅〜新宿〜池袋駅(通勤) 週3回
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・初めての駅の場合は、事前にインターネットで所要時間や乗り換え、階段の位置を調べている。
・同じ駅を使っている友達に直接又は電話で聞くこともある。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・券売機や改札口の位置は、音で判断している。
・駅員にお願いして、誘導してもらうこともある。(降車駅に事前に連絡してもらう)
・券売機が乗り換え切符を買えるものとそうでないもの、定期券購入専用のもの、SUICA対応のものとそうでないもの等にわかれていて、なかなか区別がつかない。
・自動改札が、出るのと入るのが一緒のものがあり区別がつかない。
・パスネットやSUICAは便利で利用しているが、残りの残高がわからなくなったり、他のカードと区別がつかなくなったり、どの路線で使えるかがわからなくなったりする。
(2)ホーム上 ・自分が乗ろうとしている電車かどうかが重要である。
・駅員の放送より、自動放送の方がわかりやすい。
・乗るドアの位置は、ドアの開閉の音で判断している。
・ラッシュ時の乗るタイミングがわからない。
・駅によっては、電車の種別や行き先が放送されない駅がある。
・駅員が時々どこ行きかを言わない時があり、自動音声もない時は困る。
(3)車両内 ・次が何駅なのかが重要な情報である。地下鉄は車内放送で次駅案内があるので安心して利用できる。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について  
6. 総合的な評価について ・ホームに駅員が少ない。案内係みたいな人がいると良い。
 
視覚障害者ヒアリング【3】
ヒアリング実施日 H14.8.16
属性 年齢  
性別
1. 障害の状況等について 全盲、9歳まで弱視、その後交通事故により失明 1級
・プライベートの時は、全く介助を付けず、単独で行動する
・公共施設へは介助の人と行く
・友達と出かける時は、駅で待ち合わせをし、そこから一緒に出かける
2. 鉄道の利用状況について JR中央線西荻窪駅 JR中央線西荻窪駅〜荻窪駅(パソコン教室へ) ほとんど毎日
3. 外出前(外出計画時)の情報入手方法等について ・一番不安なのは、下りた時の階段の位置や改札口の位置(何口なのか)なので、事前に友達に聞いている。
4. 鉄道利用時(平常時)の情報入手方法等について  
(1)駅構内(改札口付近) ・駅構内の移動は、アナウンスや周りの人の流れ、足音等で判断している。
・わからない時は人に聞いている。
・トイレの位置は、やたら人に聞く事ができずに困っている。
・改札口について、入口用、出口用の区別がつかない。
・改札からホームまで遠いときに、エスカレーターの位置がわかりにくい。
(2)ホーム上 ・ドアの位置は、ドアの開く音で判断している。
・うるさくてドアの開く音が聞こえないことがある。
・列車の発車する効果音が、鳴り終わってからすぐ発車なのか、少し間があっての発車なのかわかるようにしてほしい。
・始発駅のようなくし型ホームでは、何番線かもわからず、どちらに進んでいいのかもわからない。
・階段があるホームで、ホームを歩いていて階段の下に入ってしまいぶつかったことがある。
(3)車両内 ・次はどこに停車するのか、どちら側のドアが開くかを知りたい。
・駅間が短い場合は良いが、駅間が長い場合次の駅が何駅か忘れてしまうことがあるため、放送は重要である。
・次駅名は繰り返し案内してくれると安心する。
・列車の速度が速いとき、列車自体の音が大きくて放送が聞こえない場合がある。
・各自が聞きたい時に案内を聞けるような自動音声案内装置のようなものがあると良い。
5. 鉄道トラブル発生時(異常時)の情報入手方法等について  
6. 総合的な評価について ・足を怪我した時に、運転手が駅に連絡してくれて、駅に着いたら、駅員が迎えにきてくれた。
・駅で駅員に、乗り換える時に案内してくれるよう頼んだ時に心よく引き受けてくれた。







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