平成14年会員造船所労働災害発生状況
当会では、会員造船所の労働災害防止対策の一環として、労働災害(休業・死亡災害)の発生状況を毎年取りまとめ公表しているが、このほど平成14年分の調査が完了した。
労働災害は操業度の高低に拘わらず発生していることが過去の統計からも窺われるが、特に協力従業員の高齢者に多く、全国造船安全衛生対策推進本部の意識調査にも現れているとおり、「身体に無理がきかなくなった」という加齢に伴う身体的な能力低下と、本人の「まだまだやれる」という気力とのギャップから、往々にして災害に繋がるケースが見受けられる。災害の型別では墜落・転落災害がここ数年最も多く発生しており、この墜落・転落防止が造船業界における安全対策の最重点課題となっている。
1. 労働災害発生状況
平成14年の休業災害は次表のとおり前年比14%減の102件となり、度数率も前年の4.34から4.04へと0.3ポイント改善した。死亡災害は不幸にして4件発生し、強度率は1.33となった。
区分 |
労働者数(人) |
労働延時間数(千時間) |
休業災害発生件数 |
度数率 |
強度率 |
平成6年 |
15,328 |
32,750 |
160(2) |
4.89 |
0.58 |
7年 |
14,438 |
30,752 |
152(1) |
4.94 |
0.38 |
8年 |
14,369 |
31,113 |
175(8) |
5.62 |
2.09 |
9年 |
15,361 |
32,868 |
187(3) |
5.69 |
0.89 |
10年 |
15,705 |
34,726 |
173(6) |
4.98 |
1.44 |
11年 |
15,097 |
31,544 |
115(8) |
3.65 |
2.02 |
12年 |
13,979 |
28,015 |
106(3) |
3.78 |
0.93 |
13年 |
12,475 |
27,209 |
118(6) |
4.34 |
1.79 |
14年 |
11,473 |
25,251 |
102(4) |
4.04 |
1.33 |
|
|
注 |
1. |
対象は普通会員造船所の従業員及び協力従業員 |
|
2. |
各年1月〜12月分の合計 |
|
3. |
発生件数欄の( )内の数値は死亡災害で内数 |
|
4. |
度数率=休業件数÷実労働延時間数×100万時間 |
|
5. |
強度率=労働損失日数÷実労働延時間数×1000時間 |
|
2. 災害型別発生件数
平成14年の休業災害の型別では次表のとおり「墜落・転落」が34件(33.3%)と突出しており、重大災害の原因ともなった。次いで、「飛来・落下」が18件(17.7%)、「挟まれ・巻き込まれ」が15件(14.7%)と続き、これら3災害で全体の7割近くを占めた。
区分 |
平成11年 |
平成12年 |
平成13年 |
平成14年 |
件数 |
構成(%) |
件数 |
構成(%) |
件数 |
構成(%) |
件数 |
構成(%) |
墜落・転落 |
39(3) |
33.9 |
30(2) |
28.5 |
36(4) |
30.5 |
34(3) |
33.3 |
転倒 |
10 |
8.7 |
10 |
9.4 |
11 |
9.3 |
6 |
5.9 |
激突 |
5 |
4.4 |
|
|
3 |
2.5 |
|
|
飛来・落下 |
18(1) |
15.7 |
26 |
24.5 |
26 |
22.0 |
18(1) |
17.7 |
崩壊・倒壊 |
6 |
5.2 |
2 |
1.9 |
7 |
5.9 |
8 |
7.8 |
激突され |
6(1) |
5.2 |
5(1) |
4.7 |
5 |
4.2 |
1 |
1.0 |
挟まれ・巻き込まれ |
17(1) |
14.8 |
17 |
16.0 |
17(1) |
14.4 |
15 |
14.7 |
切れ・こすれ |
3 |
2.6 |
4 |
3.8 |
3 |
2.5 |
4 |
3.9 |
踏み抜き |
|
|
|
|
|
|
|
|
おぼれ |
|
|
|
|
|
|
|
|
高温低温物との接触 |
2(2) |
1.7 |
3 |
2.8 |
4 |
3.4 |
3 |
2.9 |
有害物との接触 |
|
|
1 |
0.9 |
1(1) |
0.9 |
2 |
2.0 |
感電 |
|
|
1 |
0.9 |
|
|
2 |
2.0 |
爆発・破裂・火災 |
5 |
4.4 |
2 |
1.9 |
2 |
1.7 |
2 |
2.0 |
その他 |
4 |
3.5 |
5 |
4.7 |
3 |
2.5 |
7 |
6.9 |
合計 |
115(8) |
100 |
106(3) |
100 |
118(6) |
100 |
102(4) |
100 |
|
|
(注)件数欄の()内の数値は死亡災害で内数 |
関係団体の動向
○事務所移転
運輸施設整備事業団
移転先:〒231−8315
神奈川県横浜市中区本町6丁目50番地1
横浜アイランドタワー20〜22階
(JR東急・市営地下鉄桜木町駅下車徒歩5分)
移転日:平成15年3月10日(月)
各部の電話・ファクシミリ番号:
代表(22階)
総務部:TEL045−222−9111 FAX045−222−9147
鉄道関係(20階)
業務第部:TEL045222−9122 FAX045−22Z9148
旅客船関係(21階)
業務第一部:TEL045−222−9138 FAX045−222−9150
貨物船関係(21階)
業務第三部:TEL045−222」9139 FAX045−222−9151
造船関係(21階)
業務第四部:TEL045−222−9124 FAX045−222−9152
船舶・基礎研究関係(21階)
技術部:TEL045−222−9129 FAX045−222−9153
今後の行事予定
4月17日(木)
・中型船部会
14:00〜16:00於:事務局会議室
5月9日(金)
・中型タンカーの新船型の設計に関する調査
研究・新型タンカー部会
13:00〜17:00於:事務局会議室
5月16日(金)
・第478回理事会(会場等未定)
・第44回通常総会(会場等未定)
中小型造船日誌
1月10日(金)
・労務委員会
1月17日(金)
・修繕船委員会
・第476回理事会
・賀詞交換会
1月23日(木)
・中小造船業における雇用流動化対策及び人材の確保・雇用流動化対策検討会
1月28日(火)〜2月2日(日)
・小型造船技術講習・通信教育造船科講座スクーリング
1月30日(木)
・技術委員会/工作生産管理研究会
1月31日(金)
・中型タンカーの新船型の設計に関する調査研究・新型タンカー部会
2月14日(金)
・小型造船技術講習・通信教育部会
2月18日(火)
・中小造船業における雇用流動化対策及び人材の確保・雇用流動化対策検討会
・小型造船委員会
2月19日(水)〜3月3日(月)
・ベトナム造船業視察ミッション
2月21日(金)
・労働安全衛生対策部会
2月27日(木)
・技能伝承のための撓鉄作業の高度化・新展開法部会
2月28日(金)
・中小造船業における雇用流動化対策及び人材の確保・人材確保対策部会
・中型タンカーの新船型の設計に関する調査研究・新型タンカー部会
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