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基盤的研究課題調査調書

 事業名 造船技術研究開発課題の調査
 団体名 日本造船研究協会 注目度注目度5


高速船に働く波浪荷重の高度推定法の実現性に関する調査部会
 
氏名 所属 役職 住所
E−mail
柏木 正 九州大学応用力学研究所
基礎力学部門界面動力学分野
教授 816−0811 春日市春日公園6−1
kashi@riam.kyushu-u.ac.jp
高木 健 大阪大学大学院工学研究科
船舶海洋工学専攻
助教授 565−0871 吹田市山田丘2−1
takagi@naoe.eng.osaka-u.ac.jp
岩下 英嗣 広島大学大学院工学研究科
社会環境システム専攻
助教授 739−8527 東広島市鏡山1−4−1
iwashita@naoe.hiroshima-u.ac.jp
安川 宏紀 広島大学大学院工学研究科
社会環境システム専攻
助教授 739−8527 東広島市鏡山1−4−1
yasukawa@naoe.hiroshima-u.ac.jp
木原 一 防衛大学校システム工学群
機械システム工学科
講師 239−8686 横須賀市走水1−10−20
hkihara@nda.ac.jp
木下 嗣基 東京大学大学院新領域創成
科学研究環境学専攻
助手 113−8656 文京区本郷7−3−1
kinoshita@k.u-tokyo.ac.jp
吉田 尚史 ユニバーサル造船(株)
技術研究所 流体研究室
主任研究員 514−0398 三重県津市雲出鋼管町1番地3
yoshida-hisafumi@u-zosen.co.jp
 
高速船に働く波浪荷重の高度推定法の実現性に関する調査
 
1. 現状認識(課題調査の背景)
 
1.1 戦略的研究計画の必要性
 ヨーロッパでは、高速のRoRo、RoPax、クルーズフェリーなど、大型高速船の活発な開発活動が見られる。アメリカでは、海軍の高速船需要、およびトランスアトランティックを目指した高速貨物船(40−50ノット)の建造計画があり、さらに高速ヨットなどの設計に絡み、設計の高度IT化、船体軽量化および性能推定手法の研究が行われている。また、韓国の2010年の造船ビジョンでも、超高速船および大型高速船の開発が目標の一つとされている。
 高速貨物船、フェリー、客船はトータルで5000億円/年以上の市場が見込まれており、推進方式、波浪中運動制御を含む高速船の課題がクリアされれば、技術的側面のみでも市場はさらに増加すると観測されている。
 近未来における地政学的状況の分析を反映して、ヨーロッパにおける高速商船のコンセプト設計が活発に行われている。ヨーロッパの高速商船の開発は、EUの国家戦略に基づく研究開発プログラムに明示されており、欧州造船業の近未来における国際的位置づけ、基礎技術の優位化の強い意識を反映したものである。具体的にはFP5(5th Framework Program)における高速商船に関する研究開発計画に見ることができる。
 日本においても、高速商船に関する地政学的分析が、造船工学に足場を置くものの、赤木[1]池田[2]鷲尾[3]などにより最近行われている。しかしながら、これらの分析結果を基にした高速商船の技術開発課題については、包括的な研究戦略の必要性が叫ばれてはいるものの、具体的にヨーロッパに見られるような意識的な研究開発計画は存在しないように思われる。高速商船に関する個々の研究課題については、たとえば、高速船の上部構造の軽量化には材料および構造方式の開発が重要であり、また波浪荷重に連携した加速度、衝撃力が高速船設計のキー要素の一つであるなどの理解に基づき、その高度推定法の研究が、個々の機関でまた個人的になされている。いずれにしろ、高速船の波浪中運動、衝撃を含む荷重については、現在の技術レベルを超えた推定法が望まれているのは確かであり、高速船の推進系の研究課題においてはプロパルサーの高荷重化、および振動低減は重要課題である。我が国における研究課題と FP5 における研究課題は、上で述べた個々の要素課題のレベルでは同じであろう。しかしながら、戦略的計画の中での位置づけという面においては大いに異なるように思われる。
 
1.2 高速船研究ツール開発の必要性
 これまでの高速船の開発設計においては、ヨーロッパのエンジニアリングサービスの会社では、たとえばノルウェーMARINTEK、DNVで開発した解析ツールをライセンス導入し、高速船等の設計に応用し、顧客に技術レベルの高さを売り込むという例が見られる。アメリカMIT(大学)の設計プログラムSWANコードをノルウェーの船級協会DNVが改良発展させたコードなどが、北欧を市場として使われている例も見られる。またオランダの船舶試験研究会社MARINのサービスを利用しているエンジニアリングサービスの会社も多く存在する。このように、力のある造船所の技術陣を中心とする日本の開発環境とは違う環境が存在する。
 しかしながら、ヨーロッパ、アメリカで21世紀の高速商船として想定される高速船に対しては、充分使えるツールはまだ研究途上にあるのではないかと推察される。どのようなツールが必要とされ、どこの機関が解決の糸口を持っているのか、またそれがどのようなものであるのかなどを調査して、我が国でそれをツールとして使えるようにするにはどのような事をすべきかを明らかにしておくことが必要ではないかと思われる。
 21世紀の高速船開発に関して、ヨーロッパではEUの組織的施策(FP5)の中で、多くの機関が研究開発に取り組んでいる。その取り組みの分析から幾つかの開発課題が明らかにされつつある。これらの課題については、我が国でも識者により、これまでもその開発必要性が指摘されてはいるが、具体的研究課題として調査されてはいない。EUプロジェクトでポッド型プロジェクトが取り上げられ、現在大きな成果を挙げているが、この成功にヨーロッパの造船関連機関が共同して取り組んだ成果であることは、あまり良く知られていない。欧州の造船関連業に対する積極的な取り組みについては、ヨーロッパは造船で何かやっているようだ、またニッチをねらって動いているようである、との観測が我が国の識者によってなされている段階であり、EUメンバー国の造船研究に対する、将来ビジョン、研究開発課題の選定についての分析は不十分である。
 ヨーロッパ、アメリカでの成果を導入することも可能ではあるが、当然韓国なども同じことを行うであろうと思われるので、我が国の高速船開発の優位性を確立することは期待できないと推量する。
 基本的な認識(高速船の市場はある、キーとなる研究課題は未開発、我が国が何らかの優位性を持つには独自開発が必要、等々)が間違っていなければ、高速船開発に関する研究課題の調査を行う意味があると思われる。
 
1.3 日本の技術レベルと問題点
 高速船として、高速フェリーや高速RoRo船などのような30ノットを越える排水量型の船舶を考えると、ヨーロッパ、オーストラリアに比べて、日本の現状では技術的に太刀打ちできない。その大きな理由として、日本の造船所が作る船は、ヨーロッパ、オーストラリアの船に比べて、10%〜20%重いと言われている。これでは載貨重量の確保という点で致命的であり、軽量化を図ることが先決である。日本の造る船が重たい理由の一つとして、国内船級協会ルールによる規制が厳しく、艤装品が重たくなることが挙げられている。
 また高速フェリーでは、乗り心地の向上も重要な項目であるが、そのための制御システムの研究や、波浪中を高速で航行する船の波浪中船体運動の計算法、衝撃を含む波浪荷重の計算法に関する研究も、ヨーロッパやアメリカに比べてやや劣っている状況であることは否めない。
 そこで、これらの状況を打破するために、高速船に働く波浪荷重の高度推定法に関する研究が必要になる。そのためには、
1)現在の高速船建造における船級協会のルールにおいて、何が問題なのか。それを変更するためにはどのような研究に基づくどのような提案をすればよいか、
2)有限要素法を使った構造計算に連結できるものでなければならないが、そのためにどのような形で流体関係のデータを提供しなければいけないか。構造計算に、付加質量・減衰力を合理的に考慮するためにはどうすればよいか、局所的な流体・構造連成の影響をどのように扱えばよいか、などを調べる必要がある。
3)波浪衝撃圧の計算を高速船の設計に使うためには、現状で何が問題なのか、どのような方向で研究がなされるべきなのか、
4)波浪荷重に関する数値計算法について、ヨーロッパ・アメリカでの現状はどうなのか、既に使われている計算手法の現状、問題点のまとめが必要である。また、それらの既存の計算手法を凌駕でき、しかも高速船の特徴を十分に考慮できるためには、どのような項目に対して信頼ある計算ができる必要があるのか、
5)計算手法として、ポテンシャル理論に基づいた時間領域ランキンパネル法、高速細長船理論、差分法に基づく数値流体力学的手法、などが考えられるが、それらにおける日本の現状はどうか、 などについて調べてみる必要がある。







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更新日: 2020年4月4日

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