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九州運輸振興センター 平成13年度 調査研究
北部九州圏における海上貨物輸送と鉄道貨物輸送の連携の促進に向けた提言
日本海事財団補助事業
I 海上貨物輸送と鉄道貨物輸送の連携促進の必要性
1. 我が国産業の発展に向けた取組の必要性
 
■我が国産業の国際競争力向上に向けた物流コスト削減の必要性
 経済のグローバル化が進展した現代において、輸出入に係るコストは、産業の国際競争力を左右する重要な要因の一つである。このため、我が国産業の国際競争力の向上を図るためには、輸出入に係る物流コストの削減を図ることが求められている。このため、我が国の国際物流の効率向上に向けて、多様なモードの特性を生かした最適な組み合わせによる輸送システムを構築するとともに、地球環境問題に対応するため、輸出入貨物の国内輸送において、これまで以上に海運とともに鉄道の活用を促進する必要がある。
 
■中国を中心としたアジアとの物流基盤強化の必要性
 我が国産業の発展に向けて、急速な成長を続ける中国をはじめとしたアジア地域との物流基盤を強化する必要がある。このため、多様なモードの特性を生かして、中国との円滑で効率的な輸送システムの充実を図ることが求められている。
 
2. 北部九州圏における取組への期待
 
■北部九州圏のポテンシャル
 北部九州圏においては、鹿児島本線門司駅において、貨物駅の拠点ターミナル化事業として、北九州貨物ターミナル駅の整備が進展している。また、北部九州圏は、韓国や中国北部等に地理的に近接し、これらの地域への充実した航路網を有する中で、北九州港・響灘地区において大水深国際コンテナターミナルの整備が進展している。このため、韓国や中国をターゲットとした国際海上コンテナ貨物輸送と鉄道貨物輸送が連携した輸送システムを構築する上で高い優位性を有している。
 
北部九州圏における国際海上貨物輸送と鉄道貨物輸送が連携した輸送システム強化への期待
 現在、中国においては、海上国際貨物輸送と中国鉄道貨物輸送、中央アジア諸国及びロシア鉄道の連携により、東アジア地域と欧州を結ぶ国際複合一貫輸送(チャイナ・ランド・ブリッジ)の活用への取り組みが進められており、日本からの国際貨物誘致にも積極的に取り組んでいる。
 そこで、中国に近接し、充実した航路網を有する、北部九州圏を核とした国際海上貨物輸送と鉄道貨物輸送が連携した輸送システム強化が期待される。こうした取り組みにより、アジア地域との国際物流基盤の充実が図られるとともに、将来的には欧州への新たな物流ルートの形成が期待される。







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