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今治造船(株)建造RORO貨物船「しゅり」(近海郵船(株))就航
 
 近海郵船(株)は去る7月15日、当会会員会社の今治造船(株)で建造されたRORO貨物船「しゅり」の沖縄航路(東京〜大阪〜那覇)就航を記念して、東京港有明埠頭において関係者に披露しました。当日、同船を見学する機会を得ましたのでその概要を掲載します。
 今回披露された「しゅり」は、大阪〜那覇航路に就航していた「しゅり2」(6,178GT)の代替船で、運輸施設整備事業団殿、瀬野汽船(株)殿、四国開発フェリー(株)殿の共有船です。大型化・高速化が図られるとともに、生鮮物や切花などの冷蔵・冷凍貨物の積載能力が増強されています。また、新造船投入を機に従来の大阪〜那覇航路に加え、東京〜那覇航路の新サービスが開始されました。さらに、琉球海運(株)の「みやらび」(5,600GT)、「にらいかない」(5,600GT)とのスペース交換方式を採用することにより、東京〜大阪〜那覇航路の週3便体制が確立されるとともに、集荷・配送のニーズに適した出航・入港時間の設定が可能となりました。
 優れた船舶の投入ときめ細かいサービスの提供により、東京、大阪そして那覇と我が国物流の大動脈ともいえる航路での輸送効率が大幅にアッブし、モーダルシフトの一層の進展につながるものと期待されています。
「しゅり」主要目
 
船型 ロールオン・ロールオフ貨物船
資格 限定近海
船級 NK NS* MNS*(MO)
搭載能力 12mシャーシ122台、9mシャーシ5台、背高車103台
全長 167.7m
垂線間長 156.00m
型幅 24.00m
型深 10.70m
満載吃水 7.215m
総トン数 9,813T
重量トン数 10,797T
主機関 三井造船製ディーゼル8S50MC-C1基 12,640kW(17,185ps)×127rpm
航海速力 21.0ノット
特殊装置 フィンスタビライザー1組
ランプウェイ
7.00m×23.50m 50.0トン
7.00m×31.50m 50.0トン
 
今治造船株式会社
設立:昭和17年1月15日
代表者:代表取締役社長 檜垣俊幸
資本金:9億7,800万円
従業員:3,500名
本社・今治工場:
〒799-2195 愛媛県今治市小浦町14-52
TEL:0898-36-5000 FAX:0898-36-5010
丸亀事業本部:
〒763-8511 香川県丸亀市昭和町30
TEL:0877-25-5000 FAX;0877-25-5090
西条工場:
〒793-8515 愛媛県西条市ひうち7-6
TEL:0897-53-5000 FAX:0897-53-5040
 
 
 
 
 
 
 
 
 
平成14回全国造船安全衛生大会の概要
 
 造船業界における労働災害の撲滅と労災保険の収支改善を目的に、(社)日本造船工業会、(社)日本造船協力事業者団体連合会及び当会の業界3団体(約2,500事業所、約9万人)で構成する全国造船安全衛生対策推進本部(全船安)は、その活動状況を内外に広くアピールするため、毎年、「全国造船安全衛生大会」を開催しています。本年は去る6月14日に函館市の函館国際ホテルにおいて、厚生労働省、国土交通省、造船重機労連のご協力を得て、関係者約200名の出席のもと第14回大会が開催されました。
 昭和58年5月の発足以来、全船安は造船業界の労働災害防止活動に積極的に取り組み、休業災害発生件数は年々改善傾向にあります。しかしながら、近年においても重大災害が発生していることから、全船安では災害の発生原因別分類において最も件数の多い「墜落・転落」災害の防止を最重点課題として位置づけ、これらの災害の防止に全力で取り組んでいるところです。
 また、今回も労働災害防止活動における志気高揚の一環として、全船安活動に貢献した事業所、安全担当者等の表彰が行われ、当会関係では、事業場表彰として山中造船(株)殿、個人表彰として佐伯重工業(株)吉留久晃殿並びに神戸船渠工業(株)早川堯夫殿が各々受賞されました。
 なお、本年は全船安設立20周年にあたり、今大会において歴代本部長の功績に対して感謝状が授与されるとともに、記念誌「全船安20年活動の足跡」が刊行されました。
第14回全国造船安全衛生大会決意表明
 我々全船安は、厚生労働省、国土交通省並びに全国造船重機械労働組合連合会のご支援・ご協力を得ながら、設立以来、組織の強化・拡充、活動の活性化に努め、会員各事業所の安全衛生管理水準の向上を図り、もって造船業に従事する者の安全と健康の保持増進並びに労災保険収支率の改善に取り組んで参りました。
 これまで、多くの関係者のたゆまざる努力によって、休業災害発生件数は確実に減少しておりますが、死亡災害発生件数は一進一退の状況にあります。我々は大いに反省すると同時に死亡災害ゼロを目指し、惰性に流されることなく、これまで以上の熱意と努力を傾注し、今後の全船安活動を行っていく必要があることを強く認識し、今後の活動に取り組んでいくこととしております。
 「船舶製造又は修理業」の経営環境は益々厳しくなっております。災害の発生が如何に多大の損失をもたらすかを肝に銘じて、社会の変化に即応した職場の安全衛生対策の充実強化を図り、かけがえのない一人ひとりの命を守る“災害ゼロの明るく健康な職場づくり”が全船安にたずさわる我々に与えられた重要課題であります。
 平成14年度は全船安が設立20年を迎えた年であります。我々はこの節目の年に、改めて自分の事業場からは災害を発生させないという気持ちをもって今後の安全衛生活動に当たります。
 また、全船安を構成する日本造船工業会、日本中小型造船工業会及び日本造船協力事業者団体連合会は一致協力して、安全でより快適な職場作りを目指して、更に邁進することをここに誓い、決意表明と致します。







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