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米国のエネルギー政策が海事産業に与える影響に関する調査

 事業名 造船関連海外情報収集及び海外業務協力事業
 団体名 シップ・アンド・オーシャン財団  


2-7 エネルギー技術会社
 
 このカテゴリーは、エネルギー技術開発に焦点を当てた会社である。多くは比較的小型の創設間もない会社であり、単一の製品ラインの市場導入を図っている。次に概説する2社は合成燃料(シンフエル)の開発に取り組んでいる。
 
シントロリウム社(Syntroleum)
 同社は天然ガスを合成液体炭化水素に変える同社の特許プロセスの開発者でありライセンス供与者である。当該技術は一般にガス液化(GTL)11技術として知られている。シントロリウム社は同社のGTL技術を使用するライセンスを販売し、また独自のシントロリウム・プロセスに基づいた自社CTL工場の開発と所有を計画している。このプロセスは、原油から精製される従来の製品には通常含有されている不純物がほとんどない合成液体炭化水素を生産することができる。これらの合成液体炭化水素にさらに通常の精製処理を施すことにより利益率の高い製品に加工することができる。同社によればシントロリウム・プロセスは、日量1万バレル未満から10万バレル以上までのレベルの生産量のGTLプラントで経済的に使用することができるという。同社は当該プロセスに基づいた商用規模のGTL工場をまだ建設していないが、西オーストラリアに建設する日量11,500バレルの特殊製品GTL工場を開発中である。同社のマーケット・キャップは現在6,100万ドル。シントロリウム社はオクラホマ州タルサに本社を置く。
 
レンテック社(Rentcch)
 レンテック社もまた、炭素化合物から発生したガスを液化炭化水素に変える技術の開発を行っている。レンテック社は、天然ガス、石炭、残さ油、オフガス12、その他の炭化水素原料から生成された合成ガスを、クリーンな、硫黄化合物及び芳香族化合物を含まない代替燃料、ナフサ、ワックスに変える独自の特許技術を保有している。シントロリウム社と同様に、同社の技術は1920年代にドイツで開発されたフィッシャー・トロプシュ(Fischer-Tropsch)13合成を基にした技術である。レンテック社は、自社の技術を石油・ガス会社、産業ガスエ場のオペレーター、その他の炭素含有素材の所有者を始めとするエネルギー産業にライセンシングすることに事業の焦点を置いている。シェブロン・テキサコ社がレンテック社のGTL工程利用のライセンスを取得している。レンテック社のマーケット・キャップは4,300万ドル。本社はコロラド州デンバー。
 
2-8 油田サービス会社
 
 このカテゴリーは、石油・ガス施設の設計、建造、維持、運転を行う広範な企業を含む。掘削業者、油田機器サプライヤー、建造請負業者、地震探鉱会社、ロジスティクス会社等である。石油サービス部門の大手3社を次に概説する。
 
シュルンベルジェ社(Shlumberger)
 油田サービスでは最大の企業であり、事業は2部門に分れている。油田サービス部門は同社の売上げの70%を占め、世界の石油産業に探鉱・生産サービス、ソリューション、技術を提供している。地震探鉱、孔内計測(wireline logging)、地球科学ソフトウェア、電算サービスで、同社は業界リーダーとされている。陸上及び海洋地震探鉱事業と技術は、シュルンベルジェ社とベイカー・ヒューズ社の合弁事業であるWesternGeco社が担当、開発している。シュルンベルジェ・セマ事業部門は、通信、エネルギー、電気・ガス事業、ファイナンス、運輸、公共事業向けにコンサルティング、ITサービス等を提供している。2002年の資本支出予算は20〜25億ドル。マーケット・キャップは248億ドル、本社はニューヨークに置かれている。
 
ベイカー・ヒューズ社(Baker Hughes)
 同社は世界中でボーリング関係の製品、技術サービス及びシステムを石油・ガス産業に提供している。同社は7つの事業部門からなり、それぞれが個別の経営チームとインフラを保有し、独自の製品とサービスを提供している。第一の事業グループは、石油・ガス田の探鉱、開発、生産用機器の製造・販売、関連サービスの提供を行っており、第二の事業グループは液体と個体、液体と液体の分離処理機器の製造、販売を行っている。ベイカー・ヒューズ社はまた、ナイジェリアの石油、ガス資産に権益を有しており、地震探鉱船の大型船隊を抱えるWesternGeco社をシェルンベルジェ社と共同所有している。2002年の資本支出予算は3〜3.4億ドル(買収支出を除く)。マーケット・キャップは90億ドル。本社はテキサス州ヒューストン。
 
ハリバートン社(Halliburton)
 ハリバートン社は世界最大の多角エネルギー・サービス、エンジニアリング、建設サービス会社である。ハリバートン社は2つの主事業部門を抱えている。エネルギー・サービス事業部門は、埋蔵地メンテナンス、設計サービス、検層用製品、掘削機器、海底エンジニアリング、設置サービス等、石油ガス田の探鉱、開発、生産用の広範なサービスと製品を提供している。工学・建設事業部門はハリバートンKBRとして運営されており、LNGプラント、原油精製所、天然ガスプラント、浮体式生産施設を含む陸上、海洋石油・ガス施設の設計、建設を行っている。ハリバートン社は、チェイニー副大統領が同社の前CEOであったことが問題となっている。また、同社はアスベスト公害で訴えられており、財政上深刻な問題となっている。2002年上半期の資本支出は4億400万ドルであった。マーケット・キャップは57億ドル、本社はテキサス州ダラスにある。
 

11
GTL(Gas to Liquid):天然ガスを原料として液体燃料を製造する技術。天然ガスの主成分であるメタンを一旦反応性の高い合成ガス(水素と一酸化炭素)に転換した後、FT合成、メタノール合成等により。ナフサ、灯油、軽油、ワックス等、硫黄、芳香族などの不純物を含まないクリーン燃料に変換する技術。
12
オフガス(off gas)原油蒸留、ナフサ分解等によって副生するメタン、エタン、水素等またはこれらの混合ガスをいう。各種燃料及び化学原料として使用されている。トップガスともいう。気体。
13
水素と一酸化炭素を触媒の存在下で分子量の大きい炭化水素に変換する。







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