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小型船舶等の電気装備工事ハンドブック

 事業名 小型船舶等の電気装備工事ハンドブックの作成
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


第2編 電気艤装設計
1. 一般
1.1 一般的要求性能
 電気機器、ケーブル、その他の材料は、船舶の航行中の運動条件、気象条件、機器が装備される場所の周囲条件などが陸上のそれと大きく相違するので、装備場所の環境に応じて適切な型式のものを選定し、かつ機器の取付け等の艤装が正しく実施されなければならない。
 機器の外形寸法及び重量は、その性能を損なわない範囲でできる限り小型、軽量にすることが望ましい。
 機器は次の場所に設置しなければならない。又、回転機械の軸方向は、船の動揺による軸受への加速度を考慮して、船首尾方向と一致させることが望ましい。
(1)操作点検が容易であること。
(2)他動的損傷及び熱による障害を受けるおそれのないこと。
(3)燃焼しやすい物に接近していないこと。
(4)通風が良好なこと。
 最近の小型船舶は、エンジンの高速化にともない大きな振動が発生する場合がある。十分な耐震対策をたて機器の設置をほどこすこと。
 暴露甲板等に装備される機器は、海水飛まつ、降雨により正常な機能が害されないよう保護された構造のものとしなければならない。その構造例として、防水型構造及び甲板防水型構造があり、甲板防水型構造のものは、特に波浪に洗われる場所に使用される。
 試験方法についてはJIS F 8007:98 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則による。(付録8参照
 機関室等に装備される機器は、空気中に油霧などが含まれており、また水滴の付着、ビルジ等の落下、はねかえりのおそれがあるので、これらにより絶縁不良等正常な機能を害さないように十分考慮されなければならない。
 このような場所には一般には防滴型構造のものが使用される。その試験方法についてはJIS F 8007:98 船用電気器具の外被の保護形式及び検査通則による。(付録8参照
 機器の金属部は、腐食の発生を防止する措置をし、又は、腐食が発生しても支障のないよう十分考慮されなければならない。
 特にアルミニウム材が異種金属と接する部分には、電食防止について十分な対策が施こされなければならない。(6防食工事を参照
 機器は、動作状態において無線設備等に誘導障害を生じないように措置されなければならない。(5. 接地工事を参照
 供給電圧は250Vを超えてはならない。
(小型船舶安全規則第86条及び小型漁船安全規則第43条による。)
 
 電気機器及び電路に対する絶縁抵抗は表2.1.1の通りである。(日本小型船舶検査機構検査業務規程細則(以下「JCI細則」という。)による。)
 
表2.1.1 電気機器等に対する絶縁抵抗値
 
 回転機械(発電機及び電動機)及び変圧器の温度上昇限度は表2.1.2及び表2.1.3のとおりである。(JCI細則による)
 
表2.1.2 発電機及び電動機の温度上昇限度(℃)
〔基準周囲温度の限度45℃〕
(拡大画面:32KB)
(注) 温度測定方法は、JIS C 4004-'92「回転電気機械通則」の定めるところによる。
 
表2.1.3 変圧器の温度上昇限度(℃)
〔基準周囲温度の限度45℃〕
 
 
 基準周囲温度とは、電気機器の温度上昇限度を定めるときの基準となる周囲温度をいい、温度上昇限度とは、温度上昇(測定温度と周囲温度との差)と基準周囲温度との和が絶縁物の許容最高温度以下になるよう定められた温度上昇の限度を言う。
 JCI細則による基準周囲温度の限度は、45℃である。従って各機器の温度上昇限度は、その絶縁物の許容最高温度から基準周囲温度を減じた温度以下に定められるので、機器の設置場所が基準周囲温度を上回っている場合は、その超過する温度を規定の温度上昇限度から減じた値が、その機器の温度上昇限度となる。
(例)周囲温度が50℃の場所で使用する場合。
基準周囲温度を超過する温度=50−45=5〔℃〕
電気機器の温度上昇限度=規定の温度上昇限度−5〔℃〕
 
 電気機器の絶縁を規定するJIS C 4003は1998年3月27日に改正され、それまでの電気機器絶縁の種類を規定したものから、電気製品の絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価について規定している。
 電気製品の絶縁の耐久性は、温度、電気的ストレス及び機械的ストレス、振動、有害な雰囲気及び化学薬品、湿気、ほこり、放射線などの多くの因子によって影響される。これらの因子の中で、ほとんどすべての電気製品の絶縁に共通して支配的な劣化を与えるのは温度である。そこに電気製品の絶縁の耐熱クラスを定める意味がある。
 電気製品における絶縁材料及び絶縁システムの耐熱クラスと温度は、表2.1.4による。
 
表2.1.4 耐熱クラス及び温度
耐熱クラス 温度℃
Y 90
A 105
E 120
B 130
F 155
H 180
200 200
220 220
250 250
備考  
1. 250℃を超える温度は25℃間隔で増し、耐熱クラスも、それに対応する温度の数値で呼称する。
2. 旧版で、180℃を超えるすべての温度に対して使われていたC種は、上述の耐熱クラスに細分する。
3. 耐熱クラスを呼称する際は、例えば、耐熱クラスA、耐熱クラス200のように称する。
4. 耐熱クラスにおいて文字(例えば、Y、Aなど。)の使用は強制的ではない。しかし、文字及び温度の上述の関係は、固定されるのが望ましい。
 
表2.1.5 JIS C 4003の新旧相違点
  旧 JIS C 4003:77  新 JIS C 4003:98 
表題 電気機器絶縁の種類 電気絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価。  
適用範囲 電気機器絶縁の種類について規定している。  電気機器絶縁の耐熱クラス及び耐熱性評価について規定している。 
耐熱クラス 機器絶縁は、その耐熱特性によって、Y種、A種、E種、F種、H種及びC種に区別する。 電気絶縁の耐熱クラスは、その電気製品を定格負荷で運転したときに許容できる最高温度を基に決める。
絶縁の種類 許容最高温度(℃) 耐熱クラス 温度(℃)
Y 90 Y 90
A 105 A 105
E 120 E 120
B 130 B 130
F 155 F 155
H 180 H 180
C 180を超えるもの 200 200
    220 220
    250 250
    250℃を超える温度は25℃間隔で増し、それに対応する温度の数値で呼称する。
電気絶縁の耐熱性に及ぼす使用条件の影響 触れていない。 雰囲気、負荷などによる影響を考慮している。
絶縁材料及び絶縁システムの選択並びに耐熱クラスの指定 各種絶縁に使用し得る絶縁材料表が参考として例示されている。ただし、使用した材料が当該絶縁の種類に該当するか否かは機器製造業者自身の責任において確認すべきものである。 適切な絶縁材料及び絶縁システムを選択する責任は、その電気製品の製造業者にある。また適切な使用経験に基づき、又は適切な試験を実施することによって、その絶縁の耐熱性を評価し、耐熱クラスを指定する責任も電気製品の製造業者にある。 
絶縁材料の耐熱性評価方法 触れていない。  絶縁材料の耐熱性評価方法としてIEC 60216:90を参照すること。また、耐熱グラフ、温度指数、相対温度指数及び半減温度幅の定義が役立つことが、述べられている。
電気絶縁の耐熱クラスの指定 当該絶縁の種類に相当するか否かを電気機器製造業者自身の責任において確認すべきものである。 電気製品における絶縁材料又は絶縁システムが、適切な試験又は適切な使用経験によって、特定の用途において特定の温度で使用できることが検証されたなら、表2.1.4の中から、適切な耐熱クラスを指定できる。 
注:本表はJIS C 4003:98解説から抜粋







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