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会報「中小型造船」 No.349

 事業名 基盤整備
 団体名 日本中小型造船工業会 注目度注目度5


第1章. 次世代内航海運ビジョン
 
 平成13年1月の中央省庁等の再編に伴い、従来の海上交通局と海上技術安全局が統合され、海事局が誕生した。これを契機に、海運、船舶、船員の海事分野全般にわたる新しい内航海運行政施策の展開を総合的・効率的に進めるため、「次世代内航海運ビジョン」の策定を行うこととした。
 平成13年7月より、次世代内航海運懇談会(座長・杉山一橋大学副学長)及びその部会として内航海運暫定措置事業部会(座長・加藤東京理科大学教授)が設置され、計10回にわたる検討が行われた結果、平成14年4月26日、「次世代内航海運ビジョン〜21世紀型内航海運を目指して〜」が取りまとめられた。
 なお、当該ビジョンを具体化するため、同月19日に「内航船乗組み制度検討会」、5月29日には「内航海運制度検討会」が設置され、諸制度の検討を鋭意はかっていくこととしている。
(1)21世紀型内航海運のあり方
 内航海運は、国内貨物輸送量(トンキロベース)の4割を担うとともに、とりわけ鉄鋼、石油、セメント等の産業基礎物質の輸送の8割を支える基幹的輸送モードとして、四方を海に囲まれた我が国における経済活動及び国民生活に重要な役割を果たしている。
 一方、近年においては、バブル経済崩壊後の長引く景気の低迷、経済のグローバル化の進展に伴う企業の国際競争の激化等の結果、企業の合併や業務提携による事業再編の動きが活発化する等内航海運を取り巻く我が国経済の状況は大きく変化している。
 また、地球温暖化等の環境問題では、平成9年12月の「気候変動に関する国際連合枠組条約」第3回締約国会議で採択された「京都議定書」において、我が国を含む各国の二酸化炭素排出抑制の数値的目標の達成が義務付けられる等地球規模での環境保全の取り組みの強化が急務となってきている。
 21世紀を迎え、こうした経済・社会の諸情勢の変化に的確かつ柔軟に対応した新しい物流システムの形成が求められる中で、内航海運についても、環境負荷が小さく、輸送効率に優れたその特性を十分に発揮し、引き続き、物流の大動脈として21世紀の我が国経済社会の発展に寄与していく必要がある。このため、21世紀型内航海運においては、「他の輸送モードとの連携を図りつつ、より効率的で環境に優しい輸送サービスの安定的な提供を目指すべきである」との位置付けがなされた。
(2)内航海運行政の取り組むべき課題
 次に、上述のような21世紀型内航海運の実現に必要な行政の取り組むべき課題の選定にあたっては、まず、高度かつ全体効率的な物流システムの構築の観点から、輸送の安全の確保を前提としつつ、輸送コストの削減、輸送サービスの質の高度化や革新的サービスの創出を図ることに重点を置いた行政を展開していくことが必要であり、行政の役割はそのためのソフト・ハード両面にわたる環境整備に取り組むことであるとの認識に立ち、「健全かつ自由な事業活動を促す市場環境の整備」及び「効率的で安全かつ環境に優しい輸送サービスの構築」の2つの基本的方向性が示された。
 さらに、この2つの基本的方向性に沿って、海事分野全般にわたる内航海運関連施設の横断的整備がなされ、以下のとおり具体的施策がとりまとめられた。なお、その際、個別施策ごとに実施スケジュールの明確化が図られた。「健全かつ自由な事業活動を促す市場環境の整備」に向けて
(1)オペレーター、オーナーの事業区分にとらわれず、事業意欲のある事業者の事業展開を支援するための事業展開の多様化・円滑化
・許可制から登録制へ変更
・オペレーター、オーナの事業区分の廃止
・船舶管理会社形態の導入
(2)荷主を頂点とする取引構造による優先的地位の濫用の弊害を防止し、公正かつ透明性の高い市場を構築するための市場機能の整備
・運送約款、ガイドライン等の整備
・運賃・用船料水準等市場情報の開示
・内航海運暫定措置事業の円滑かつ着実な実施等
(3)内航海運の輸送の安全を確保するための事後チェック体制の整備
・船舶管理規程(仮称)の作成
・輸送の安全の確保のための是正命令制度の整備
「効率的で安全かつ環境に優しい輸送サービスの構築」に向けて
(4)内航海運の競争力の向上、環境負荷の低減等を図り、低コストで質の高い輸送サービスの実現のための高度かつ効率的な輸送サービスの構築
・次世代内航船(スーパーエコシップ)の開発・普及の推進
・高度船舶安全管理システムの開発・普及の推進
・船舶や船員乗組体制に関する規制の見直し
(5)良質な輸送サービスの円滑な提供体制の確保のための環境整備
・運輸施設整備事業団の船舶共有建造業務の重点化
・船員労務供給事業への民間参入等
(6)物流システム全体の高度化・効率性の向上により内航海運の活性化を支援するための全体効率的な物流システムの実現
・港湾荷役のより一層の効率化・サービスの向上等海陸一貫輸送サービスの充実
・海上ハイウェイネットワークの構築等によるモーダルシフトの推進
・静脈物流システムの構築
 
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