3.7 排ガス質量流量の計算のためのプログラム
3.7.1 炭素及び酸素の計算について両方の化学量論計算の結果から、排ガス組成及び含水量を含む排ガス質量流量の合計が得られる。
3.7.2 プログラム中の式は、主とし湿り排ガスを基にしている。
3.7.3 乾き濃度(O2及びCO2)が計測される場合には、乾きから湿りへの補正係数KWEXH(=Kw,r)を使用しなければならない。
3.7.4 このプログラムは、KWEXHが既知の場合の排ガス質量流量を計算し、また、排ガス流量が既知の場合のKWEXHを計算する。両方の値が分からない場合に、このプログラムでは、KWEXH(=Kw,r)に仮の値をつけ、両方の値が適合して収束するまで反復計算を行う。
3.7.5 このプログラムによらずに質量平衡式を使用する場合には、次に示す乾きから湿りへの補正係数を使用しなければならない。
3.7.6 別の形の式:
3.7.7 乾き対湿りの補正の一般的な式KWEXH=Kw,rには、別の形式も可能である。
3.7.8 式(2−44)及び(2−44a)並びに本コードの5.12.2.3から得る式(12)は、絶対的に正確とはいえない。それは、燃焼中の水分及び吸気中の水分のための補正が加えられていないからである。
3.7.9 正確な式は、次のとおりである。
ここで、
|
RhoEXHDAC |
= |
乾き空気による燃焼の場合の排ガス密度(kg/stdm3) |
|
RhoH2O |
= |
水蒸気密度(kg/stdm3)(MWH2O/MVH2O) |
3.7.10 本コードの5.12.2.3からの式(12)を式(2−45)と比較すると、以下の例に示すように、係数Kw,rに極く僅かな差のあることが分かる。
湿度 |
Kw,rの偏差(式(2−45)との比較) |
g/kg |
% |
10.0 |
0.2 |
25.0 |
0.5 |
3.7.11 (2−45)で与えられた式は、多くの場合にRho EXH DACは分からないため、また、燃料比係数FFHの使用を省いているため、あまり実際的ではない。したがって、本コードの5.12.2.1から5.12.3.5までに示される、より実際的な式(9)、(10)、(12)及び(13)を使用しなければならない。(ほとんどの場合)0.2%未満の計算結果の誤差は、無視することができる。
3.8 排ガス流量計算のための燃料比係数FFD及びFFWの計算
3.8.1 次式により、
VEXHW=VH2O+VCO2+VO2+VN2+VSO2 (2−48)
VEXHD=VCO2+VO2+VN2+VSO2 (2−49)
かつ、式(2−34)、(2−35)、(2−37)、(2−38)及び(2−39)によって、係数はそれぞれ、式(2−50)及び(2−52)で求められる。
3.8.2 上記の式に数を入れると、次のようになる。
FFW=0.05557・ALF−0.00011・BET−0.00017・GAM+0.0080055・DEL+0.006998・EPS (2−51)
3.8.3 FFDの式は良く似ている。水に関する係数ALFの項が違っているだけである。
3.8.4 上記の式に数を入れると、次のようになる。
FFD=−0.05564・ALF−0.00011・BET−0.00017・GAM+0.0080055・DEL+0.006998・EPS (2−53)
3.9 燃料比係数FFHの誘導
3.9.1 本コードの5.12.2に従って乾き濃度から湿り濃度を計算するために使用される。
conc(wet)=Kw,r・conc(dry) (2−54)
備考:下記の誘導の場合に、最初に示された変数の記号が略語で与えられた記号と違っているが、これは、述べているプログラム中の変数の名称が異なるためである。
例えば、Kw,r=KEXH=KWEXH
3.9.2 FFHの誘導には、乾き吸気が考慮されているが、これは、式(2−17)が吸気内の水を別個に扱っているからである。
3.9.3 排ガス密度が分かっているすべての燃料に適用できるこの一般式は、ディーゼル燃料については、次のように単純化できる。
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