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10.3.4 接地工事要領
(1)接地銅板の取付け方法
 接地銅板の取付け方法は造船所によって異なるが、大きく分類すると、
     (1) 固着釘などによる取付け 要領 (ハ)(ニ)(ト)
  (2) 接着剤による取付け 要領 (ロ)(ホ)(チ)
  (3) FRPによる取付け 要領 (ヌ)
に分けられ、更にその共用による場合もある。その代表的なものは図10.12に示すが、いずれにしてもFRPと銅とは接着しない、ということに留意した工作法が必要である。
 
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図10.12 接地銅板の取付要領
 
(2)主接地線工事
 主接地線は、できるだけ銅帯を使用したほうがよい。銅帯と接地銅板とは、ろう付けなどにより電気的に確実に接続する。銅帯をFRPの外板に取付けるときには、あらかじめ接着剤で固定した後、タッピンねじなどで取付け、銅帯部分をFRPでカバリングする。
(図10.13)
 また、接地銅板から直接船内の主接地線に導く場合には、貫通ボルトを1〜2本使用し、図10.14の要領で行う。
 
図10.13 主接地線の取付要領
 
図10.14 貫通ボルト
 
(3)支接地線工事
 支接地線は、すずめっき軟銅線又は平角銅線を使用し、図10.15に示すような系統で工事を行う。
 配電盤、分電盤、電気機器、電気機器以外のものの接地にはできるだけ圧着端子を使用し、電気的に確実に連続させなければならない。
 
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図10.15 支接地線系統図
 
(4)電気機器の接地工事
 一般に接地の方法には、接地線による方式とメタルタッチによる方式がある。鋼船の場合は、一般に機器の取付部のメタルタッチで十分接地されることが多い。しかし、FRP船の場合は、機器の取付台と船体とは絶縁されているので、接地線による方式でなければならない。
(1)機器の非導電金属部と支接地線との間は接地線で接続する。
(2)(a)項で用いる接地線の断面積は、表7.2を参照。
 断面積の小さい場合は、銅のより線、又は銅の編組線を使用し、大きい場合は銅の編組線を使用する。なお、接地線に塗装を施してはならない。
(3)接地線の両端は確実に接続できる接地用の端子、又はそれに相当する金物を設ける。端子などの代りに機器の取付用のボルトを利用してもよい。いずれの場合も締付け部には有効な回止めを施すこと。
(4)接地線は、できるだけ短くするように考慮する。
(5)接地線として固定ケーブルとは別の独立した接地線を設ける場合と、固定ケーブル内の接地導体による場合とがあるが、鉛被ケーブルの場合はその鉛被を接地線とする方法は認められていない。
(6)移動機器の場合はキャブタイヤコード内の導体によって接地する。(7.2.1−2及び図7.7参照)
(7)無線機器の接地については、7.3.3(4)を参照のこと。絶縁性構造物に固定された機器の接地工事例を図10.16に示す。
(5)ケーブルの接地工事
 ケーブルの接地工事については7.4ケーブルの接地方法を参照のこと。
 
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図10.16 絶緑性構造物に固定された機器の接地要領
 
10.4 防食工事
 FRP船の防食工事については8.5.2FRP船の電気防食を参照。







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